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丘の上の戸定邸
〔松戸市戸定歴史館〕
No10

梅雨の中休み。その日は快晴。6月中旬だったがもう真夏の暑さだった。以前、働いていた会社の後輩と松戸駅で待ち合わせた。松戸市は都心から約20キロの位置にある人口47万人(平成15年の統計)の東京のベッドタウンだ。

丘の上から見た松戸

僕が育った千葉県北西部は比較的、なだらかな土地が続いており土地が平らで山や海もない。起伏の激しい山や小高い丘も、さほどない。しかし松戸駅周辺には小高い丘がいくつかある。ここ戸定庭園に来てみるとそれを実感することが出来る。聖徳大学などがある駅東口を中心に小高い丘が多数見える。そしてここ戸定歴史館も丘の上にある。

松戸駅周辺の景色 門
松戸駅周辺の景色
戸定邸の駐車場から見た松戸駅東口付近の景色。 石段と藁葺きの屋根。こういう和の雰囲気がとても好きです。
戸定邸・庭園

徳川昭武の邸宅。1884年建設、面積728u、木造平屋一部2階建。大名の下屋敷(しもやしき)の面影を色濃く伝える近代和風建築として、全国的にも貴重なものです。庭園はゆるやかな起伏のある芝生に丸い樹木の刈り込みを配する、和洋折衷式庭園の初期の作例。西側眼下には江戸川、大気の状態がよければ富士山をみることもできます。戸定邸は、水戸徳川家により、昭武専用の邸宅として建設された。1892年の松戸徳川家成立後は、実質的に同家の本邸のなりました。1986年、千葉県指定名勝になりました。
(松戸市戸定歴史館パンフレット参照)

徳川昭武(あきたけ)

最後の水戸藩主。第9代水戸藩主、徳川斉昭(なりあき)の18男で、徳川慶喜の実弟。13歳の時、1867年パリ万国博覧会に将軍の名代として派遣され、ヨーロッパ各国を歴訪。その後パリで留学生活を送った。明治維新によって帰国し、最後の水戸藩主となる。1883年には29歳の若さで水戸徳川家当主の座を退き、翌年戸定邸を建設。1892年、3歳の嫡男武定(たけさだ)が父の勲功により子爵を与えられ、松戸徳川家が成立するが、実質的には昭武が同家の創設者となったと言える。自然に恵まれた戸定邸で、狩猟、写真撮影、作陶などにいそしんだ。1910年没。
(松戸市戸定歴史館パンフレット参照)

戸定邸へ

門をくぐり坂を上がっていくと左手に戸定歴史館が見えてきた。僕自身、ここを訪れるのは2度目だったが前回来たときは歴史館に入らなかったので今回は入館してみようと思った。館内は昭武の留学時代の資料や昭武や徳川慶喜が撮った写真が展示してあり、その写真には約百年前の東京の景色(江戸)が写っていた。とても歴史を感じさせる写真だ。ひと通り見終わった後、戸定邸の前へ。風情のあるそのたたずまいに感動する。とても暑い日だったのだが、なぜか涼しさを感じた。

戸定邸入口 戸定邸入口
戸定邸
玄関へ

チケットを見せて邸内へ。玄関から中をみるとまっすぐに廊下がのびていました。中に入ると陽が差していてとても明るかったです。

玄関
玄関

玄関をまっすぐに進んでいくと今度は中庭がありました。家に中庭があるなんて庶民の僕からは想像もつかない(笑)

中庭 窓越しの中庭 中庭
中庭 窓越しの中庭 中庭
中庭には木が植えられていました。いい空間ですね。
開放的な空間の客間

中庭を過ぎ、更に奥へと進むと、とても開放的な部屋に入った。外には青々とした芝生が広がっていてその先には江戸川と葛飾橋が見える。縁側に座ってみると眠たくなってきた。『ここで昼寝をしたら気持ちがいいだろうな』なんてふと思った。こんな快適な場所で本を読んだり昼寝をしたらとてもリラックスできそうですね。

庭園 遠くに見える江戸川と葛飾橋
庭園 遠くに見える江戸川と葛飾橋
手入れの行き届いたとても立派な庭園でした。 眼下には江戸川と葛飾橋が見えました。
縁側 縁側
縁側
ここに座ってボーっとしていたら本当に眠くなってしまった(笑)
まだまだあるたくさんの部屋

昔は大家族だったからたくさんの人が同じ屋根の下に住んでいたのでしょうね。そのせいか、まだまだたくさんの部屋がありました。もちろんこれだけ大きいのはお金持ちだったからでしょうね。

化粧室付近 秋庭の間 秋庭の間
化粧室付近 秋庭の間 秋庭の間
他にも渡り廊下で繋がった部屋が多数ありました。
庭園へ

戸定邸を出て奥に進む。そこには緑豊かな公園が広がっていました。松戸は東京のベッドタウンとして栄え人口も多いが駅からわずか10分ほどでこのように静かな場所があると思うとホッとする。緑を大切にした街づくりをしてほしいと思います。

戸定が丘歴史庭園 戸定が丘歴史庭園 戸定が丘歴史庭園
戸定が丘歴史庭園
戸定が丘歴史公園

戸定(とじょう)は古く中世に起源を持つ地名です。この地に1884年、最後の水戸藩主であった徳川昭武(あきたけ)は戸定邸を建設し、松戸徳川家の住まいとしました。1951年、戸定邸と敷地が松戸市に寄贈され、1991年11月には戸定が丘歴史公園として整備・一般公開されました。約2.3haにおよぶ公園では、四季折々に変化する自然が目を楽しませてくれます。
(松戸市戸定歴史館パンフレット参照)

休憩場 芝生広場
休憩場 芝生広場
公園内 大きな木
公園内 大きな木
戸定が丘歴史公園
公園内には休憩場や芝生広場がありました。
スペーサーイメージ
松雪亭 松雪亭
松雪亭
戸定邸の向かいにある建物。
ゆったりとした時間

ゆったりとした時間を過ごしリフレッシュできたと思う。戸定邸のある丘はどこかその周辺の市街地とは違う感じがしました。時間の流れがゆったりとしていて都会の喧騒を忘れさせてくれる不思議な空間でした。江戸時代へタイムスリップしたような、そんな感覚にしてくれる場所でした。

松戸市戸定歴史館
〒271-0092 松戸市松戸714-1
入館時間:AM9:30〜PM4:30(PM5:00閉館)
休館日:月曜日
松戸市戸定歴史館へのアクセス
 
■電車
◎JR常磐線松戸駅東口下車徒歩10分
(2005年7月16日UP)