2012.05.06 わが母の記 ★★☆(樹木希林の演技は★★★★★)
- 誰しも自分の母親は気になる存在で、亡くなった後も何かにつけて色々思い出されるのは私とて例外ではありません。そんなこともあり、邦画でありながら(?)私を劇場に向かう気にさせてくれた、本作品ではあります。作家・井上靖の自伝的小説を映画化したもの。
- 小さい頃に母親(樹木希林)に見捨てられていたと思っていた主人公(役所広司)が、すっかり物忘れが酷くなった母親のある時の言動で、母親の本当の気持ちを知る、というのが山場のお話(しまった、これネタバレかな?)。
- ストーリー的には特に起伏があるわけでもなく、古き良き時代の(ブルジョア家庭の)ホームドラマと言っても良いかも知れません。認知症の親の介護は、あんなきれい事(下のことに全く触れない)では済まないだろうと、一方では思ったりもします。終盤、妻が主人公に打ち明ける重要なことを、何故早いうちに告げていなかったか、なども疑問として残ります。
- 大いに予想され期待していたことですが、私は樹木希林の超絶演技に魅了されました。彼女の他の人のセリフの後に被せるように発する、タイミングが絶妙なセリフ回しにひたすら感動。おそらくアドリブも少なくないのではないでしょうか。役所広司や娘役の宮崎あおい(セーラー服が似合っていた)も悪くありませんが、私は樹木希林の演技を見ただけで、十分元は取れたと思っています。
- (劇場)
2012.05.05 荒鷲の要塞 ★★★★
- 昔の著名な映画で、見たかどうか記憶が定かでない映画は少なからずあります。本作も正にそれ。類似作品に「ナバロンの要塞」がありますが、これは明らかに見た記憶があります(多分)。冒頭の飛行機内シーンで、ああこれは未見だったと分かりました(ああ、良かった)。
- 1968年の制作ですから、44年前の作品。原作はベストセラーなんだそうな。ドイツ軍の難攻不落の要塞に、捕虜となった連合軍将校の救出に向うという正にミッション・インポシブルのイギリス軍の特殊部隊の活躍を描いたもの。なにしろこの分かりやすい設定が嬉しい。しかし、ストーリーはかなり捻ってあって、二転三転するので、連休ボケの頭で見ていると置いてけ堀を食らいます。
- サスペンスとしてはよく練られてはいると思いますが、何しろご都合主義が目立ちます。あれだけの銃撃戦で主人公チームは全く無傷であったり、極めて難しい状況でも結果的に難なく脱出できたりとか・・・。それでも終盤のゴンドラでの攻防は、正に手に汗を握るシーン。最大の見せ場でしょう。
- 主人公のリチャード・バートンが超人的でなく、ギリギリの体力で奮闘しているオッサンという描き方も好感が持てます。ここでもクリント・イーストウッドがカッコ良過ぎ。あの体制で敵の銃弾が全く当たらないというのも、許せます。あのネチネチしたゲシュタポの描き方は、恐らく「イングロリアス・バスターズ」などに影響しているのだと想像出来ます。メアリー・ユーアの化粧が時代を感じさせるなぁ。
- 戦争物の名作と言って良いでしょう。必見です。
- (BD)
2012.04.22 ヒアアフター ★★★
- 本作はクリント・イーストウッド監督作品であること以上に、3.11以後その上映が中止となったということで、話題となりました。冒頭にスマトラ沖地震をモデルにした津波のシーンがあるのが、中止となった理由です。
- 映画は、津波によるパニックなどをテーマにしたものではありませんが、その生々しい描写が冒頭10分程度続くが故にインパクトも大きく、中止をした配給側の判断は正しいというか、それしかなかったように私は思います。
- 津波に巻き込まれ臨死体験をした女性(セシル・ドゥ・フランス)、生まれつき霊能力を持つ男(マット・デイモン)、双子の兄を交通事故で亡くした少年(フランキー・マクラレン)が最後にロンドンで邂逅するという群像劇的ストーリー。イーストウッドらしい美しくも物悲しいテーマ曲を背景に、ゆっくりと丁寧に描かれていきます。雰囲気的には極めてよろしい・・・。
- ただ、霊能力者と少年が会う必然性は分かるとしても、霊能力者と臨死体験女性を結びつける理由がどうも釈然とせず、それをイーストウッド的雰囲気で強引に丸め込んでしまった、という印象です。
- 第一、セシル・ドゥ・フランスが老け顔なので、マット・デイモンとのペアリングはどうもしっくり来ません。むしろ、料理教室で出会った女性(ブライス・ダラス・ハワード)との関係をもっと進展させて欲しかった。彼女が目隠しをされて食材を当てるシーンが、やけに官能的。
- イーストウッド御大もはや81歳。臨死とか来世に興味が出てくるのも、まあ分からないでもありませんが・・・。(^_^;)
- (BS-HV)
2012.04.14 ぼくのエリ 200歳の少女 ★★★★
- (ネタバレあり注意)
- 比較的評判が良かったと記憶している本作、珍しくもスウェーデン映画なのでした。タイトルからしてファンタジーだろうと思っていたら、何と正真正銘のヴァンパイア映画。人の生き血を吸う、犠牲者もヴァンパイアとなる、日光下で発火する、家人に招かれないと家に入れないなど、笑ってしまうほど基本ルールに忠実なのです。
- しかし、騒々しいハリウッドB級ものと違って、いかにも北欧らしい透明感たっぷりの叙情的な仕上がりになっています。12才の少年とヴァンパイア少女(?)の淡い恋も絡め、ヴァンパイア映画特有の悲哀も十分描けていて、これはよい意味で裏切られました。
- 問題はやはり邦題とボカシの入るワン・シーンでしょう。原題(英語題)は「LET THE RIGHT ONE IN」。「正しいものを入れよ」でしょうか。ヴァンパイアが人家に入る時に「入っていいよ」と言われないと入れないことに由来しているようです。つまり、この映画ではヴァンパイアが正しいものなんですね。ボカシはヴァンパイアの局部が一瞬写るシーンなのですが、これが極めて重要な要素になっているのです。実はこのヴァンパイアは少女ではなく、カストラートなんだとか。つまりこの映画の配給会社は、本作の内容を全く理解していなかった訳ですね。ヴァンパイアが200歳だなんて件は全く出てきませんし・・・。
- 少年役のカーレ・ヘーデブラントの演技はイマイチですが、まあ良い味を出していたかな。ヴァンパイア役のリーナ・レアンデション(女優)はイラン人との混血だけあって、エキゾチックな風貌が活かされていました。
