自湧運動法の価値を少し整理してみました。


■ 健康感覚の覚醒

‥▼ 運動感覚 向上!
 
 体には自然と蓄積習慣化されてしまう歪みがあります。これは病気の原因になったり、症状の自然経過によってに取れることもあります。

人には必ず足の長さの左右差があります。この隔差が甚だしくなってきますと、意識化できない動きにアンバランスが生じて、階段の上り下りの時につまずく原因になったりします。

腰に捻れの歪みが大きければ武道においても構えや防御の能力幅が限定されてしまいます。無意識の動きは自分にとって不都合な歪みは除こうとする作用がありますので、全てのスポーツ、武道、作法の動作を円滑化する効果があります。

‥▼ エネルギー効率の改善!
 
 目を閉じて歩かせると大概皆勝手な方向へ向いてしまうものです。スイカ割のように緊張感を持たせると心理的な緊張からくる運動系の歪みも生じてなおさらとんでもない方向へ歩いてしまう人もいます。

ということは、大きな歪みや偏りを抱えて日常の生活をすることは、常に軌道修正に使うエネルギーロスが生じていることになります。
 
‥▼ 疲労回復!
 
前の項と重なりますが、疲労には運動系の部分疲労と全身疲労と、神経疲労とあります。部分疲労が甚だしいとあたかも全身が疲れいるような感覚に襲われます。

パソコン作業では指、腕、眼という運動系且つ神経系を余分に使って疲労させます。ある程度疲れてきた時点で背骨という中心に腕から力を還元するような体操を行なうとそれまでの全身的な疲れが無くなってしまいます。

無意識の動きは自然と余分な緊張を取り除こうとする傾向があります。眠る前に余分な緊張を除くことは質の良い眠りの最大の条件である弛みをさそい、疲労回復にとても役立ちます。
 
‥▼ 適不適の感覚覚醒して、迷いが少なくなる!
 
体が敏感になって来た人が言っていました。この頃自分が今何をどのくらい食べたら良いかふと浮かび上がるようになったと。

常に完璧を求めることは難しいですが、体が弾力を回復してきますと、運動系感覚のみならず他の感覚も可能性を広がってくる傾向にあります。体は欲張りです。

今、何をどのくらいという感覚が円滑になる傾向があります。
 
‥▼ 体の季節感がハッキリしてくる!
 
体が季節と共に変化しているのは確かです。

そういう感覚があるからこそ二十四節季という感覚も生まれるのだと思います。啓蟄という節季は虫が地面から這い出るという意味だそうです。このころ皮膚炎も生じやすいです。

空気が乾いている上に春の弛みが皮膚の炎症を誘うのですが、温かくなれば毛穴も広がるのは自然なことです。そういうとき、皮膚に広がりも起きないような体であると春はとても体調が悪くなります。

初夏、梅雨という季節を予感して重いコートを脱ごうとして、余分な脂肪を排泄するための下痢は病気ではないことは感覚的に自立していれば、体に感謝の気持ちが生まれることはあっても感情的に揺さぶられる率は少なくなります。
 
‥▼ 自然治癒力を揺さぶります!

以上のように大まかなところの話、体に抱えていては不都合な要素の存在に意識以前に体そのものが気づいて排泄しようとする感覚が高まってきます。

当然のこと免疫力や治癒力、症状の経過能力は高まってまいります。ちょっと深い話となりますがある程度このことが展開されますと、残るのは健康になる不安の問題だけです。

でもこれはまず弾力を回復しないとどうにもなりません。そんなことも意識されないで健康になってしまうこともあるように思います。自然と自分の体に自信がつくからだと思います。

‥▼ 風邪の経過能力UP!
 
