バッテリ式工具の電池交換

   ja1cvf   0702


電動工具のバッテリは寿命が短く頭が痛いです。
紐付きのACアダプタなるものも作ってはみましたがやはり不便です。

古いバッテリケースに新しい電池を入れてみました。

バッテリ工具のバッテリ寿命に悩まされバッテリレス・ACアダプタなどを作っては見たもののやはり紐付きは不便です。
またまたバッテリのお世話になる振り子のような怪しい工作です。
 参照 「バッテリ工具のACアダプタ」
< http://park15.wakwak.com/~ja1cvf/diy/ac-adapter/ac-adapter.html>
またこの改造はほかのメーカのものに当てはまらない場合もあると思います。危険な部分もありますのでご注意ください。

私のバッテリ工具の標準品は中央のバッテリです。このバッテリの定格はは12V1.2Ahです。 これはDIY仕様(松下電工myjoyシリーズ)で\5000程度で購入できます。
左側のバッテリは12V2Ahで\15,000ほどです。そしてカタログ上ではmyjoyシリーズには不適合のバッテリです。 ケースの形状は問題なくまた電圧も同じですから使用可能です。ということは充電器の不適合ということでしょうか。
右側のバッテリは今回のテーマ純正のケースに大型のバッテリを組み込んだものです。
12V3.3Aの容量があります。 製作には\8,000の実費がかかりました。大きさが大きい分だけ重量も増えています。 もちろん使用上は問題ないのですが充電器に対する影響は如何なものでしょう。

メーカでは純正の交換バッテリを用意しております。 業務用バッテリの互換品もあるのですが疑問を感じるほど割高でバッテリを買うなら 本体(バッテリ付き)を買う方が安くなるようなこともあるのです。それほど本体セット品はお買い得?なのです。
しかしながら、だめになったバッテリを見る度に中身を交換してみようという衝動に駆られます。 自分で交換すれば安上がりなのか?それも問題です・・・安上がりではありません。

結果として、この実験は大成功です。バッテリや充電器の異常過熱も無く使用可能時間もグンと長くなり快適です。もちろん長時間使用によるモータの過熱も感じられません。

この実験は電気的定格を超えて動作している部分があります。
機器に損傷を与える可能性があります。
*連続使用時間、充電電流等が定格を超える可能性があります。
類似品を製作されるときはご注意ください。事故に関していっさいの責任を負いません。

【 製作の準備 】

純正品が高すぎる!それがきっかけですから安くなくてはいけません。 古いケースを利用することが決まってますからバッテリの大きさも重要なポイントです。
バッテリメーカのカタログを調べてみると大電流用、動力用という言葉が目につきます。 どうやら電動工具にはそれを使わなければ十分な性能を発揮できないと云うことが解りました。
以前(実は前にもやったことがあるのです)単3型ニカド電池(安い)を組み込んで実験したのですが よい結果は得られなかったのです。 ニカド電池、ニッケル水素電池にも用途によりいろいろな種類があることは承知していましたが 「大して違わない」というのは誤解でした。
ケースに合うバッテリは2334(型番として最近は直径X全長を4桁の数字で表現するようです)と呼ばれるサイズは 2Ahが存在します。これを組み込んだ製品が上の写真左側のバッテリユニットでしょう。 これを探したところ何と一個\1,500ほどです。これが10個必要です。 端子を溶接して組み電池を作ってくれる販売店もありましたがこれでは写真左側・完成品を購入した方がよいのは明らかです。
秋葉原で国産品ではありませんが2343で大電流放電用3.3Ahタブ付き\800を見つけました。
10mm程長いのですが容量も大きく“タブ付き”と云うことでこれを使うことに決定です。
それでも10個買うと\8,000。清水の舞台から飛び降りる気持ちで行動開始!

【参考】これに使ったバッテリは秋月電子通商<http://akizukidenshi.com/>で購入しました。
純正の電池は\5,000、危険を冒して作るのは\8,000まねしようと思う方は十分お考えください。
バッテリはケースは特殊なネジで封止されています。サイズや形状がいろいろありますのでこの工具を買うときはよく確認しましょう。
ネジを外せば中身は簡単に出てきます。しかしこれからの作業は電池を絶対にショートさせないよう十分注意してください。 ショートさせると発火や爆発可能性があります。

【 制作開始 】 

製作そのものは簡単です。既存のケースに新しいバッテリを組み込むだけです。
しかし今回は一回り長いサイズのバッテリです。古いケース(古いバッテリユニット)を2個使います。
底の部分にあるネジ(特殊なものです)を外し分解します。 保護回路などが組み込まれていますので配線状況をメモの書き取り再組み立てに備えましょう。

長すぎるバッテリが後ろへ突き抜けるように底面をくり抜きます。 糸鋸などでくり抜くこともできますがホルソーで穴を開けてくり抜きました。

もう一つ用意したケースはそこを15mm残して切り取ります。
私はフライス盤で切り取りましたが手作業ではかなり根気のいる作業です。のこぎり等で切り落としヤスリで仕上げましょう。
10個のバッテリは必ずタブ付き(端子付き)を使います。それを原型と同じように組上げます。 タブなし電池に直接半田付けすると防爆弁を痛めたり悪影響がありますので絶対禁止です。 できればタブ同士もスポット溶接にしたいところです。使用中に数10Aの大電流が流れることをお考えください。

写真では見えませんが+端子のタブや隣の電池の間にはケースのビニールが溶けてもショートしないように 厚紙を挟む等の工夫が必要です。この電池の場合万一ショートすると100A位の電流が流れるかもしれません。
買ったばかりの電池は放電状態ですがくれぐれも配線中にショートさせないように!