- 終盤のプール・シーンが衝撃的。振りだしに戻ることが暗示される、少年とヴァンパイアが旅立つラスト・シーンが切なくも悲しい・・・。
- (BS-HV)
2012.03.31 アンノウン ★★★★
- 「96時間」でそれまでのイメージを一新して、戦うオヤジぶりを発揮したリーアム・ニーソン。予告CMなどから、本作でも同様な期待が出来そうです。
- ある生物学の博士が大事故から生還後、妻は自分を忘れ、見知らぬ他人に自分の名を騙られる、という不可解な状況に陥った男がその謎を解き明かして行く、というありがちなストーリー。しかし、終盤そのオチが次第に明かされていくと、思わず唸らずにはいられないほど。見ているものの頭に?が一杯だった色々な謎が、一つひとつ辻褄が合っていく様は見事です。生物学者がなんであんなカーチェイスが出来たのか、なども納得。
- それにしても元秘密警策の男とあの男が対峙する場面は、ジリジリとした緊張感が漂う名シーンと思いました。
- 見応え十分な作品ですが、ツッコミどころも幾つか。何であんな大事な鞄を安易に忘れるのか、とか、ダイアン・クルーガーのタクシー運転手は如何にもイメージが違うだろ、とか、シャワーを浴びていたはずの主人公が次のシーンではキチンと洋服を身に着けていたこと、などでしょうか。
- オッサン・アクションの中で、妻役のジャニュアリー・ジョーンズ(ニコール・キッドマンに9掛け位)とダイアン・クルーガーの美しさが嬉しい・・・。(^_^)
- (BS-HV)
2012.03.19 コンテイジョン ★★★☆
- Apple TVでの初めてのフルハイビジョン・コンテンツのレンタルによる鑑賞です。タイトル(Contagion)は「感染」という意味ですが、どうやらウィルスだけでなく、デマやパニックのことも指しているらしい。スティーヴン・ソダーバーグ監督による豪華キャストのパニック・スリラー。劇場で観たいと思っていて、見逃していたのでした。
- 何といっても、マット・デイモン、ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロー、ケイト・ウィンスレット、ローレンス・フィッシュバーン、マリオン・コティヤールという豪華絢爛な布陣が凄い。
- しかし、その割には映画自体はかなり地味でそれほど盛り上がりません。前半のあるものに焦点を当てたカメラワークによって、じわじわと迫り来る恐怖は身震いする程ですが、後半の展開がややぬるい感じがしました。ハリウッド的なあっと驚くような展開はありません。その分リアリティがあって、淡々としたドキュメンタリーを見ているかのよう。
- 後半のフィッシュバーン演ずる博士の取った行動は、誰が責めることが出来るか。人間というのはああいうものでしょう。大衆がパニックに陥り、暴徒化するのも止むを得ない、と言ったら言い過ぎでしょうか。
- ジュード・ロウ、怪しく憎たらしい。マット・デイモン、可哀想過ぎる。グウィネス・パルトロー、こんな役でいいのか(それにしても老けた)。ケイト・ウィンスレット、貴方はエライ。ローレンス・フィッシュバーン、貫録あり過ぎ。マリオン・コティヤール、美形だけど、存在感無さ過ぎ。
- (Apple TV)
2012.02.26 ウォール・ストリート ★★
- 観賞前は20数年前の「ウォール街」のリメイク作品だと思っていましたが、前作と同じマイケル・ダグラスが出所する冒頭シーンで、これはその続編なのだということがようやく分かりました。監督は同じくオリヴァー・ストーンです。
- 老獪なマイケル・ダグラスに対抗するのは、前作はチャーリー・シーン。今回は躍進目覚ましい(?)シャイア・ラブーフです。
- 金融界、証券界に極めて疎い私としては、前作同様、今回も理解できない事柄は少なからずあって、ストーリーを楽しめるところまで行かなかったというのが、正直な感想。加えて、娘を想うマイケル・ダグラス役がああまでして裏切ったり、またよりを戻そうとする言動も理解不能。結局は、孫の力なんですね。それは十分理解できます。(^o^) 金融危機を扱うというよりも、むしろ家族再生をメインに据えた映画なような気がしました。筋が一本しっかりと通っていない、という印象です。
- 冒頭、マイケルが出所する場面で、預かっていて返却される携帯電話に笑いました。携帯電話の走りで、トランシーバのようなどでかい代物。彼が収監されていた年月を表す巧い演出だと思います。
- マイケルは流石に老けましたね。眉毛が無くなった締まらない形相が哀れ・・・。娘役のキャリー・マリガンが大竹しのぶに見えてしょうがありませんでした。チャーリー・シーンがカメオ出演。でも彼の人相も随分悪くなったなぁ・・・。(-.-)
- (BS-HV)
2012.02.18 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い ★★★★☆
- これほど長いタイトルですと中々覚えられません。ものすごいのはどっちで、ありえないのはなんだったか、とか。(^_^;) 原作は9.11文学の金字塔なんだそうな。その原題(「EXTREMELY
LOUD AND INCREDIBLY CLOSE」)の直訳なんですね。
- 9.11のツイン・タワーのテロで父親を失った少年の「喪失と再生の物語」、などと言うと如何にもありきたりですが、その展開が中々どうして、最後までこれでもかという位練られています。特に母親の裏の行動や少年が皆に宛てた手紙など、素晴らしいプロットだと思います。
- お涙頂戴を狙ったものではないのでしょうが、随所で泣かされました。何故彼は電話に出なかったのか?いや、出たらもっと辛くなったのだろうな、とか・・・。
- 父親がトム・ハンクス、母親がサンドラ・ブロックという配役の時点で、半ば本作の成功は見えているというのは言い過ぎでしょうか?いや、それにも増して、本作がデビュー作という主人公を演ずるトーマス・ホーン(当時13歳)の演技が驚異的で、素晴らしい。あのタンバリンやガスマスク、とてもコミカルですが私としては十分共感出来ます(「命のタンバリン」とか:楽屋落ち)。
- 更にはセリフが全く無いのに、アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされたマックス・フォン・シドーの自然体の演技にも要注目です。私より20歳も年上。あやかりたいな・・・。でも、本当に彼のおじいちゃんだったのだろうか?