先の項目の最も端的で総合的な現象が風邪です。癌を持っていた人が整体をやり始めたら直ぐに、風邪を引きました。

汗が出始める前に骨に染みるような痛みが生じ、顔も腫れました。しかし、体の疲れている半分だけにびっしょり汗をかきましたら晴れ晴れとしたピカピカした顔になってしまいました。これはあまりにも反応が早い珍しいケースでした。

疲れているところに汗をかけば疲れは改善されます。胸、内股、背中、頭、心(涙)排泄する場所にもいろいろあります。癌細胞は熱に弱く、体温によっては死滅してしまいます。覚えておいて損はないとおもいます。


■ 勘・直感の覚醒
 
ときどきこんなことがあります。あの人、この頃指導室にこないけど、どうしてるかなぁ、と、ふと思い出していたらその人から電話がかかってきた。ということがあります。

また、他者の体の一部に気が引かれてそこへ手を当てたらそこが一番触って欲しいところだったり、そういう調和的な感覚が開けてきます。

でもこれが一方的に癒すとか治す治療の分野に入れてよいのか分かりません。なぜなら、手を出した側がキモチイイという現実的感覚が伴うからです。

その他、地震が起きる前に地震の夢を見たりとか、若干の予知的現象もあります。

これは私は虫など例えば蜘蛛が雨降りを予知して隠れていたり、蜂が台風の前に低いところに巣を作ったり、地震の前のネズミの集団移動、鳥の移動、犬の遠吠えこれらの延長線上にあると考えています。

動物は地震前の地殻のキシミ音をキャッチしているのではないかと思います。人の体も音は一万分の一秒の単位で一応キャッチしているそうですから、地震に関してはそのメカニズムから私たちも何か不快な感覚を体のどこかでは感じているのではないかと思います。

いずれにせよ生き物の歴史からしたら、脊髄があってその後に大脳が発達してきたのは事実でしょうから、体の感覚を信頼して整えるのはさして違和感が無いはずのことだと私は思います。


■ 感応

私は沢山の女性を泣かせてきました。もう、何人泣かせたか分かりません。転移、巻き込みも甚だしいの限りです。もうこの際、白状してしまいます。

ある女性の整体のとき、何気なく腹部の左側上部を触っていたら、その人の目から涙がポロポロこぼれてきました。

本人は悲しいとも、泣きたいとも、そんなことはなくてただ寝転がっているだけです。そういうときは「 体が泣きたがっているんだろう 」で済ますことにしてます。これと似た経験は何度もあります。

説明が難しいですが、こういうことがあるとかなり動揺するのも事実であり、深いリラクゼーションが得られることも確かのようです。全てを語ってくれる女性もいればそうでない人もいます。

「泣く」と言う排泄作用の背後にはそれだけのことがあるようで、何度一緒に泣いたか分かりません。

女性を泣かせるための「オモウツボ」そんなのがあれば私も知りたいのですが、これがどうにも定式化自覚化できないのでありす。また「泣かせてくれ!」と言って来られても、もちろん責任はもてません。

あ、でも、涙が出なくて眼が痛いという外人女性がいて、その人は胸椎4番、腰椎1番を整えたら泣けるようになったと言っておりましたので、その程度ならお自覚的に手伝いできるかもしれません。

ワークに興味を持っている女性が、整体の反応がきつくて電話をかけてきて大変な苦情を言いました。「○○もやりました。××もやりました。でも変わりません。辛くて仕方がありません。なんとかなりませんか。あとどれをやればいいですか」。

もうそれは○○ギャーギャー、××ギャーギャーといった感じで、私は、
「そんなもん、分かるか、バカ!」と言ってしまったのです。するととても静かになってそれで電話を切りました。もう、クライアントを怒鳴りつけるなんて最低だ。そう思いました。

次回いつものメンバーで会食をしている最中にその彼女が泣き出しました。 ドキッ!

「あの電話のあと、嬉しくて、嬉しくて、とても信頼されているようで‥‥」
その瞬間、私もドーッと弛みまして、涙を誘われてしまいました。

「あのとき、更に何か別の手立てを言われていたら、自分はもっと混乱していたかもしれない。すごく嬉しかった」と彼女は続けました。

私は一応整理して受け止めていたのですが、何もしないほうが良いことをどんな言い方をしようかと考えていたときの「バカ」のひと言でした。

しかし、これはちょっと飛んでる言い方かもしれませんが、その思考より口の無意識的な運動といったらいいのか、その反応の方が先行したのです。ちょっと危ない線ではありますが結果は良かったです。

まあ、クライアントに対して怒鳴ったのは彼女が二人目でフツウはそういうことはありません。

もう一人は、本当に私が誠意を尽くしているのに、あまりにひどいその言い方と態度に、こちらが傷つきそうになったからです。でもその瞬間、寝ている間も何年も続いた症状がピタリと止まったのには、私もひっくり返りそうなくらい驚きました。

