今回は町では写真を撮らなかったので、どちらも10年くらいに撮った写真です。南西航空は現在日本トランスオーシャン航空(JTA)と改名しています。右は石垣港離島桟橋付近。 |
石垣空港は雨だった。飛行機を降り立つと、空気はやや濃密な感じがするが、暑いというほどではない。でもザックを背負って歩いたら汗ばみそうだ。フリースの下に着ていたダンガリーシャツを脱いでザックにしまった。
石垣市外へは、市内バスが安くて便利だ。1時間おきくらいに市内と空港を循環している。20分ほどで200円。
今日のうちに高速船に乗って西表島に入る予定でいる。でもそのまえに石垣島で必要なものの買い出しをしていく。石垣市は「日本最南端の都市」といわれていて、西表島を含む八重山地方の中心地だ。周辺の島々へ渡る拠点になっている。西表島にも小さな商店はあるけど、品数は少ないし高い。なにより島では手に入らないものも少なくない。だから石垣島での物資調達は重要だ。
とりあえず中心街にほど近い離島桟橋にある高速船の船会社(安永観光)の待合室にザックを置かせてもらってから町へ繰り出した。
今回は短期なので、食料を含めて、必要なものはほとんどザックに詰めて持ってきている。食料も1週間分くらいは持っている。足りなかった細々したものと、泡盛を一瓶買ってペットボトルに詰め替えた。それからガソリンスタンドへ行って、タンクに1リットル、レギュラーガソリンを小分けしてもらった。
レギュラーガソリンなら西表島でも買える。でもホワイトガソリンやEPI/PRIMUSなどのガスカートリッジは、基本的に手に入らないと思った方がいい。西部地区のキャンプ場に行けば売っているが、コールマンフェル(ホワイトガソリン)1リットル1200円、230gガスカートリッジ560円といった感じ。
西表島で使うなら、家庭用のカセットガスが使えるストーブか、レギュラーガソリンが使えるストーブがベストだ。そうでなければ、燃料を石垣島で買いだめしておくことを勧める。
竹富島や黒島など、周辺の島を片目に、高速船は海を割るように西表島を目指す。やがて遠くに見えてくる西表島の島影は、八重山の他の島とは明らかに違っている。海に浮かぶ黒々と見える巨大な塊。そんな印象だ。黒く見えるのは、島全体が緑の木々に覆われているため。他の島は珊瑚礁でできているので平皿のように真っ平らにみえる。
島に近づくにつれて、やがて緑の木々がはっきり見えるようになり、ポツリと港の白い岸壁が見えてきた。午後2時過ぎに西表島、大原港に到着した。石垣島からの所要時間は30分ほど。
西表島の主な港は、西部地区の船浦と東部地区の大原にある。ふたつの港を島内で車で移動しようとすると、1時間くらいかかる。だから、最初からどちらの港に行くか決めておくことは重要なのだ。
西表島の東部と西部ではだいぶ様相が異なる。町として発達しているのは、どちらかというと西部地区で、星砂の浜や、浦内川遊覧、月ヶ浜など観光スポットも多い。民宿や土産物屋、ダイビングショップも西部地区に集中している。
大原港を中心とする東部地区は、どちらかというと地味な場所。南風見田の浜や仲間川、由布島などがあるもの、町中にはほとんど観光色はない。しかし個人的には東部地区の方が好きだ。静かで西表島本来の雰囲気を味わえる気がする。
今回は、島に入ってすぐに西表縦断コースを逆走するつもりだったので、迷うことなく大原港を目指した。
By あきば・けん e-mail address |