|
マイクロトフがレストランに入ると、ひとつのテーブルを占拠していた青騎士の1人が立ち上がった。 「団長、こちらです!」 マイクロトフは部下の声に少し笑うとそのテーブルに向かう。空いている席に着こうとすると、青騎士から不思議そうな声が上がった。 「あの……カミュー様は?」 「あ、ああ。ちょっと体調が悪いらしくて、な。せっかく席を用意していてくれたのに、すまない」 苦笑混じりに謝罪するマイクロトフに青騎士たちは一斉に首を振る。すまない、どころか万々歳に決まっている。 「いえ、とんでもありません」 「大したことないといいのですが……」 3日ぐらい寝込みやがれ、と思っていることなど億尾にも出さず、青騎士たちはマイクロトフを励ますようににこやかにメニューをすすめた。 朝食を食べ終わり、レストランから出ようとしたマイクロトフはふと足を止めた。 「団長?」 一緒に出ようとしていた青騎士たちが、何事か、と見つめると、マイクロトフはかすかに眉を寄せ逡巡したあと、青騎士たちに「先に行っててくれ」と言ってレストランに戻る。そして、入り口にいたウェイトレスに持ち帰り用のサンドウィッチを頼んだ。 ウェイトレスが「かしこまりました」と可愛らしい声を上げて厨房に姿を消すとマイクロトフは、なぜ俺がこんなふうに気を使ってやらなきゃいけないんだ……と不満顔なる。だが、カミューはただでさえ朝食をあまり食べたがらない。 「朝食は1日の資本だからな……」 言い訳するようにひとりごちる。 ……どこまでも人が好いマイクロトフだった。 「おまたせしました。お肉がたっぷり入ったスペシャルサンドらしいですよ」 マイクロトフさんの注文です、と言ったらハイ・ヨーさんが張り切っちゃって、と、笑いながら、ウェイトレスが包みを差し出す。マイクロトフは前にハイ・ヨーに「マイクロトフさんの食べっぷりを見てると、作って良かったネーと思うヨ」と言われたことを思い出し、赤面した。その様子にくすくす笑うウェイトレスから包みを受け取る。ずし、としたサンドウィッチらしからぬ重みに、ハイ・ヨーの気合いの入りっぷりを感じた。包みから香ばしい肉と油の香りが漂ってきて、美味そうだ、と思ったマイクロトフはハッと我に返る。自分だったら文句なく喜ぶ気遣い。だが、これを食べるのはカミューなのだ。ただでさえ脂っこいものを好まないカミューが朝に食べるものとしては、少し、いや、かなり向いていなかった。 背中に冷たい汗が流れ落ちるのを感じる。 「マイクロトフさん?」 包みを受け取ったまま動かないマイクロトフにウェイトレスが訝しげに声をかけると、マイクロトフは慌てて顔を上げ、礼を言い、「ハイ・ヨー殿にもお気遣い、ありがとうございますとお伝えください」と言うと、逃げるようにレストランを後にした。 マイクロトフは人の好意は無駄にできない性格である。何が何でもカミューに食べさせてやる、と気合いを入れた。おせっかい、いや、親切心で一方的に朝食を用意したことなどすでに彼方に飛び、へんな義務感に燃えていた。 そこに、 「あ。マイクロトフさん」 と、控え目な声に呼び止められる。振り返るとヨシノが大きなカゴを抱えて立っていた。しかし、そのカゴには何も入っていない。マイクロトフは、こんな大きいカゴを何に使うのだろう、と思いながら、とりあえずは挨拶する。 「おはようございます、ヨシノ殿」 「おはようございます。あの、お部屋に戻られるのですか?」 ヨシノの質問の意図がわからず、マイクロトフは少し戸惑い気味に頷いた。 「はい。そうですが……何か?」 「お洗濯物が乾きましたので、持っていっていただけないかと……」 どこか申し訳なさそうに言うヨシノにマイクロトフは慌てて応えた。 「もちろんです。いつも申し訳ない……」 「いえ。お洗濯は楽しいですもの。