雨が降るより快晴の日のほうが気持ちよく快適なのはどなたも同じでしょう。
しかしもし雨が降らないと大変なことになります。おかげさまで日本は世界的にも恵まれた比較的雨の多い国です。
そんな日本でも時々水不足になることがあります。
それなのに都市部では昔は考えられなかった水害も起きています。
これは利便性を求めるあまり舗装が進み雨水を地面に吸収できなくなって結果として小さな河川があふれてしまいます。そして長期的には地下水が使用できなくなり水道に頼ることになります。
この水道水は元をたどれば山間部に降った雨水を巨大ダムにためているのです。ここで覚えておきたいことは地下水はダムではなく地中(のダム)に貯められた水です。
山間部以外に降った雨はダムの無い小さな川を流れ、町の中を流れ使われること無く海に注ぎ込まれます。
このように考えると使われずに海に捨ててしまう水が如何に多いか想像がつくと思います。
この捨ててしまう水を小さな容器にためて使うのがここで取り上げる雨水利用です。
最近自治体も町に降る雨を何とか利用したいと考えるようになりましたがまだまだその姿勢は不十分です。 雨水利用に対する自治体の取り組み。
これは東京近郊の例ですが雨水タンクを設置すると補助金が出る地区があります。
おもに小水害を繰り返している自治体や本下水を設置中の自治体に多いようです。
この目的はいろいろあると思いますが集中的な雨に対し下水道の負荷を軽減し水害抑止を考えているように思います。
水道使用量の抑制には程遠いものと思います。しかし水不足が懸念される今日、
水道使用量の抑制についても真剣に考える時期がきていると思います。
貯めた水は何に使えるか?
雨は定期的に降るわけではありませんので余裕もって貯めておかなければ使いたいときに使えません。
そのためどのくらいの容器が必要かということが重要な要素になることをまずご記憶ください。
雨の水は水道の原料ですから皆さんが思っているよりずっときれいです。
それでも消毒してありませんからそのままでは飲用には適しません。
管理のことを考えると非常時以外は飲用には水道を使うほうが良いでしょう。(非常時でも飲用には煮沸など消毒が必須です。)
植木の水遣り、洗車、その他雑用水、そしてトイレの洗浄くらいです。計画の予備実験では屋根散水冷却を考えました。これはエネルギー量を考えると(-)になることが判り採用を見送りました。
植木の水遣りは誰でも気がつくのですが雨が降ったときはあまりその必要がありません。
雨が降らないときこそ必要になります。大型の貯水装置が無いときは効果が少ないかもしれませんが植木の種類によっては水道水を好まないものが有るとも聞いております。鉢植えにはいつでも有効です。
洗車は雨上がりに利用できるので有効です。水の使用量は意外に多くビックリします。
一番問題なのはトイレの洗浄です。以前から飲用に使える水道水をトイレに使うのはもったいないといわれています。
しかし雨水をこれに使うためにはシステムとしての考えをキチット構築しなければなりません。雨が降らなくてもトイレを使用しないわけには行きません。使用量も1人あたり1日50l~100lくらいを考えなければなりません。そして最後の難関はこれに雨水を使って下水道に放流した場合下水道料金の対象になることです。
水道料金の請求書を見ていただくとわかるのですが普通は水道使用量と同じ量の下水道使用料金が請求
されています。
このことを考えると自治体が本当に水道使用量の抑制を考えているのか?マークをつけたくなるのです。
雨水タンク設置補助金と言う簡単な政策でお金の無駄遣いをしているように見えて仕方がありません。
むしろ下水道料金の見直しを考えるべきと思います。
これについては異論も有ります。ケチケチ言わずに払うものは払え!とかトイレの水くらいたいしたこと無い!(これは間違いです。家庭の使用量のかなりの比率を占めています。)など。
システムの構築は手作りで!
あまり資金をかけないで雨水利用をするには手作りでやるしかありません。これから紹介するシステムも中古品や手作りで構築しても10万円くらいの費用が掛かっていますこれを業者に依頼した場合50万〜100万円くらいは掛かるでしょう。
さらに自分なりの工夫が織り込まれていますのでその部分を考えるとシステムそのものを受注できる業者は少ないかもしれません。
これが手作りの楽しみでもあります。
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【こんな景色残したいですか!】
山間部にある巨大ダムはチョット目には水辺の景色を与えてくれる環境資源のようにも思えますが、
下流域の河川が死滅し生態系が狂ってしまう危険をはらんでいます。
さらに上流の土砂を堆積し貯水量はどんどん少なくなっていきます。
今環境破壊が問題になっています。
20坪(約70u)程度の屋根がある住宅に5mmの雨が3時間降れば約1tの水が貯められます。
空き地の少ない都市部で積極的に貯水すれば水害抑止に効果があります。
自治体によっては貯水タンクを購入するとき補助金を出す、あるいは本下水移行に伴いそれまで使っていた
浄化槽を雨水タンクに転用するために補助金を出すことがあります。
トイレに使うときは貯水タンクの位置によってはポンプが必要になったり、
雨水が無いとき水道水を使用することになります。その切り替えの方法を考えておかなければなりません。
この場合雨水が水道水に混入しないように
する必要があります。これは衛生上最重要ポイントです。
雨水を下水に流したとき(トイレに使うような場合)の下水道料金の課金ついて。
基本的には課金されます。メータをつける場合、算定による場合などいろいろあります。
自治体によっては”個人の実験的使用については調査しない(事実上課金しない)が正式に届けた場合は課金する”と言っている所もあります。
(東京近郊の3自治体で調査しました。2002年9月)
ある市では”水道使用量抑制の意味から当分調査の予定も無いが
あくまでも黙認であるから表からの問い合わせはしないように!法改正も視野に入れている。”
と回答したところもあります。いずれも回答者名は聞いていません。先ほどの理由で聞けないのです。責任ある回答ではありませんし状況も変化してくることが予想されますので個人の責任でお考えください。
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