- (劇場)
2012.02.12 ザ・タウン ★★★★
- このところ余り活躍していないなぁと思っていたベン・アフレックですが、久々に監督と主演をこなした本作が話題となりました。マット・デイモンとともに「グッドウィル・ハンティング」でアカデミー賞の脚本賞を取り、「アルマゲドン」や「パール・ハーバー」などの話題作には出演しましたが、その後はマイナーなアメコミ作品に出演するなど鳴かず飛ばずという感じではありました。
- 原作が(何とかという)栄誉ある賞に輝いたミステリーということで、中々見応えのある作品に仕上がっていると思います。強盗多発地区であるボストンのチャールズタウンに住む男達が、「伝統的に」銀行強盗を重ねていくというクライム・ストーリー。途中で主人公と絡む女性のお陰で、展開がより一層スリリングになっていくという塩梅です。巧い脚色ですね。臨場感溢れる銃撃戦やカーチェイスも見応え十分。
- ただ、どう見ても誠実で正直者にしか思えない主人公が銀行強盗をやってのけたり、FBIからあれだけマークされているのに銀行強盗を繰り返したり、警戒すべき立場な女性(レベッカ・ホール)なのに簡単に主人公と親密になったりなど、やや不自然な展開も無きにしもあらず。
- 凶暴で手が付けられない仲間を演ずるジェレミー・レナーがスゴイ。また彼の自分の信念に一途なところも尊敬すべき。英国のベテラン俳優であるピート・ポスルスウェイトが恐ろしい役を演じていますが、本作が彼の遺作となりました。合掌。
- ラストは如何にもハリウッド的で、「ショーシャンクの空」を意識したかのようです。ベン・アフレック、もっと活躍して欲しいと思います。
- (BS-HV)
2012.01.28 オペラ座の怪人
25周年記念公演 in ロンドン ★★★★★(10個でもよい)
- 7年前の正月にブロードウェイのマジェスティック・シアターで「オペラ座の怪人」を初めて鑑賞した時の感動は、今でも忘れていません。本作品はロンドンはロイヤル・アルバート・ホールで、2011年10月にたった2回だけ上演された「オペラ座の怪人」25周年記念公演を収録したもの。この収録映像は、劇場でも短期間上映されたようです。
- ロイヤル・アルバート・ホールは大規模な(収容7千人)コンサート会場ですから、色々な仕掛けを必要とするこのミュージカル作品を上演するのには必ずしも適していないのだと思います。例えば、冒頭見せ場のシャンデリアを引き上げる演出は無理だったようで、初めから固定されています(残念!)。
- それでもフル・オーケストラを舞台2階に配置したり、プロジェクタ映像を駆使するなど、様々な工夫がなされています。通常は50人程度である出演者数が150人にも及んだりして(「マスカレード」のシーンで人形を使う必要がない)、豪華絢爛、雨あられ・・・。当然クローズ・アップ映像も多用されていますので、正に特等席での観賞です。
- 記念公演だけあってファントム(ラミン・カリムルー)とクリスティーヌ(シエラ・ボーゲス)役の歌唱力も文句無し。シエラ・ボーゲスの美貌も文句無し(やや大顔か)。ファントムのメイクはあれほど醜くしなくてもよいのでは・・・。
- 作品そのものの素晴らしさは言うに及ばず、ファントムが慟哭するラスト・シーンでは不覚にも涙が・・・。(T_T)
- カーテンコール以降が何と言っても素晴らしい。このパートだけでもこのブルーレイを購入する価値があります。正ちゃんこと、アンドリュー・ロイド=ウェバーが現れるとともに、ロンドンのオリジナル・キャストが登場します。つまり、サラ・ブライトマンも登場して、各国の歴代ファントム役4人とともに、メイン曲である「オペラ座の怪人」を歌ってくれます。これがとにかく感動もの。それらを見つめるロンドン初代ファントムのマイケル・クロフォードの嬉しそうな顔。
- ただ、サラの歌声は本調子ではありませんでした。ついにサラもピークを過ぎたか・・・。(-.-)
- (BD)
2012.01.21 ALWAYS 三丁目の夕日'64 ★★★
- 久々の邦画です。しかも何を血迷ったのか、劇場での封切り初日。もちろん嫌々ながらの観賞です。(^o^)
- この大ヒットしているらしいシリーズの第一作目、二作目は私は(当然)未見。昭和30年代の東京下町が舞台で、ノスタルジーたっぷりの映画であることや、原作はほのぼのとした画風である西岸良平の漫画であること位は知っています。ただ、三作目ということで、一応登場人物やそれらの背景などの最低限の知識を身に付けての観賞です。
- 見終えて感じたこと。やはり、これは昭和30年代という良き時代(?)を懐かしむための映画だということ。古いブリキの看板、ミゼット、舗装されていない道路、赤い公衆電話などなど。ただし、俯瞰映像などは明らかにCGによる作り込み。しかも何と3D映画仕様となっています(私が観たのは2D版)。郷愁を感ずるための映画に、3Dは如何なものかと思います。当然3Dを意識したシーンが(無理やり)所々挿入されています。
- 加えて、ストーリーがあざと過ぎですね。無理な伏線を張ってミスリードしておいて、後でそれをお涙頂戴のネタにする・・・。怒りやすい男の髪がまさに怒髪天を衝く状態になるのも如何にも漫画的、と思いましたが原作が漫画だから止むを得ないか。
- 最大の問題は、主人公格の吉岡秀隆の演技。小さい頃から経験を積んでいるというのに、あのぎこちない演技は何なんでしょう。役柄とは言え、薬師丸ひろ子のあの自然な演技を見よ。中盤以降正視に堪えなくて、彼が登場しないシーンで安らぐ、といった塩梅でしたよ、私は。シリーズはこれからも続くのでしょうが、そうかと言って今更配役を替えることも難しいでしょうね・・・。
- (劇場)
2012.01.14 ソーシャル・ネットワーク ★★★
- 第83回アカデミー賞で8部門にノミネートされながら3部門の受賞に留まり、作品賞、監督賞、主演男優賞などの主要部門は「英国王のスピーチ」に取られてしまった本作品。審査するアカデミー会員には、facebookはファミリアではなかったということでしょうか。いや、それとも実在の主人公のあの嫌みな言動のせいか・・・。
- 今や全世界で登録者数8億人を超えるという世界最大のSNSとなったfacebook。本作はそのfacebookがいかにして誕生したかが描かれています。創設者マーク・ザッカーバーグを始め、ナップスターを作ったショーン・パーカーなどが実名で登場。
- 最初はよく分からなかったのですが、程なく時間軸が行ったり来たりしている構成となっていることに気がつきます。エンド・クレジットの最後に「実話を基に一部脚色している」旨のテロップが出ますが、どこまでが事実に即しているのか興味深いところです。何となれば、主人公の嫌みな性格(冒頭、彼女に「Ass Hall!」などと言われるほど)を始めとして、学生仲間からアイディアを盗んだり、共同設立者に殆ど裏切り行為をするなど、よく本人がこんな描写、展開を許したなぁというようなえげつない内容なのです。別れようとした彼女のことをブログでこれ以上ないような悪口をかき立てるなど、いくらIT技術の天才と言えどもこの主人公には感情移入は出来ません。
- 彼は若くして巨万の富を得たのでしょうが、失ったものもまた大きいのでないでしょうか(殆どヤッカミ)。じゃあ、そんな男が作ったfacebookをもう使わないかというと、そんなことにはならないんだなぁ、これが・・・。(^o^)
- (BS-HV)
2012.01.08 ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル ★★★★★
- シリーズ第4作目。タイトル表記が「M:i-2」とか「M:i:III」などと違って、分かりやすくなったのは良かった。アニメ映画の監督(ブラッド・バード)が本作で初めて実写映画を手がけた、と聞くと大丈夫かな、などと思ったり。見ものは、50歳になろうとするトム・クルーズのスタント無しのハラハラ・アクションでしょうか。
- 封切りから3週間が経っていますが、評判がよろしいせいか、未だ一番大きなシアターで上映されていました。例によって、前後左右のど真ん中のベスト・ポジションでの観賞です。
- いやあ、これだけ楽しませて貰えば文句はありません。舞台はモスクワのクレムリン、ドバイ、インドと目まぐるしく変わりますが、それぞれに見せ場がたっぷりで、退屈させません。伏線も効いていて、よく練られた脚本だと思います。特に、殺し屋の女と悪玉が取引する場で、それぞれに成り代わる場面など。もちろん、ドバイの世界一の超高層ビルでのトムの命がけのアクション・シーンが最大の見もの。高所恐怖症でなくとも、足がすくみます。
- まあ、例によって突っ込みどころは多々あります(あんなことしてビルのセキュリティが黙っているはずがない、など)が、怒濤のごとく畳みかける展開には霞んでしまいます。
- トムの脇を固めるのは、「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナー、「ホット・ファズ」のサイモン・ペッグなど、主役がはれる面々。ヒロインは、「デジャヴ」に出ていた(という)ポーラ・パットン。やや華に欠けるか・・・。冒頭登場したのは「LOST」のソーヤことジョシュ・ホロウェイ。中々精悍なよい男に仕上がっていました。
- 正月映画としてはピッタリのこの上ないエンタメ大作と言えるでしょう。エンド・クレジットが終わると、後方で拍手が・・・。映画が終わって拍手を聞いたのは、小学生以来かなぁ。
- (劇場)
2012.01.03 マネーボール ★★★
- ジャカルタ元旦夜間発、2日早朝成田着での機内映画。これは見ておかなければと眠い目をこすりながらの観賞です。
- 今年度アカデミー賞で有力視されている実話に基づく野球映画。オークランド・アスレチックスの実在のジェネラル・マネージャ(GM)であるビリー・ビーン(ブラッド・ピット)の、独特の統計理論(マネーボール理論)に基づく(半)成功物語です。
- GMと言えば古くはロッテの広岡GM、最近では巨人の清武GMを思い出し、球団にとって何か厄介な存在であるイメージがありますが、この映画のGMも相当厄介なのです。第一、GMの権限があんなに強いとは思いませんでした(横暴と言ってもよいかも)。あんなにコロコロと選手を他球団との間で転がすことが出来るとは・・・。
- 背景などに若干の脚色があるものの、試合展開はほぼ事実どおりとのこと。まあ、功績の殆どは彼を補佐してデータ分析を行う若者によるような気もしますが・・・。事実に基づくために、完全に成功し、大いなるカタルシスを感ずるところまでいかないのは止むを得ないところ。まあ、よくあるスポコン映画とは異なります。
- 主人公の若かりし頃が、ブラピに似ていないのもマイナス点でしょう。怪優フィリップ・シーモア・ホフマン演ずる監督の気弱さと、お腹の出具合には同情しました。それにしてもブラピ、この演技でオスカー取れるかなぁ?