私、毎日が楽しくて仕方ないんですのよ」 恐縮するマイクロトフにヨシノは本当に嬉しそうに微笑んだ。 これから洗濯物を取り込みに行くと言う。マイクロトフはヨシノが持っていた空のカゴを、持ちます、と言って抱えると後に続いた。そして、入ったことのない部屋に着く。ヨシノに続いて部屋に入ると、天井一面に洗濯物が干されていた。天気が悪い日や日が沈むとここに干すのだという。 色も形も様々な洗濯物を目にして、マイクロトフは一瞬、茫然と立ちすくむ。いくら他の女性にも手伝ってもらっているとはいえ、すごい量だった。 「毎日……こんなに洗われているのですか?」 「ええ。みなさん、とても汚されるから、洗いがいがありますのよ」 まったく嫌味のない口調で言われ、マイクロトフは、おそらく自分はその筆頭なのだろう、とわずかに頬を赤らめた。 部屋の中には既に何人か女性がいて、談笑しながら洗濯物を取り込んでいた。ヨシノとマイクロトフの姿を見つけ、口々に「おはようございます」と挨拶してくる。 「マイクロトフさんがご自分の分を持っていってくださるそうですから、先にそちらを畳んでいただけますか?」 ヨシノの言葉に一部の若い女性が残念そうな表情を浮かべた。それは部屋に洗濯物を届ける楽しみがなくなってしまう、という落胆であった。運良くどちらかが部屋に居れば、もちろん2人が揃っていることに越したことはないのだが、亜麻色の髪の騎士は柔らかい笑みを浮かべ、黒髪の騎士は照れたような笑みを浮かべ、礼を言ってもらえる、という女性ならではの密かな楽しみがあったためだ。マチルダからきた騎士団の筆頭である2人は精悍と優雅、タイプはまったく違えど文句なしの美形である。その特典は順番をくじ引きで決めねばならぬほどの競争率の高さであった。 しかし、落胆したのは一瞬のことで、目の前にいる彼にいいところを見せようと気を取り直し、それぞれの場所で洗濯物を取り込んでいた女性たちは部屋の一角に移動する。どうやらそのあたりに自分の物が干されているらしいことを知ると、マイクロトフはそちらのほうへ足早に向かった。目の前で女性たちに自分の物を取り込んでもらうのが恥ずかしくなったのだ。 「あの、自分の分は自分で下ろしますので……」 仕事を続けてください、と、申し出るマイクロトフに、 「あら。殿方はそういうことはなさるものではないですわ」 「男の方には力仕事をやっていただいてるんですもの。わたしたちにできることはさせてくださいな」 と、口々にやんわりと断られ、マイクロトフは赤くなって恐縮するよりなかった。 「やはり身体を動かす方は洗い物が多いですわね」 「あ。こちらのシャツはボタンがとれかけてましたので、繕っておきましたわ」 「ああ、すみませ……」 マイクロトフは何気なく「こちらの」と言われたシャツを見て、瞬時に凍りついた。 そのシャツは何日か前に着ていたものであった。ボタンがとれかけていた、というのには嫌というほど心当たりがある……。 1日が終わり、部屋でのんびりと寛いでいると、カミューが明らかな意図を持って手を伸ばしてきた。しかし、まだ時間も早かったし、少し疲れてためマイクロトフは抵抗した。だが、そんなことであの男が引くはずもなく、多少強引に脱がされたときに緩んでしまったのだろう……。 一旦、そういうことを考えてしまうと、次々と下ろされ、畳まれていく洗濯物を見ているだけでいろんな情景が浮かんできた。しかもあられもない姿を。服だけでなく、タオルやらシーツやら、カミューに関連しないものなど皆無に等しい。 マイクロトフは急に、女性たちに洗濯物を通して自分たちの私生活を赤裸々に覗かれているような錯覚に陥り、落ち着かなくなってきた。幸い、作業しているヨシノたちはそんなマイクロトフに気付くはずもない。そんな中、ヨシノが手を止め、口を開いた。 