最後にケースを被せ追加の底蓋を嵌めてできあがりです。当然ですが止めネジも長いのが必要です。 特殊ネジを探す必要はなく長さが足りればOKです。

 

充電豆知識(ニカド電池、ニッケル水素電池の場合)

本文中にバッテリと電池(セル)と云う言葉が出てきます。 時々混乱していますがいくつかの電池が組になって使われるときはバッテリと表現しています。

電池を充電するときよく聞かれる質問ですが「何ボルトくらいで充電すればよいですか」
この答えは「電池の電圧より高ければ何ボルトでもよいのです」
これでは聞いた人も困るでしょう。
電池(2次電池)は化学変化で電気を発生させ、使い切ったらまた化学変化で電気を発生できる状態に戻す(充電)のです。
充電中の電圧や電流は電池の中で起こる化学変化の量を間接的に知るために必要なデータなのです。 電極物質に化学変化を起こさせるためにはある程度の電圧が必要です。 それは電極物質や電解液で決まりこの電池の場合1.2Vと考えてもよいでしょう。 化学変化の進み具合は電流に依存されます。つまり電圧X電流X時間の電力量です。
電池には内部抵抗と云われる抵抗が含まれています。これは実際に抵抗器がついているのではなく抵抗と同じ振る舞いをする見かけ上の抵抗です。この抵抗は電池の状態で常に変化しています。もちろん理想的にはゼロオームです。

今回使った電池は1.2V3,300mAhと云うものです。この電池を充電するためには1.5倍の電力を注入します。 50%は熱などとなってなくなる電力です。 約5,000mAhです。hの文字がついているのは1時間で流したときの電流という意味です。 この電力を2時間で流すなら2,500mAX2hと云うことになります。
標準的な充電方法では10時間率と云って電池の容量の1/10 3,300の1/10 330mAで充電します。 1.5倍充電しますから15時間かかることになります。330X15≒5,000です。 この方法では30時間くらいまでの時間超過(過充電)では大きなダメージを与えることがないと云われます。 もちろん良いことではありません。
これは電池を痛めないよい方法なのですがせっかちな人が多い昨今ですから 普通は急速充電と呼ばれる方法が使われることが多いのです。
電動工具では15分は当たり前、3分で充電なんて云うものも見たことがあります。 15分ということは1/4時間ですから電流は4倍流さなくてはなりません。20Aという大電流で充電することになります。 ホントに大丈夫なんでしょうか?温度上昇は決定的なダメージを与えることがあります。 電極物質のの破損、電解液の蒸発、不可逆変化等その結果内圧の上昇、漏液、爆発、発火などです。
このように急速充電には危険が伴います。急速充電の場合、電池の温度変化や電圧の変化を監視して充電をコントロールします。
ニカド電池やニッケル水素電池の場合満充電になると電池の温度が上昇して内圧が上がります。 そのような状況になると端子電圧が若干低下するのでそれを検出して充電を停止させるのが一般的です。
10時間率など小さい電流で充電するときはこの現象が現れにくいのでタイマー(時間計)で制御します。

直列組み電池の問題点
今回の例では10個の電池を直列にしています。 電池の直列使用は高い電圧が必要なとき常識的に使われる方法ですが全く問題が無いわけではありません。
10個の電池は同じものを使わなければいけません。 規格が違うと早く使い切るものがあったり早く充電が完了するものがあったりします。 規格が同じなら良いのかというとそうともいえないのです。理由は製品の新旧や出来不出来などのバラツキです。 これはある程度やむを得ないことです。しかしバラツキがあると使用中にこれがだんだん大きくなるのが普通です。
充電式ひげそりなどの電池が長持ちするのは大抵二個直列の電池を使っているためバラツキの影響が少ないのです。 (使用電流も少なく電池に優しい使い方です)
電動工具のような条件の厳しい使い方(放電電流が異常に大きいなど)をするとそれが顕著に現れどれかが先に故障 (短絡、内部抵抗の増大、極性反転など)します。 このようになると電圧異常で使用時間の極端な減少が起きたり充電も出来なくなります。 早く気がつけば悪いものだけ取り替えれば全体にダメージを与えることが少ないのですが新旧によるバラツキが発生します。
バラツキの悪影響を避けるためには使用中(放電中)は大電流放電をしないのがよいのですがどうにもなりません。 それでも充電中に注意することでかなり差が出てきます。
バッテリ工具付属の充電器はほとんどが急速充電をしています。 この場合元気のない電池(内部抵抗が高い)の電圧が早く上がってきますので充電されないうちに充電完了を表示してしまいます。
メーカによっては急速充電完了後に小電流の定電流充電に移行して充電を続けることが出来るものがあります。
この追加充電はバラツキ対策に有効で元気の無さに気がついたら追加充電をすると元気が出ます。
※充電器の取説をよく読んで可能なら実行しましょう。
運悪くそれが出来ないものなら10時間率の定電流充電器を作るのも良いでしょう。
幸い私のmyjoyは追加充電が出来ます。
使い方の工夫で電池も長持ちします。 電力が残ってるうちに次の仕事に備え早めの充電をするのはよくやることですがメモリ効果を助長し良いことではありません。 これは急速充電をしていると顕著に現れ10時間率充電のような充電方法ではメモリ効果はあまり現れません。
動かなくなったドライバをちょっと休めばまた動くからと云ってとことん使い切るのも 過放電になり電池にとっては厳しい使い方です。 予備電池を用意して動かなくなったら取り替えて使うようにすれば3分急速なんて云う 電池を痛める使い方はしなくて済みます。

最近リチュウムイオン電池を使ったバッテリ工具も見かけますがリチュウムイオン電池は指定の方法以外で充電しないで下さい。  火災の危険があります。

 

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