- (機内映画)
2012.01.03 カウボーイ&エイリアン、猿の惑星:創世記(ジェネシス)
- ジャカルタへのANAの機内映画です。劇場公開が終了した直後のタイミングで、機内映画の新作として放映されるようです。
(1)カウボーイ&エイリアン ★★
- 奇異な組み合わせですが、考えてみればエイリアンが現れるのは何も現代や未来に限ったことではありません。良いアイディアと思います、面白ければ・・・。(-.-)
- 訳ありで登場する主人公(ダニエル・クレイグ)にまつわる秘密が徐々に解明されていく展開は興味深いのですが、やはり荒唐無稽の域を脱していないと思います。加えて、肝心のエイリアンの造形が全くつまりません。CGのチープさにも脱力してしまいます。
- 悪玉の首領のようなイメージで現れるハリソン・フォードも、次第に善人面に変わっていくのも平凡な展開です。やはりカウボーイとエイリアンはミスマッチでしょう。もし劇場で観賞したのなら、確実に金返せ、です。
- (機内映画)
(2)猿の惑星:創世記(ジェネシス)★★★★
- ヒットしたシリーズの前日譚作品は最近良くあります。これは名作「猿の惑星」シリーズで、いかにして猿が人間世界を征服したかの謎を解明した作品(との触れ込み)。興味の的の一つはアンディ・サーキスによる主役の猿のCG演技。彼は「LOTR」のゴラムや「キング・コング」のパフォーマンス・キャプチャー演技で有名となりましたが、ここでも見せてくれます。
- 主役の猿が人間を憎悪のこもった眼で睨み付けるシーンが凄すぎ。「No!!」と初めて言葉を発するシーンは予想されていたとは言え、これまたかなり衝撃的。
- ラスト近くで、人類が滅亡していく過程が描かれ、なるほどと納得させられますが、ここの件(くだり)はクロージング・クレジットに被せるのではなく、もう少し丁寧に追って貰いたかった。それにしても、ハリー・ポッター・シリーズの悪役のトム・フェルトンの悪さ加減は尋常ではない。もう彼は悪役しかできないのだろうな・・・。
- (機内映画)
2011.11.27 パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 ★★★
- 前3作は全て劇場での観賞でした。しかも3部作で完結したものと思っていたら、この4作目が登場。え?話が違うんじゃあないの状態ということもあって、劇場には行かずじまいでした。まあ、確かにあれほどヒットしたのですから、制作のジェリー・ブラッカイマーが放っておくはずはないというのも分かります。
- 登場人物がゴチャゴチャしていて極めて分かりにくい本シリーズですが、まあまあブルーレイなら繰り返し見ることができるのでと、安心しての観賞です。物語は永遠の命をもたらすという「生命の泉」を、イギリス軍、スペイン軍、ジャック・スパロウが先導するグループが我先にと目指す、という有りがちなお話。
- うん、これはこのシリーズにしては、とても分かりやすい展開です。だって、ディズニーの子供向け映画なんですよ。それが証拠に今回の目玉キャラとして、美しくも恐ろしい人魚達が登場しますが、そのお胸はツルリンで、オッサン連中を喜ばしてやろう、などとはツユにも思っていないようなのです。
- 本作のもう一つの目玉は、ヒロインがキーラ・ナイトレイからペネロペ・クルスに代わったこと。確かにペネロペの方がカリビアン風で似合うのでしょうが、彼女の情熱的なセクシーさは本作では封印されていました。
- 序盤の逃走シーンが見ものだっただけに、その後中弛みしてしまうのが惜しい。後半はまるでインディ・ジョーンズ・シリーズのような展開が、海上ならぬ島の中で終始します。唐突な感じで加わっている宣教師と人魚の恋のエピソードは、やや浮いた感じ。あの宣教師の行く末も不明ですし。ジョニー・デップのクネクネ演技は健在。終始一貫、ああいう感じって、疲れるだろうなぁ・・・。
- お約束で、エンド・ロールの後におまけ映像が。え?まだ続き、やるのですか・・・?
