鉱石ラジオと言っても若い方たちはゲルマニュウムラジオでしょう。
そしていまそのゲルマニュウムラジオも作れなくなる時代に差し掛かっています。
鉱石ラジオの鉱石とは検波器に方鉛鉱や、黄鉄鉱などの小片を使用したところから来ています。
鉱石ラジオの検波器はは自然界にある金属鉱石や結晶、酸化金属などの整流作用を利用したものです。
発明したのは誰かと言うことになると自然界にあるものを利用した物なので誰が先に発表したかで意見の分かれるところです。これらの話は”僕らの鉱石ラジオ(小林健二著)”にも書かれています。この本は鉱石ラジオに興味のある人にはお勧めです。と言うより現在日本では他にはこれだけ内容の濃い本はありません。(古い昔の本は別です)
鉱石ラジオが進化を遂げるのはゲルマニュウムダイオードができてからです。
ゲルマニュウムダイオードより真空管が先に開発されていましたから、蚊の鳴くようにしか聞こえない鉱石ラジオはスピーカからガンガン大きな音が出る真空管ラジオに駆逐されてしまいました。
しかし安く作れること、電気が要らないこと(鉱石ラジオは放送局の電波のエネルギだけで音が出る)等から、子供の教材としてわずかに生き延びていました。
救世主のようなゲルマニュウムダイオードのおかげで実用性も高まり、元気を取り戻すかのように見えたゲルマニュウムラジオ(鉱石ラジオはいつのまにか名前も進化しました)ですが続いて現われたゲルマニュウムダイオードの改良品?”トランジスタ”により壊滅的打撃を受けることになります。
そして、いつのまにかおじさんたちのノスタルジックな思い出の中にだけ細々と生き延びるものになってしまいました。
さらに、いまその最後の息の根を止められそうな事態になってきたのです。
救世主であったはずのゲルマニュウムダイオードが無くなろうとしているのです。
ゲルマニュウムダイオードは鉱石ラジオ用としての検波能力は優れているのですが製品の安定性や製造上の理由から生産中止になったのです。
詰り売れない鉱石ラジオ用の検波器を作るメーカはなくなったのです。(ゲルマニュウムダイオードの用途は鉱石ラジオだけではありませんが)
こんな進歩した時代にもっと優れた素材はないのでしょうか?
そこです!鉱石ラジオ大研究の目的は。
検波器に使えそうな素材はいろいろありますが鉱石ラジオ用と言うのは全くありません。
ゲルマニュウムダイオードが発売されたときには”鉱石ラジオ用”と言うのがあったように記憶しています。
その他コイルやバリコン、イヤホンに至るまで入手しずらい状況です。しかし秋葉原界隈では足元見られてちょっと高いですが入手可能です。また代用品に置き換えることも可能な場合があります。
とはいっても部品の入手は難しくなる傾向であることには変わりません。
悪いことは重なるものです。
中波のAM放送のデジタル化の実験が始まったと言う話です。(AMでは無くなる)
これについては確証は無いのですがもしデジタル化されると鉱石ラジオは完全に死に絶えることになります。
デジタル化のよさは夜間の伝播状況を考えると理解できますが鉱石ラジオでは絶対に受信(復調)できないのです。つまり電波としての信号はキャッチできてもその内容を判読するための復調という操作ができないのです。
AM放送がなくなる前に鉱石ラジオを楽しみましょう。
電気も要らず、スピーカも鳴る可能性をもった鉱石ラジオを楽しむ最後のチャンスです。
【 僕らの鉱石ラジオ 小林健二著 筑摩書房 】
鉱石ラジオの参考書はほとんどありません。この本は現在日本で手に入る本としては貴重なものです。
古き良き時代の製品のイメージを再現するために多くの努力がなされています。
アメリカでは鉱石ラジオの本がいくつか出版されています。
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【 標準的鉱石ラジオ・潟~ズホの製品 】
スパイダコイルにエアバリコン、検波器には鉱石検波器(原型はゲルマニュウムダイオード)が使われています。
今回の大研究の標準機として使用します。残念ながら製造中止。
【 裏側はこんな感じ 】
【 一時期はやったミュー同調形 】
【 並4コイルを使った標準的作品 】
これは作者は判りません。近くのくずやにあった物。
【 中のようす 】
ケースが小さすぎて性能が発揮できないのでは?
しかしケースのつくりは正確で組み立てもリベット打ち、バリコンの指針も付いた優れものです。
【 0101 ja1cvf 】
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