「あの、カミューさんの分も持っていっていただけますか?」 「えっ?!」 マイクロトフは動揺しているところにカミューの名を出されて思わず大声を出してしまった。周りの女性たちが驚いて一斉に手を止める。しまった、と、マイクロトフは慌てて動揺を押し殺し、何度も頷いた。 「あ、は、はい、もちろんです」 「ありがとうございます」 ヨシノはにっこり笑うと作業を再開した。びっくりしていた他の女性もそれにならって動き始める。マイクロトフは早鐘を打つ胸をぎゅっと押さえた。 同室なのだからカミューの分を持っていくのは当然だろう。だが、マイクロトフは考えていたことがいたことだけに、2人の仲を知っての発言かと思ってしまったのだ。 落ち着け……落ち着け……。 マイクロトフはこの地獄の責め苦のような空間から早く逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。 ようやく洗濯物を受け取ったマイクロトフは足早に部屋に向かっていた。動揺に次ぐ動揺で少しでも早く落ち着きたかった。だが、それを嘲笑うかのように次なる声がかけられる。 「あ。マイクロトフさ〜ん」 「これはユズ殿」 マイクロトフは小さい姿に目を細めた。女性が苦手、といってもさすがにこれくらい幼い少女ならその範囲ではない。ただ、同じ108星を背負う者として敬意は払っている。 何事か、と視線を合わせるように片膝をつくと、ユズの視線はマイクロトフが持っている包みに注がれていた。 「いい匂いだね」 「ええ。ハイ・ヨー殿に作っていただいたサンドウィッチです」 「ふーん、カツサンドかなぁ?」 「そうだと思います。 あ。おひとついかがですか?」 「ううん。さっき朝ご飯食べたから」 ユズが頭を振るとおさげがゆらゆら揺れる。マイクロトフがその様子を愛らしいと思いながら見るとはなしに見ていると、ユズがぽつっとつぶやいた。 「ミーちゃん……」 「え?」 マイクロトフが弾かれたようにユズを見ると、ユズはさっと視線を逸らす。 「ううん。じゃあ、おいしく食べてあげてねー」 「あっ、あのっ、ユズ殿?!!」 慌てるマイクロトフにユズはバイバイ、と手を振ると、とてて、と走り出した。残されたマイクロトフの頭の中を『ミーちゃん』? 『食べてあげてね』? と、ぐるぐると疑問符が飛び交う。 「…………帰るか」 マイクロトフは疲れたようにつぶやくと、『ミーちゃん』を大事そうに持ち直して廊下を歩き始めた。 どっと疲れたマイクロトフは重い足取りでようやく部屋の前に辿りついた。だが、ドアノブに手をかけた瞬間、今朝の出来事を思い出し、げんなりする。しばしためらったが、すでに日も高く、いくらなんでも立ち直っているだろう、と判断すると、思い切ってドアを開けた。 ガチャッ ………………………… がっくり。 マイクロトフはうなだれた。 ベッドの上には相変わらずの塊がひとつ。 この男は……この男は……この男は〜〜〜〜っ!! マイクロトフはわなわなと拳を握り締めたが、こうなれば意地だ、と、こちらも無視を決め込むことにした。せっかく作ってもらったサンドウィッチも、こんな阿呆に食わせるよりは自分が昼にありがたくいただくほうがきっとミーちゃん(?)も浮かばれるはずだ、と、テーブルに置く。そして、クローゼットを開け、きちんと畳んでもらった衣類をしまいはじめた。 「……マイクロトフ」 ふと、背後から蚊の鳴くような声で名前を呼ばれたが、マイクロトフは聞こえないふりをした。わざと大きな音を立てて引き出しを閉める。 「マイクロトフ……」 もう一度名前を呼ばれると、そのあまりにもか細い声が少し気になってマイクロトフは視線だけをベッドのほうに向けた。すると、カミューが布団の中から顔を半分だけのぞかせている。