(BD)
2011.11.20 マチェーテ ★★
- 監督が好みの俳優をよく使う例は少なからずあります。例えばティム・バートンはジョニー・デップを、マーティン・スコセッシはレオナルド・ディカプリオを、古くはヒッチコックがジェームズ・スチュワートを、日本なら黒澤明が三船敏郎を、等々。
- メキシコ系アメリカ人監督であるロバート・ロドリゲスはダニー・トレホを好んで脇役に使っていますが、何と本作では彼を主人公に抜擢しています。普通は彼のようなキャラを主人公に映画を作るなどと、決して思わないでしょう。しかも共演は、ロバート・デ・ニーロ、スティーヴン・セガール、ジェシカ・アルバという主役級俳優というのに。惚れ込んでいるのですね、彼に・・・(不思議だ)。
- そもそも本作は、ロバート・ロドリゲスがタランティーノと組んで制作したB級作品である「グラインド・ハウス」の中の架空の映画の予告編として作られたものを、長編映画化したとのこと(「グラインド・ハウス」は見たけど、当然記憶にありませぬ)。脇役に焦点を当ててスピン・アウト作品を作る例はありますが、まあその類いでしょうか。
- で、内容はというと、ロバート・ロドリゲスお得意の、エロ、グロ、ナンセンスのオンパレード。エロ、グロはそこそこですが、ナンセンスさは全開です。まあ、これはロドリゲス監督の一種独特な悪趣味を楽しむ作品と割り切った方が良さそうです。
- それにしても、ダニー・トレホとミシェル・ロドリゲスは演技が硬いな・・・。
- (BS-HV)
2011.11.13 クレイジー・ハート ★★★★
- ジェフ・ブリッジスは私が大好きな俳優の1人。その彼が第82回(2010年)アカデミー賞で、ようやく最優秀主演男優賞に輝いた作品です。助演女優賞にノミネートされたマギー・ギレンホールは、惜しくもオスカーを逃しています。
- 落ちぶれた老カントリー歌手の再生の物語。ありがちで既視感一杯の作品です。そう、ミッキー・ローク主演の「レスラー」にそっくりなんだな、これが。
- かつては人気歌手だったが今は地方の場末の酒場などをドサ回りする主人公は、酒好き、たばこ好き、女好き、離婚歴あり、という典型的なその手の人物。この設定ですから展開は大方読めてしまうというもの。ストーリーとしては余り起伏がなく、淡々と進められていくのですが、何故か引き込まれるから不思議です。あんなに好きだった酒を最後には断って更生する、というのは脚本にやや甘さが感じられますが、ハリウッド映画はまあこうでなければいけないのでしょう。
- 「トゥルー・グリット」でもそうでしたが、自堕落な生活感を目一杯出すジェフ・ブリッジスは本当に巧い。大事なことだからもう1回言います。ジェフ・ブリッジスは本当に巧い。おまけに、歌もギターもかなり巧くてビックリ(吹き替えではないよね)。かつての教え子で今や大人気のカントリー歌手にコリン・ファレル。この人も歌が巧くてビックリ。二人がハモって歌うシーンはちょっと感動ものでした。
- ヒロインのマギー・ギレンホールは悪くはありませんが、後半主人公に冷たい役柄が少し損をしているか・・・。垂れ目の彼女を見ていると、どうしてもディズニー・アニメの老犬を思い出してしまいます。(^o^)
- (BS-HV)
2011.11.05 特攻野郎Aチーム
THE MOVIE ★★★
- 80年代にヒットしたTVシリーズの映画化作品。私はこのテレビ映画は殆ど見ていません。何となく購入していたブルーレイを引っ張り出しての観賞です。
- おいおい、レンタル用ではないのだから、冒頭で予告CMを見せるのは勘弁して欲しい。劇場版と無敵版(意味不明)が収録されており、当然時間の長い(134分)後者を選びます。
- 主役のリーアム・ニーソンを始め、各メンバ4人の登場シーンがいかにもテレビ映画的で笑ってしまいます。それぞれ個性的なキャラや特技を持つ4人が、あり得ない設定、あり得ない方法、あり得ない目的で暴れまくります。まあ、典型的なオバカ映画ですな・・・。
- リーアム・ニーソンが説明する作戦と、その実行シーンが同時進行する描き方は、中々新鮮。CGを思いっ切り駆使したド派手なアクションシーンもまあ楽しめます。ただ、落下する戦車から海面を撃ちまくっても、重力には負けると思うのですがね・・・。終盤のコンテナ乱舞シーンはCGだと分かっていても、大迫力。劇場の大スクリーンで見ていたらさぞかしだったでしょう。
- キレた天才的飛行操縦士を演じるシャールト・コプリーは、どこかで見た顔だと思ったら、「第9地区」での主人公でした。もう1人、見たことのある顔の脇役は、「オペラ座の怪人」のラウルを演じたパトリック・ウィルソン。思いっ切りの憎まれ役でした。モヒカン刈りのクイントン・ジャクソンが大根なのが惜しい。
- いかにも続編あります的エンディングですが、興行成績が余り芳しくなかったようなので、これで終わりかも・・・。
- (BD)
2011.10.15 ボーダー ★★
- ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノが共演。スゴイですね、さぞかし見応えのある重厚な作品なんでしょうね。両御大はニューヨーク市警のヒラ刑事役。二人とも凄腕の拳銃使いでお互いをリスペクト。特にデ・ニーロ演ずる刑事は、不正を許さない正義の男として描かれます。まあ、これが伏線になっているのですが。
- しかし、この作品は脚本がまるでダメ。よくこの二人がこんな筋書きを許しましたね。しかも、中盤で私のような頭でも明らかにオチが読めてしまうというお粗末さ。
- いかにも怪しげなジョン・レグイザモを引っ張り出していますが、何の役にも立っていません。少しの救いはデ・ニーロの恋人役の刑事を演ずるカーラ・グギーノ。魅力的なキャラです。まあ、そうかと言って彼女もストーリー上は何の役にも立っていません。
- 両御大が出演していなければ、火サス以下の出来でしょう。ですから、ひたすらデ・ニーロとパチーノの演技、特にラストの二人が対峙するシーンのそれを見るべき映画です。
- 原題は「RIGHTEOUS KILL」で、「正当な殺人」といったようなところでしょうか?それを「ボーダー」という訳の分からない邦題とした配給会社の見識を疑います(老化すると怒りやすくなるのだ)。
(BS-HV)
2011.10.08 ナイト&デイ ★★
- トム・クルーズとキャメロン・ディアスの共演か・・・。10年前なら、「お、スゴイ!」なのでしょうが、今更落ち目の2人のスパイ・アクションもの、と言っても余り食指は動きません・・・、と言いながらも一応見てしまう私です。(^_^;)
- かてて加えて、コール・ポーターの名曲「Night & Day」を何で今更タイトルにするのかと思ったら、こちらは「Knight & Day」なのでした。トム扮する凄腕のエージェントの名字がKnightで、しかも「騎士」ともかけているのでしょう。
- 一般人の女性(キャメロン・ディアス)が知らぬ間にスパイ絡みの事件に巻き込まれてしまうというのは、ジョニデとアンジーの「ツーリスト」の男女を入れ替えたプロットと同じ。それにしてもシナリオが乱暴で、あり得ない状況だらけ。特にヒロインに眠り薬を飲ませて、その間のいきさつをカットしてしまうというのも、誤魔化しっぽい。あの危機を一体どうやって乗り越えた?
- 唯一救いなのは、トムの両親(つまりNight家)の絡む最後のエピソード。これだけは嬉しい演出です。
- トムはともかくとして、キャメロン・ディアスのクローズ・アップはやはり厳しい・・・。ハッとするほど、老けて見えるシーンも。ビキニの水着姿を見せる勇気は、まあ買います・・・。
- (BS-HV)
2011.10.01 カティンの森 ★★★★
- 第二次大戦時に、ドイツとソ連の両方に侵略・占領されたポーランド。その状況下でソ連側の捕虜になったポーランド人将校ら1万数千名(2万5千名とも)が、ソ連によって虐殺された所謂「カティンの森虐殺事件」を題材にしたポーランド映画です。
- 自らの父親もこの事件の犠牲になったというアンジェイ・ワイダが監督だけあって、エンタメ性を一切排除し、彼の怨念がにじみ出でているようなシリアスな作風になっています。お〜、こわ。
- 見終えて、つくづくポーランドという国の非運さに同情するとともに、戦争による狂気はナチス・ドイツだけではないということを痛感させられました(日本もなんだよなぁ)。しかもソ連はそれをドイツ側の仕業であるとプロパガンダ活動をするというありさま。ソ連占領下のポーランドでは本事件を一切封印せざるを得なかったという事実。お〜、こわ。
- 主人公的な将校の妻と娘はともかく、他の家族、人々の関係が説明不足で分かりにくいのが残念。しかしながら終盤はそんなことをふっとばす、流れ作業のような虐殺シーンが延々と続き、心が凍てつきます。お〜、こわ。
- エンド・ロールの冒頭、ミサ曲的なものが少し流れ、後は一切無音のまま。お〜、こわ(しつこいか)。
- それにしてもポーランドよ、もっと怒れ!!