こういうケースより、スーッと手が出て体のあるいは心の痒い処へとどいて自然な変化が起きる。
そういう感応の方が私は好きです。なかなかそう簡単には問屋が卸してはくれませんが。



■ 自己確立

自己確立などいうとちょっと大げさなのですが、そういう効果があるのは否定できないと思います。

体は環境の影響を受けています。文化生活によって生じてしまう感情その他のエネルギーを抑圧すれば、行き場がなくなったそれは一つのエネルギー分散として体に落ちてしまうことになります。

全体の安定のためには一箇所が壊れすぎるよりは、分散した方が効率が良いからです。それを知らないで本人は病気だとか具合が悪いとか、症状に悩まされると感じてしまうのですが、深い意味は別として分散現象であることには変わらないと私は思います。

おかしなことに、体から自然に湧いて出てくる動きには余分なエネルギーを排泄してシンプルになろうとする動きが含まれるのです。

無意識の動きにもいろいろ深い意味があると私は理解していますが、比ゆ的な表現をするならゴチャゴチャした歪みの上澄を取った方が自己確立に効率的だいう気がするのです。

なぜなら、体の歪みにはある歪みを受けて二次的三次的に補助としての歪みを作ってしまうからです。腰の骨の4、5番が弱くなってくると膝を患います。いきなり膝を患うわけではないのです。


■ 心理的安定

自分が、自分の体に気持ちよさを感じる。このことは心理的な安定につながります。

以上のようにこの運動を自分のモノにしていくと益することがそれなりに沢山あります。どこから開けてくるかを言葉にすることはできませんが、心身の健康のためにもそういう分野の仕事をされる方にも価値があると思います。


▲ 注意点 ▲

精神系のクスリを飲んでいる人や、危機、パニックの様相を呈している人は、動きを一人で自由にすることはお勧めしていません。また、行なわない方がよい人もあります。

体に異物を入れている人。例えば、人工○○、××移植、真珠、金具(骨折部位の保護器具など)、シリコン(整形のためにせっかく入れたシリコンが体の中で出場所を探して移動したら見るも無残です)なども行なわない方が良いでしょう。体はそれらを排除しようとするからです。

‥▼ 反応

体が程よく弛んでくると体にとって余計なものを排泄しようとして反応が起きてきます。簡単にいうと新陳代謝です。これについては講座の中で説明します。


■ 運動がスムースに行えない人

この運動法を行なってはいけないケースではないのに、上手く出来ない人があります。以下の場合が考えられます。

‥● 頭が良すぎる

簡単にいうと体モードに入れないわけです。真似事でもいいからやっていると自然とできるようになります。
 
‥● 意地が悪い人

これは「し」と「じ」の違いです。腰は意志と関係しています。これがおかしなことに腰が硬くなりすぎると頑固で意地が悪くなるのです。

腰は肋骨も骨盤もないというガード無し状態ですから、硬いと動きも取れませんし、そのために心理的硬さも出てくるのです。

腰を弛める体操を続けているとできるようになります。脳梗塞や脳溢血になる背後には腰が硬くなる前プロセスがあるように思います。腰が硬くなれば、脳へのパイプ役の首が硬くなるからです。

でもこんなことを平気で書いてしまう私もまだまだ腰が硬いのかもしれません。
  
‥● 腰が硬い人
 
 「し」が「じ」になっていなくても、腰だけが硬いそういう人もあるように思います。他の故障の補助で腰が硬くなっているのです。

自湧運動法だけでなくプロセス体操(整体体操)の「腰を緩める体操」を行なうと効果があります。
 
自湧運動法の効用
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と、いうワケで‥‥
みんなで 一緒に病気になろう (^o^)丿



体という私依存症候群
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体はけっこう賢いぞ!
!ここに書いてある効用は、
運動をやり始めたらすぐ出るかどうか分かりません。
直ぐに反応した体もありますが、数値化はできません。

私が自分の体で感じたことや、参加者のささいだけど地道な
体験の中で起きていることを整理したものです。

これまであまり気に止められたことのない体だと、
ちょっと戸惑って恥ずかしがってはにかむだけのことがあるのです。

そんなときは、「大丈夫だよ、そんなに恥ずかしがらなくても」って
そんなお気持ちで接してあげてください。

このセリフ言う方もけっこう恥ずかしいけど。
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