その顔を見て、マイクロトフは思わず口を開いた。 「なんだ、その顔は……」 その顔は泣きそう、というか、泣いていたのか、というほど頼りない表情を浮かべていて。とても普段の色男ぶりからは想像もつかない姿だった。 だが、マイクロトフは初めて見る姿ではない。たまにだが、こんなふうに情緒不安定になることがあった。……自分が絡んでいるときだけ。普段は強引な手口で迫り、余裕綽々な態度を崩さないくせに、ときどき1人にしておくと何を考えるのか、とたん気弱になって子供のようにしがみついてきたりする。 マイクロトフはひとつ息を吐くと、ベッドの脇まで移動した。元々、怒りが持続するタイプではない。大抵のことは一晩眠れば、些細なことなら一食食べれば忘れるのである。 ベッドに腰掛け、見上げてくる心細そうな瞳を覗き込んだ。 「マイク……」 「どうした?」 布団から覗いている前髪をくしゃり、と撫でてやりながらマイクロトフはできるだけ優しく問いかけた。 父親にでもなった気分だ。……こんな手間のかかる子供はいらないが。 そんなことを思いつつ次の言葉を待つ。 「マイクは……」 「ん?」 「俺が……不能になっても愛してくれる?」 「は??」 思わず間の抜けた声が出た。カミューはじっとマイクロトフをすがるような目で見つめていたが、マイクロトフがなんの反応も返さないことに絶望に突き落とされたような顔になる。 「やっぱりマイクは俺が愛さないとダメなんだね〜〜〜〜っっ!!」 カミューは叫ぶなり布団を跳ね除け、あまりの言葉に思考回路が停止していたマイクロトフに覆い被さった。 「カ、カミュー……?」 自分にしがみつくように抱きついておいおいと泣き出したカミューに、マイクロトフは茫然としながらも、停止してしまった思考能力を叱咤して事態の把握につとめようとする。 不能? 不能って言ったか? 不能ってつまり……? 「おまえ、勃たなくなったのか?」 マイクロトフの率直な物言いにカミューはピタッと動きを止めた。そして、ぶるぶると震え出す。マイクロトフは、失言だったか、と冷汗を流しつつ、やはり今朝のアレが原因なんだろうか、と思う。確かにかなり手(足?)応えはあった。 「そ、その、なんだ……。そ、そんなに気にすることじゃないだろう……?」 マイクロトフはどこかそらぞらしく慰めの言葉を口にしつつ、抱きつかれている、といえば聞こえはいいが押し倒されている以外のなにものでもないこの体勢をなんとかしようとカミューの肩に手をかけ、引き剥がそうとする。しかし、それより早くカミューが、がばっと起き上がり、マイクロトフの両肩を抑えつけた。 「気にするなだって?! マイクは平気なのかい?! あんなに毎晩よがってみせるのに!!」 「なっ、なんてことを口走るんだ、貴様はっ!!!」 あまりな表現にマイクロトフが真っ赤になって怒鳴ったが、カミューは耳にも入っていない様子でさらに叫ぶように訴える。 「だって、俺はもうしてあげられないんだよ?! それでもいいの?! マイクはもう俺に突っ込まれないと満足できない身体になってしまったというのに……! これからの2人の愛の生活はどうなるんだー!」 「あほか、おまえは!!」 「あほでけっこう。マイクロトフあほ〜」 「だから俺の名前の後ろに付けるなと言ってる!!」 がなるマイクロトフの話などまったく聞いてないらしいカミューは再びマイクロトフに覆い被さった。 「でも、嫌わないで! できるかぎりのことはするし、逆になってもいいから!!」 「何を言って……んぐっ」 言いかけたマイクロトフの唇をカミューの唇が強引に塞ぐ。マイクロトフは抵抗しようとして、目の前のカミューの表情が苦しげで、何かを恐れるかのようにどこか必死な色を浮かべているのに気付いた。思わず振り解けずにいると、カミューは合わせた唇から舌を侵入させ、深く口付けてくる。