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ここでは、クマタカについていくつか感じていることを書いてみます。いろいろな事柄や事象について少しづつ書き足していくつもりですので、あきずに見続けてください。また、どのような事柄に触れて欲しいかなどの要望がありましたら、どしどしメールをください。わかる範囲でお答えしていきたいと思います


冬の森を舞うクマタカ
photo by higuchi


山梨県の生息状況
 この『生息数』というものは野生動物を『種』というレベルで考えるための一番の基礎資料となります。ここでは、私の県についてとりあえず記してみます。私の住んでいる山梨県内には、未調査地域がまだ少しあり、県内全域すべての調査が終了しているわけではありませんが、現在わかっているだけで約80ペアが生息しています。すべてが明らかになれば約90〜95ペアくらいになりそうです。個体数でいうとペア数×2で190、放浪個体がその約3割いるとしても50個体前後、全体では250±20くらいと考えています。皆さんの地域ではいかがでしょうか?
 日本全体では、数千のオーダーで生息していることは間違いありません。いつかは、全国生息数の推定を行ってみたいと思いますが、できたらアップするようにします


『隔年繁殖』について
 よく「クマタカは隔年で繁殖する」というようなことがよく言われています(よく聞き・あるいはよく問われます)。はたしてこれは本当(真実)なのでしょうか?・・・・・
 あるとすれば、それは「クマタカの繁殖は2年で1サイクルではないか?」と考えています。つまり、繁殖期の2年目(ヒナが巣立ちして)は、ヒナの養育期間であり、2年間かけてヒナを養育するのではないか? ということです。これは、森林棲の大型猛禽の代表であるフィリピンイーグル(サルクイワシ)や中米に生息しているオオギワシ、大型の森林棲フクロウなどのいくつかもそうなのですが、2年間かけてヒナを巣立たせるためなのです。つまりクマタカも基本的には同じようなことがあるのではないかと考えています。たまに2年連続とか3年連続して繁殖したというようなことも聞かれます。連続して繁殖ということも、裏を返せば初年度の巣立ちビナが、何らかの事故により養育期間(初期の段階で)中に死んで(落鳥)してしまえば、その後は養育する必要はなく、新たな繁殖をすることは当然で、決して珍しいあるいは不思議な事例ではないと考えられます。また、時にはヒナを養育しながらも、新たな繁殖を試みるペアもいることと思います。
 私も集中してクマタカを観察しているのではなく、そのすべての事象を検証したのではないから、非科学的かもしれませんが、そんなところではないかと思っています。北海道のシマフクロウワシミミズも同様ではないかと思っています。
 また、この問題を考えるうえで重要なポイントは留鳥であるか否か? ということも大きなポイントになると考えています。つまり森林棲・留鳥・大型(どれくらいが大型か難しいが)の3点を満たす猛禽類の中の何種かがこのような習性を持っているのだと考えています。草原棲の大型猛禽類については、ヒナを養育する場所(環境)が、開けた地域で主に行われるため、コミュニケーションが頻繁に行われ(飛行・狩り・危険察知訓練等)、一人立ちが早く、森林棲猛禽類はその養育場所が森林内であるために、親子のコミュニケーションをとる時間が非常に少なく、あらゆる訓練に時間がかかることは言うまでもありません。
 大型動物(哺乳類)についてはご承知のとおりそのほとんどがそうです。鳥類でも当然の事ではないのでしょうか?・・・・・・・
 いつかは、この件にもきちんとした結論がつくことでしょうが、その時はまたお知らせします

 


『種毎の解説』


          
2001.2.1 OPEN
2002.2.1 RENEW