- (BS-HV)
2011.09.18 プレデターズ ★★★
- アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「プレデター」(1986年)は、誰が何と言おうとSFホラー・アクションの名作だと私は思っています。第2作目はそれに比べると主役の魅力にも欠け、凡庸な作りでした。本作は3作目と言うべきかどうか分かりませんが、第1作目を意識しているところも多く、言わば第1作目の正当な続編と言ってもよいのではないかと思います。
- 第1作目は地球が舞台で、本作はプレデター側の惑星が舞台。何と人間が彼らの狩の対象となるというトンデモな設定。何人かの人間(エイドリアン・ブロディ、他)が訳も分からずこの惑星に連れて来られるところから、物語が始まります。
- 第1作目のオマージュ的なシーンが色々出てくるところは嬉しいし、スリリングな展開のアクション・シーンもよろしい。ただ、設定がかなり理不尽であるだけにイマイチ説得力に欠けます。第一、肥えたローレンス・フィッシュバーンは何のために出てきた?
制作者のロバート・ロドリゲスが大好きなダニー・トレホの潔さを見よ(ちょっと早く消え過ぎたけどね)。
- 「プレデターズ」という割には余り多く出て来ない。「エイリアン2(=「エイリアンズ」)」の如く、もっとワラワラと登場するのかと思っていました。
- 日本のやくざである「ハンゾー」は、お約束で誤解の産物。しかも日本刀であんなものは切れません。私の持論をここでも。「ハリウッド映画に日本や日本人を出す時は、必ず在米でない日本人を監修に付けるべし」。
- ラストは明らかに続編あります、ですが、よほど工夫を凝らさないとダメでしょうね。
- (BS-HV)
2011.09.17 トゥルー・グリット ★★★★
- 2011年度アカデミー賞で作品賞を含み10部門でノミネートされたにも関わらず、オスカーを1つも取れずに終わった本作品(「英国王のスピーチ」にやられた)。かつてのジョン・ウェイン主演の「勇気ある追跡」のリメイクなのです。例によってオリジナルは見ていたか否か、定かではありません(多分TV放送で見ている)。劇場公開時、見たいと思っていましたが見逃していました。
- 父親を殺された14歳の娘が、腕利きだが酒好きな保安官を雇って、復讐を果たすというお話。典型的なロード・ムービーです。本作はコーエン兄弟の監督作品。きれい事で済まさないリアリズムが追及されていて、見応え十分です。
- 見ものの1つはこの14歳の少女(?)の小生意気なキャラでしょうね。15,000人の中からのオーディションで選ばれたというヘイリー・スタインフェルドの演技が素晴らしい。特典映像のインタビューでは、本編の田舎臭いイモ姉ちゃん的イメージとは異なる、垢抜けた彼女の姿を見ることが出来ます。残念なのは25年後のヒロインのイメージが、余りにも異なる(悪い方に)こと。あれは明らかにミス・キャストでしょう。あの腕もなぁ・・・。
- 今回はジョン・ウェインの役にジェフ・ブリッジス。この人は、渋くて雰囲気があって、私が大好きな俳優の1人です。彼の自然体の演技は最高。何が最高かって、ネイティブ・アメリカンの子供達を意味なく足蹴にするシーン。大笑いしました。
- 一緒に犯人を追うもう1人にマット・デイモン。全く存在感がないのが不思議。脇役では光らない人なんですね・・・。驚いたのは歯がボロボロの汚らしい悪党役にバリー・ペッパー。余りイメージが違うので、エンド・タイトルまで彼とは気がつきませんでした。
- 久しぶりの西部劇、やっぱりいいですねぇ・・・。
- (BD)
2011.09.04 ツーリスト ★★★
- この度のツアーのベニスにて、ツアコンさんから「映画・ツーリストはホテル・ダニエリを始め、ベニスでロケされている」と聞いたことから、帰国後見ようと思っていました。旅行者である平凡な教師(ジョニー・デップ)が謎の美女(アンジェリーナ・ジョリー)に接近され、陰謀に巻き込まれていくというミステリー・サスペンス。
- やあ、この手の映画としては極めて展開が分かりやすい。助かりますね、こういうストレートなストーリーは。しかも終盤は、ミスリードしてやろうという意図がミエミエ。私は珍しく騙されませんでしたよ。何せ、ジョニー・デップを使っているのですから。しかし、整形でああまでは到底無理でしょう・・・。
- ベニスがロケと言っても、一番有名なサンマルコ広場は使われていなくて、海や運河のシーンが殆どでした。特典映像で、監督らが撮影規制がかなり厳しかったと言っていたので、観光客で溢れかえるような場所は無理だったようです。何でも「ミニミニ大作戦」(これはお勧め作品)のロケでハチャメチャなことをやったので、市が激怒したとのこと。
- アンジーのタラコ唇と突き出た顎は相変わらずですが、やはりこの人は華があります。ジョニー・デップは普通の人を演じていますが、時折あのクネクネした素振りが出て、コメディ・タッチに変わるのが面白い。
- 脇役に、ポール・ベタニー(「ダ・ヴィンチ・コード」のシラスね)、ティモシー・ダルトン(「007」の4代目ボンドね)、スティーヴン・バーコフ(恐ろしいくらいの貫録)などと豪華な布陣です。それにしてもティモシー・ダルトンの老け振りが悲しい・・・。
- (BD)
2011.08.24 シャッフル、八日目の蝉
- こちらはフランクフルトからの帰国便での機内映画です。流石に疲れていて2本しか見られませんでした。見たい映画も余り残っていませんでしたし。前回、全て日本語字幕付きとしたのは誤りで、旧作は吹き替えが殆どでした。
(1)シャッフル ★★
-
サンドラ・ブロック主演のSFがかったミステリー・サスペンス。何せ、ある1週間の時間軸がシャッフルされてしまう、というお話なのです。冒頭のある日に夫が交通事故で死亡したのに、翌日は時間が戻ってその夫がおはようと朝起きてくるという塩梅。
- 時間がシャッフルされていることを認識出来ているのは、主人公のみ。当然、主人公は夫が亡くなる前にそれを阻止しようと努力する訳です。結末をハリウッド的にしていないなぁと思ったら、監督がドイツ人のハリウッド・デビュー作とのこと。
- 最後の最後に主人公に起きるあることをもってしても、この後味の悪さは拭えません・・・。
(2)八日目の蝉 ★
-
見るに事欠いての邦画です。原作がベストセラー小説で、ヒロインがNHK朝ドラ主人公であるので、まあ見てやろうかと(何様のつもり?)。
- 不倫相手の子供を誘拐した女と成長したその子供の生き様を描いたもの、かな?