その動きはいつになく強引で、まるで少しでも早く自分の官能を引き出そうとしているかのようだった。 マイクロトフはカミューの焦燥を感じ取り、ばかな男だ……と内心ごちて、頭に手を回し引き寄せ、自らも口付けに応えはじめた。 もし。身体の繋がりがなくなったとしても。気持ちになんら変わりがあるはずがないというのに……。 ようやく唇が離れた頃には互いの息は上がり、身体の奥は熱を持ち始めていた。 カミューは濡れた唇を舌で舐めると熱っぽく瞳を潤ませてマイクロトフの瞳を間近に覗き込む。 「ね……これからはマイクがしてくれる……?」 囁くような声音にマイクロトフは手を上げてカミューの頬に触れ、静かに応える。 「……おまえが望むなら」 「嬉しい……」 カミューは柔らかく微笑むと、そっと鼻にキスを落とし、そのまま首筋に唇を滑らせた。弱いところに吸いつかれたマイクロトフはわずかに顎をのけぞらせながら言葉を紡ぐ。 「言っておくが、おまえほど巧くはないぞ……?」 「いいよ。愛で補うから」 「なんだ、それは……」 ぶっ、と吹き出すように笑ったマイクロトフの襟元を緩め、侵攻を開始していたカミューだったが、ふと笑いがこらえきれなくなって顔を上げた。 「なんだ?」 「マイクが俺のことを『巧い』って思っていてくれたなんて知らなかったよ」 『巧い』ってことは『良かった』ってことだよね? と、カミューは嬉しそうに笑った。マイクロトフは反論の言葉が見つからず、真っ赤になって口篭もる。 普段は淡白、というか、自分が求めるのに応えるばかり。自分だけが夢中になっていて、彼は自分に付き合ってくれている、という感がどうしても拭えないでいた。それが、こんなふうに思ってくれていたなんて。 カミューはたまらなくなってマイクロトフを抱きしめるともう一度唇を重ねる。ちゅ、ちゅ、と何度もついばむように口付けていると、ふ、とマイクロトフが熱い吐息を吐き出し、ゆっくりと瞳を開いた。腕を上げカミューの首に巻きつけるとそっと引き寄せる。 「カミュー……」 思わず先をねだるような声音で名を呼んでから、マイクロトフはハッとした。 しまった……! カミューはもう……。 誘うような真似をしてしまったというだけでも恥ずかしいというのに、カミューを傷つけてしまった。逆でもいい、なんて言っているが、男として気にしないわけがないというのに。マイクロトフは青ざめるとともに逃げ出したい衝動に駆られる。 カミューはマイクロトフの肩に顔を伏せたまま、きゅ、と抱きついてきた。マイクロトフはどうフォローしたらいいものか、あれこれ必死に考える。 と、 「「あれ?」」 2人はとあることに気付き、顔を見合わせた。そして、ほぼ同時に下肢のほうへ視線がいく。抱き合った拍子に密着していた下半身で変化が起きていたのだ……カミューのが。 「カミュー」 「マイク……」 少し茫然と、だが、それ以上に安堵と喜びをもって名を呼び合う。 「良かったな」 「うん……、うん。これでマイクを抱ける!」 カミューは嬉しさのあまり再び抱きつくと、顔中にキスの雨を降らせた。マイクロトフはくすぐったそうにしながらも甘受している。 「やっぱりマイクの魅力は凄いね。愛の力って偉大だなぁ」 カミューは、ちゅ、と一際大きく音を立てて頬に口付けると、そっと耳元で囁いた。 「せっかく復活したことだし、俺の愛も感じてほしいよ……」 「ばか……」 マイクロトフは恥ずかしそうに顔を背けたが拒むふうはなかった。カミューは目を細めてそのまま唇で耳を食みながら服を肌蹴ていく。 いつしか会話はなくなり、熱い吐息だけが部屋に響きはじめた。 「仲のいいことで……」 「真昼間なんだがな……」 隣の部屋では。やはりげんなりとしている腐れ縁コンビの姿があった……。 おわり |