HAMのための  工作教室

もの作りの原点・道具や材料について考えます。

 

端数が気になる
  抵抗値と等比級数

 


よく考えられているE系列(数列)

 

製作記事を読んだり実際に抵抗を購入するときお気付きになったでしょうか?
1KΩの抵抗は良く使われますが、2.5KΩや5KΩなぜ無いのでしょうか?
電気回路の設計をして必要な抵抗値が無い場合それに近い標準品で間に合わせることは理解できると思いますが5KΩのときは精度を必要とするとき以外、4.7KΩまたは5.1KΩを使います。
2.5KΩ、5.0KΩの抵抗は普通販売されていません。私が中学生の頃は1,2,3,4,5,・・・という区切りでした。

設計段階で20%の誤差が許されるものあるいは1%の誤差も許されないものなどありますが、一般的には10%程度の誤差は許されます。
そこでメーカなどでは良く使う定数の抵抗などは在庫することになります。あなたが工場長で社内在庫用の1K~10KΩ抵抗の決定をしなければなりません。
当然、現場からはたくさんの種類を要求されます。種類が多すぎれば経理部から苦情が出ます。
A窓際課長のリストは 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10となっていました。B新進係長は  1, 1.2, 1.5, 1.7, 2.2, 2.7, 3.3, 3.9, 4.7, 5.6, 6.8, 8.2, 10を進言しました。A課長は現場経験も豊富で優秀なのですが頭が固いので最近は日当たりの良い窓際の席に移りました。さてどうしましょう。
課長のリストは在庫数も少なくすっきりしていて解りやすいのですが間隔が平均化していません。
係長のリストは数値が半端でさらに在庫数も多いようです。しかし間隔が約1.2倍で揃っています。さらに在庫を少なくするためには太字のものだけでも良いと記入されていました。
さあ工場長どうしますか?
経理もうるさいし、窓際課長も頑固だし、しかし俊敏工場長は新進係長の6系列案を採用し必要により12系列に移行する決定をしました。

このように同じ比率で変化する数列を等比級数(列)といいます。これは抵抗だけでなくコンデンサなどでもE系列として採用されています。
精度により6系列、12系列、24系列、96系列などがあります。

私たちももしストックするなら俊敏工場長の例にならえば良いでしょう。

参照 《抵抗値の読み方・実技編》

e6

e12

e24

10 10 10
    11
  12 12
    13
15 15 15
    16
  18 18
    20
22 22 22
    24
  27 27
    30
33 33 33
    36
  39 39
    43
47 47 47
    51
  56 56
    62
68 68 68
    75
  82 82
    91

この表の数字がカラーコードなどで表示されています。たとえば黄紫赤金となっていれば初め2桁が47,3番目が乗数で0の数・00、4番目は誤差5%。つまりE24系列の4.7KΩ(4700)5%の製品です。
この表にない数値のものはE6系列ならその前後のものが約20%、E24系列なら約5%以内の誤差で選択できます。

E系列はこのほかE3、E96、E192などもあります。興味がある方は参照アドレスをごらん下さい。[KOA・KK製品情報アプリケーションノートに E数列 として解りやすく掲載されています。<http://www.koanet.co.jp/index.htm>その他カラーコード表や使い方なども掲載されています。]
私たちが秋葉原などで購入する場合E24系列までは簡単に入手できます。E96系列は在庫してないお店があります。[秋葉原ラジオデパート桜屋電機(03-3255-6427)調べ・桜屋電機さんは部品の使い方など初心者に解らないことも親切に教えてくれます。]
カラーコードの読み方や覚え方はいろいろなホームページに掲載されています。抵抗とコンデンサを分けて説明しているところがほとんどですが組立方はまったく同じで分けて覚える必要はありません。色と数値を対照にした表をカラープリントして見やすいところに張っておきましょう
【参照アドレス つくば工房・工作3<http://www1.biz.biglobe.ne.jp/~kousaku/kousaku10.htm>
  電子工作・組立倶楽部 豆知識<http://www3.ocn.ne.jp/~kumitate/mametisiki.htm>こちらはカラー表示されています。】

《工作教室・表紙へ戻る》

《ホームページ・表紙へ戻る》