- 朝ドラとは別人のように笑わない井上真央が面白い。駆け込み寺のボス役の、余貴美子の怪演も見もの。それにしても何という暗さなのでしょう。
- 私には物語の構成が現実的なようで、実はとても非現実に思えて、しっかり感情移入が出来ませんでした。
- (機内映画)
2011.08.17 マイティ・ソー、アジャストメント、アイ・アム・ナンバー4、赤ずきん
- イタリアへの経由地、フランクフルトに向かうANAの機内映画です。機内映画は益々進化していて、個人別のオンデマンド放映であることは元より、全て日本語字幕でステレオ音声でした。
(1)マイティ・ソー
★★★★
-
神の世界から追放された主人公が、人間との触れ合いで成長し、また神の世界に戻って天敵を倒すというファンタジー・アクション映画。父親や弟との確執など、展開は有りがちなものですが、古代神話に基づいたスケールの大きい映像が楽しめ、退屈はしません。
- チンピラ然とした主人公、クリス・ヘムズワースのマスクに馴染めない代わりに、アンソニー・ホプキンスの貫禄とあの癒やされる声で充分お釣りが来ます。ナタリー・ポートマンが随分幼く見えたのは何故?浅野忠信のハリウッド・デビュー作とのことですが、残念ながらこの手の映画に大和民族の醤油顔は全く似合いません。
- 劇場の大画面で観るべき映画ですね。
(2)アジャストメント ★★★
-
これまた神に関わるSFサスペンス映画。議員候補の主人公に正体不明の男達が絡み、不可思議な事象が起こって行くのですが、それには明確な理由が有り、次第にそれらが明らかにされて行く、という展開です。テーマとしては、運命は個人の努力で変えることが出来る、でしょうか。
- 正体不明の男達に妙な上下関係が有ると思って見ていたら、原題は「Ajustment Bearou(調整局)」で、納得です。
- マット・デイモンが珍しくアクション無しの真っ当な(?)役柄を演じています。ヒロインは、悲しげな表情が魅力的なエミリー・ブラント。テレン・スタンプの登場で、俄然重みが出ますが、更に彼にも上司がいるとは・・・。
(3)アイ・アム・ナンバー4 ★
-
どうしてナンバー3やナンバー5ではないのでしょう?このタイトルを付けた制作者は、この映画をヒットさせる気が無かったに違いありません。
- 敵対する異星人が地球に来て闘うというSFアクション映画。
- ストーリーに面白味が無いだけでなく、VFXの映像にも見所がなく、私には退屈でした。第一、メジャーな俳優が誰一人出ていないのです。続編があっても私はパスです。
(4)赤ずきん ★★★★
-
そう、あの有名な童話をモチーフにしています。狼をウルフマンのような人狼とし、村人の誰がその人狼であるのかの謎解き映画としています。誰もが怪しいというよく有るネタなのですが、人間関係を興味深く描いていたり、結構スリリングな展開であったりして退屈しません。
- 肝心の人狼の造形が平凡であったのが、やや不満。人狼退治に乗り出すゲイリー・オールドマンの狂気ぶりが発揮されていないのは、キャラ設定の間違いではないのでしょうか。ヒロイン、アマンダ・サイフリッドの大きな目がやたら目立っていました。おばあさん役のジュリー・クリスティが、綺麗過ぎ。
- (機内映画)
2011.07.18 NINE ★★
- 豪華メンバによるミュージカルということで、大いに期待しての観賞でした。結果は大外れ。メジャーな女優がめじろ押しというのに、この物足りなさは何なんでしょう。
- 恐らくまずはストーリーが面白みに欠けること。かつて人気を博した監督が女性関係のゴタゴタもあり、映画を作れなくなるが最後には・・・、というお話。はっきり言って、仕事に行き詰まるのは自業自得。同情の余地はありません。このような陰気なお話はミュージカルには向いていないのではないでしょうか?
- 時々挿入される非現実的な音楽、ダンスシーンも一見きらびやかでゴージャスなのに、何故か引き込まれない・・・。ペネロペ・クルス、ニコール・キッドマン、マリオン・コティヤール、ケイト・ハドソンに加えて、何とソフィア・ローレンにジュディ・デンチ。それぞれがそこそこ歌を唄えるというのは流石ですが、取り立てて巧いわけでもありません。ソフィア・ローレンが健在であるのは、嬉しいことではありましたが。
- ダメダメな監督役に、オスカー俳優のダニエル・デイ=ルイス。わたしゃ、彼が布施明に見えて仕方ありませんでしたぞい。(^o^)
- (BS-HV)
2011.07.10 ザ・ウォーカー ★★★
- 猛暑の日曜日は、冷房をを効かせた(28度設定です)部屋での映画鑑賞に限ります。本作については全く予備知識無し。映像は殆どモノクロというかセピア調で、「300」や「シン・シティ」のよう。これもアニメが原作か?などと思ったり。
- 荒廃した大地に、デンゼル・ワシントン演ずる孤高の主人公イーライ(ELI)のたたずむ姿が似合うこと。序盤の殺陣のシーンではまるで「座頭市」(殆どネタバレ)のようです。この監督、絶対邦画を見ていてインスパイアされていますね。
- 核戦争後の近未来が舞台なんだろうなと想像は出来ますが、終盤まで殆ど状況の説明がありません。どうやら主人公は「ある本」を西へ運ぼうとしているらしい。たどり着いた西の地は、アメリカの有名な西海岸都市。そこで「その本」を元に文明をもう一度立ち上げようとしている男達がいたのです。原題が「THE
BOOK OF ELI」であるように「その本」がキーとなっているのですが、それが何であるかもうお分かりですね。宗教的なお話にどれくらい興味を持てるかで評価が別れると思いますが、私はそのスタイリッシュな映像とともにまあ楽しめました。
- 久しぶりにゲイリー・オールドマンを見ましたが、ネチネチと蛇のようなキャラを見事に演じています。思わずコッポラ版「ドラキュラ」を想起したり。見終えてジェニファー・ビールス(「フラッシュダンス」の彼女ね)が出ていたことを知り、もう一度巻き戻して(とは言わないか)確認します。おお、あの神秘的なお顔は老けながらも健在。もっと出演して欲しい人です。
- 主人公にまつわるあのオチは、ややルール違反かも・・・。
- (BS-HV)
2011.07.03 アンストッパブル ★★★★☆
- 列車が暴走してしまう映画なんぞ、どうでもいいやと思っていたら、これがかなりの評判なのです。実話に基づいており、アメリカでは有名な事件だったのだそうな。
- 確かに中盤以降の緊迫感は尋常ではありません。手に汗を握るというのはこういうことを言うのでしょう。思わずディスプレイの前で身構えたり。重量感ある貨物列車が轟音とともに疾駆する様は臨場感一杯です。劇場であればさぞかし体に響いたことでしょう。
- 列車の暴走を初期の段階で止められなかったものか(あいつ、何やっている!)とか、車であんなに長く列車と並走できるものか、などと疑問の湧くシーンも無きにしもあらずですが、総じて見応え一杯の一本だと思います。小学生を乗せた列車との絡みを案外淡泊な描写で済ませているところも面白い。
- 退職間近のベテラン機関士にデンゼル・ワシントン、新米車掌(車掌というのも何か変ですが)にクリス・パイン。良いコンビです。お約束でそれぞれが家庭問題を抱えていて、サイド・ストーリーの設定にも抜けがありません。
- クライマックスとなるあの「大曲がり」のシーン。実写なんでしょうか?
