旅の風景:ニュージーランドの山小屋 旅の風景:北海道の石狩湾でのキャンプ


旅にでよう!


 趣味はなに? と聞かれたらきっと「旅」と答えると思います。高校時代の半ばからひたすらテントを担いで旅行三昧の生活をしていました。

 夏休みや春休みはずっと旅の空の下。高校から大学の半ばくらいまでは、沖縄の沖縄の西表島に入れあげていて、そこで過ごした期間はトータルで半年以上になると思います。その後はニュージーランドの山歩きにハマって、今現在に至ります。

 旅行といっても私の場合、「旅」といった方がしっくりくるちょっとディープなものなものばかりです。そんな私と旅との関わりを写真を交えながら、ダイジェストでご紹介したいと思います。


【 内容 】

1.貧乏旅行
2.旅の事例1 〜旧東海道徒歩の旅
3.旅の事例2 〜沖縄西表島での半自給自足の生活
4.旅の事例3 〜船を乗り継いで台湾上陸
4.旅の事例4 〜1年の長旅−ニュージーランド
5.旅の事例5 〜北海道徒歩の旅&北海道−関東のヒッチハイク
6.まとめ

現在、項目3までアップロードしてあります。それ以降は順次更新していきます。


1.貧乏旅行

 私がしている旅は、いわゆる貧乏旅行です。これまで行ったところといえば沖縄、北海道、台湾、ニュージーランド。それほどあちこち飛び回っているわけではないのですが、一回あたりで数ヶ月かそれ以上の期間を旅してますから、どうしてもお金は節約せざるを得ない。そこでいきおいヘンなスタイルの旅になります。

 まずテント暮らしが原則。旅でもっとも出費のかさむ宿泊費。それをほとんどゼロにできるんだから効果絶大です。若者向けで安いといわれているユースホステルでも日本だと一泊2500〜3000円くらいはします。それが毎日だったら、とても1ヶ月の旅なんかできたもんじゃないですよね。

 あと、食事もほとんど自炊です。外食はほとんどしません。旅行の目的として各地の名産品を食べるという人もいますが、私が旅に求める部分は別のところにあります。宿や食事にお金をかけるなら、一日でも長く「旅という時間」に浸っていたいというのが、私の考え方。だからキャンプ用の小型調理器具は欠かせません。

 「旅という時間」っていう表現、ちょっとわかりにくいかもしれないですね。これが本稿の最大のテーマなんで、話が進むにつれてなんとなく見えてくるんじゃないのかなと思います。しばらくおつきあい下さいませ。

北海道徒歩旅行中。空き地にて野営。 西表島長期滞在仕様テントサイト。テーブルは流木で作った手作り。 新潟駅前にてゲリラ野宿。朝早く起きないとかなり迷惑!



2.旅の事例1 〜旧東海道徒歩の旅

 私の旅の原点は東海道にあります。東海道は江戸時代に制定された京と江戸を結ぶ主要幹線。いまでも国道1号線は東海道とも呼ばれています。

 高校時代にひょんなことから、この東海道を京都から東京まで全部歩いてみたんです。それが自分にとっての最初の旅の原点だったと思います。距離は500キロほどで、野宿をしながら13日で歩きました。

 話の発端は単純で、高校の歴史の夏休みの課題で「昔の街道を歩いてレポートせよ」っていうのがでたんですよ。それで何気なく東京〜箱根の100キロを歩いてみたんですね。500キロのうち100キロだけ歩いわけですけど、そうするとどうしてもその先の400キロが気になってしまう。で、日を改めて東海道を500キロを通しで歩いてみたというわけです。

 私のことを知っている人はわかると思いますが、私はどう見てもスポーツマンというタイプではありません。まあ、実際のところ運動音痴で「俺は男だ!」と胸を張っていえるほどの腕力もない。そんな人間なのに、やってみたら100キロとか500キロという距離を歩けてしまった。正直、自分でもオドロキでしたし、「なんだ、自分ってけっこうヤルじゃん」って嬉しかったんです。まず、嫌いだった自分が少し好きになったというのが第一点。

 それと旅の時間ってすごく密度が濃い。はっきりいって私は中学も高校も歴史の授業が嫌いでした。でも旧東海道を歩いていると否が応でも、かつてここを歩いて旅していた江戸時代の人のことを考えてしまう。さすが主要街道だけあって、あちこちに宿場跡や道祖神、庚申塚なんかが残っています。そういうのをみていると自然とかつての人々の生活とかにも興味がわいてくるんですよね。途中に歴史博物館でもあろうものなら入らずにいられなくなってしまう衝動。

 そんなふうに自然となにかに突き動かされている自分がとっても新鮮でした。旅は勉強を始めるきっかけになる―ホントそう思いました。

 あと価値観の崩壊っていうのもおもしろかったかな。というのは13日間の旅の間、ずっと野宿をしていました。寝る場所といえば、美術館の軒先、銀行の軒先、公園のベンチ、建設中の建物の中、市役所の駐輪場、橋の下など。寒い2月だったんですけど、町中でテントを張ると目立っちゃうんで、ロールマットと寝袋だけで寝てました。

 橋の下で寝泊まりしているなんて、ふつうに考えたら路上生活者ですよね。でもそんなことを自分がやっている。最初はなんかへんな感覚でした。でもそのうち思うようになったんです。自分は自由を手に入れたって。だってそうでしょ? 東海道を歩くっていったって、自分が一日にどれだけ歩けるかわからない。毎日泊る旅館をいちいち予約なんかしてられない。でも野宿するということで、宿という制限から解放されたって言えますよね。疲れたらどこでも寝られる。細かい計画を立てなくても、思いつきや衝動で行動できる。

 そう考えたらすごいさわやかな気持ちになりました。なんにもじゃまされないで自分が好きなように好きな場所にいけるんだって。移動手段は時速4キロの徒歩ですけど、泊る場所の問題はなくて、学校の長期休暇で時間も十分にある。この開放感を知ってしまうと、日常生活のいろんなものに縛られている生活って何なんだろうってすごく疑問に感じました。

 以上の話は高校生のときの体験なんですが、その後の自分にとってとても大きな影響を受けたのは間違いありません。




この続きは別ページに用意しています。(画像が多く重いため)

西表島での半自給自足の生活




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焚き火のまえで 〜山旅と温泉記
By あきば・けん
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