- ロザリオ・ドーソンが鉄道会社の指揮官に。相変わらず美人なんだか、*スなのか、良く分からない人です。監督はリドリー・スコットの弟のトニー・スコット。前作の「サブウェイ123
激突」も「列車もの」で、しかもデンゼル・ワシントンとのタッグでした。本作でもコマ落としや速回しが多用されていましたが、やや落ち着きがなかったような・・・。
- (BD)
2011.06.26 キック・アス ★★★★
- メジャーな俳優が殆ど出ていないにも関わらず、過激な内容で賛否両論渦巻く問題作として話題となったアメコミ作品。私とてスチール写真などを見る限りではとても食指は動きませんが、クロエ・グレース・モレッツ演ずるヒット・ガールの評判につられての観賞です。因にタイトルは「クールな、かっこいい」という意味で、決してケツ蹴り(アス・キック)ではありません。
- ヒーロー(キック・アス)になることを夢見るボンクラ高校生(アーロン・ジョンソン)の自警活動と、ある親子(ニコラス・ケイジ、クロエ)の復讐劇を絡ませたバイオレンス・アクション映画。前半はもたつく主人公の行動にいらつきながらも、後半になると超過激な展開にビックリさせられます。
- ヒット・ガールは11歳という設定。そのあどけなさの残る少女が、武器を駆使してバッタバッタと人を容赦なく殺戮していくシーンに、口アングリ状態。おまけに放送禁止の4文字を口汚く言ってのけたり。確かにこれは問題視されるでしょう。(^o^)
- クロエ・グレース・モレッツはいわゆるファニー顔(タレ目、アヒル口)ですが、こまっしゃくれた感じがとてもキュート。大ブレイクするでしょうね。敵役には今一番油の乗っているマーク・ストロング。彼は「シャーロック・ホームズ」、「ロビン・フッド」とすっかり悪役が定着しています。良い俳優ですね。それに引き替え、ニコラス・ケイジが弱いこと。
- クロエ演ずるヒット・ガールのある意味独壇場の映画。何もキック・アスを絡ませなくとも彼女だけで十分成立します。まして、3番目のヒーロー・キャラのレッド・ミストは全くもって不要でしょう。続編ありのラストにもにも頷けますが、是非ともクロエが余り大人びないうちに制作して貰いたいものです。(^_^)
- (BD)
2011.06.19 レボリューショナリー・ロード/
燃え尽きるまで ★★★
- 1950年代のアメリカの郊外を舞台にした、ある夫婦のシリアスな愛憎劇。注目は「タイタニック」で共演したレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットの再共演というところでしょうか。ただね、結構貫録がついたウィンスレットと相変わらずのとっちゃん坊やのディカプリオは、私にはどう見てもバランスが悪く映るんですよね。演技力はいつもどおり唸らせるほど巧いディカプリオですから、それは全く文句ありませんよ。
- 現在の境遇に不満を持つ夫婦が、新天地を求めて旅立つかどうするか悩みに悩むという展開。しかし、肉食人種特有の狂気と紙一重のあの感情の起伏には、巧い演技だなぁという感慨は持っても、違和感の方が先に立ってしまいます。特にウィンスレット演ずる妻の言動は、殆ど病んでいるとしか思えません。もっと冷静に考えればあのような不幸を呼び込むことはなかったでしょうに。
- 名女優キャシー・ベイツが脇を固めますが、彼女をはるかに凌駕していたのが、軽い精神病の息子を演ずるマイケル・シャノン。短い出演時間であるにも関わらず、この仰天演技でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされています。スゴイね、全く。
- ラスト・シーンで、夫婦仲が長持ちをする秘訣が明かされます。そうか、アレを聞かなければいいんだ。(^o^)
- 監督は5部門のオスカーに輝いた「アメリカン・ビューティ」のサム・メンデス。彼はウィンスレットの夫なんですね。そのせいか流石にウィンスレットの濡れ場は淡泊なものでした・・・。(^_^;)
- (BS-HV)
2011.06.11 バイオハザード4 アフターライフ ★★★
- バイオハザード・シリーズの4作目。ゲームには全く興味はありませんが、主人公のミラ・ジョヴォヴィッチの魅力で何となく見続けています。ただ、前作との間が空くので、ストーリーやミラ意外の登場人物は余り覚えていないのです。(^_^;)
- 本作は冒頭に渋谷のシーン(駅前のスクランブル交差点)が挿入されていることや、3D作品であることから、随分宣伝もされていました。渋谷のシーンは日本生まれの原作(ゲーム?)や日本のファンに敬を表してとのこと。そうか、日本生まれなのか(初めて知ったような・・・)。
- ストーリーとしては、Tウィルスに侵されたアンデッド(ゾンビ)から主人公・アリスが生存者をひたすら救出するという相変わらずの展開で、新鮮味は殆どありません。ご都合主義満載の脚本も健在です。わらわらと湧き出すアンデッドもやたらに速く動く割りには、ちい〜っとも怖くないのは何故なのでしょう。わざわざ物凄く重そうな巨大な釜を振り回す巨人が、見ものといえば見もの。その割りにはえらく弱かったけど。
- 映像的には全く「マトリックス」そのものです。あれだけ類似シーンが出てくると、パクリというよりもリスペクトしているのだなぁ、と好意的に受け取りたくなります。3Dであることを意識したこれ見よがしのシーンが多用されているのも止むを得ないところ。それにしても透明感いっぱいのキラキラした画質はブルーレイならではのものでしょう。
- ママとなった37歳のミラは表情も含めて何となく貫録が出てきています。動作もキレがなくやや緩慢かも。これまでのようなミラのサービス・ショットが全く無かったのが残念。まあ、夫が監督ですからね・・・。
- それにしても、今どき連続テレビドラマのような「次もあります!」的なエンディングって、珍しいのでは・・・。(-.-)
- (BD)
2011.05.29 セックス・アンド・ザ・シティ2 ★
- 大ヒットしたというTVシリーズの映画版第2段。余り食指は動かなかったのですが、何となく観賞。前回から2年後の設定です。結婚2年目の主人公格の女、子守と夫の浮気が心配な女、一番理性的な弁護士の女、シングルで性に執着している(?)女の4名の、まあドタバタ喜劇ですな。
- 中東のアブダビが舞台で、観光映画的なところとシングル女性の奔放な言動にはまあ楽しめますが、その他の展開は私には退屈。第一作と同様、肝心なシーンでは大きくボカシが入るのもなんだかなぁ(劇場版はどうだったのだろう?)。
- 第一、馬面の主人公格の女が美しくない。言動も我が侭の極地。彼女に感情移入出来ない限り、この作品は楽しめません。147分という尺の長さにも疲れます。
- ビッグなカメオ出演者が2名。ライザ・ミネリとペネロペ・クルスです。御歳65歳のライザ・ミネリはさすがにビミョー・・・。顔が大きくて下半身が細く、体のバランスが悪い。出ない方が良かったのに・・・。ペネロペ・クルス、あんなチョイ役でいいのか・・・。
- ということで、私にとっては稀な、見て損をした気になる映画の一本。(-.-)
- (BS-HV)
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- 【2011.6.3 追記】
第31回(2011年)ゴールデン・ラズベリー賞で本作がなんと7部門にノミネートされ、最低女優賞(主演格の4人)、最低カップル/組み合わせ賞(キャスト全員)、最低続編/リメイク/スピンオフ映画賞の3冠に輝いています。果たしてライザ・ミネリが、最低助演女優賞にノミネートされているのでした(やっぱりね)。
- 私の(酷)評があながち偏見ではないことが証明されたことになります。(^o^)
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