連動遅延コンセント

   ja1cvf   0405


電動工具と連動して集塵機などを動かすコンセントです。
集塵機の動作に時間差を設定しているのがミソです。


テーブルタップの上に亀の子のように制御ユニットが乗っかっています。

今回の主役は左側のコンセントです。

市販のテーブルタップに連動遅延回路を組み込みました。
これはChappy&GardenDIYさんが企画制作した
作ろう会の基板を組み込んだモノです。
電動工具と集塵機はそれぞれ独立したモノですから基本的には別々に動作します。 しかし同時に使いたいことがかなりの頻度で発生します。今まではそれぞれSWを入れていたのですが面倒なモノです。 そんなとき”作ろう会”のお知らせをいただきました。渡りに船と早速仲間に入れて頂きました。

送られてきたモノは部品だけと思いきや配線済みの完成基板でした。


(送られてきた基板・写真はChappyさん提供)

私の集塵機(掃除機)はACのON-OFFでは制御できないのでリモコン回路を制御することにしました。
連動遅延基板ではSSRを使うようになっていますがそれをリレーに置き換えました。
掃除機のプラグは常時差しておきます。(ACのON-OFFはしません)

点線で囲まれたリレーは遅延基板上に組み込んでいます。
最初はこのリレーだけでリモコンを制御出来るつもりでしたが このリモコンはどちらにも接続されない時間が無いとうまく動作しないことが判明しました。(ドジですね)
しかたがないので制御基板を作ることにしました。 最近は半導体のSWもありますが頭の固いおじさんには理解のしやすい昔ながらのリレーで作ってみました。
リレーの良いところはSWが完全に分離され極性や、内部抵抗なども意識しないで使えます。(リモコン端子の回路に影響されない)
リモコン回路にあるSW*は形は普通のスナップSW(トグルSW)ですが両ハネと呼ばれるモノで操作後レバーが中央に戻るタイプで手動で操作するためのSWです。


このテーブルタップに組み込みました。


一番右側のジャックを外します。SW(ブレーカ)よりの1個は電源常時供給、左側の3個にSWを通し電流センサを取り付けます。


携帯の電源基板を入れます。幅を少しカット。
2番目と3番目の間に電流センサがあります。


ケースの蓋をビス止めして、電流センサの信号と5Vの電源を取り出します。


制御回路を組み付けます。


ケースに収めました。ケースにはリモコン用ジャックが付いています。


新たに作った制御基板です。

 

 

 


小さいケースに2枚の基板を入れるため裏表に重ねます。背の高い部品は全体の高さに注意しないと入らなくなります。 基板の幅も少し詰めました。ケースはタカチSW-65です。


リモコンコード・掃除機本体と制御回路を接続します。制御ユニット側はオーディオステレオ用プラグを使っています。
 掃除機側はアクリルで作りました。


リモコンプラグは制御ユニットの下側に接続されています。

集塵機との相性

私の集塵機は家庭用の掃除機に自作のサイクロンを組み込んだモノです。
この掃除機はリモコンで起動するようになっています。 それが私の所では珍しく最新技術?の製品(特売で安かっただけ)なのです。 起動(強、中、弱)、停止がプッシュボタンで操作するようになっています。
最初にプラグを差し、その後各操作ボタンを押します。ボタンを押したままACプラグを差しても起動しません。 もちろん二つ以上のボタンを同時に押しても無視されます。 そのほか過熱防止機能が組み込まれており内部温度が高くなると保護回路が働きます。

このままではAC回路を制御する方法で集塵機を起動することができません。
最初に試したのはSWをONにしたままACを供給する方法です。これは上に書いたとおり動いてはくれません。 リモコンSWはサイクロン集塵機の製作のとき調べました。
【参照 掃除機をサイクロンに 
制御は2線式です。SWで線間にある所定の抵抗値で反応し制御します。 ADコンバータを使っているようでON抵抗が気になりますので半導体のSWでなく機械式のリレーを使うことにしました。 中、弱の機能を使わなければ1回路のリレーで間に合うと思い組み込みましたがうまく動作しません。 OFFからON、ONからOFFへの切り替えにはある程度の時間が必要なようです。リレーの切り替え時間では早すぎるのです。
掃除機本体を改造することも考えましたが厄介なことが起きそうで本体は無改造でやることにしました。
ON−OFF切り替え時にSWが全く押されていない時間も作り、まじめにリモコン騙しをしました。 機械は正直で快適に動作します。手動のSWも追加して無事連動遅延コンセントの完成です。

リモコンについて
集塵機や掃除機は業務用の場合ほとんどがAC回路を直接制御していますが家庭用の場合はかなりの機種がリモコンを採用しています。 作ろう会の基板はACを制御することを原則としていますのでリモコン付きの場合は工夫が必要になることがあります。
◎リモコン式でもリモコンをONにしておけばACで制御できるモノ・リモコンをONにしてACプラグを抜き差しして起動停止が出来るモノ。
この場合は作ろう会の基板が無改造で使えます。希に、強では起動できても弱で起動できないモノがあります。
◎リモコンをONにして置いて、プラグを差しても起動できないモノでもスライドSWの場合はSW部分からリード線を出せば制御できるモノもあります。この場合制御にはリレーなどを使う方が安全です。改造にはかなりのリスクを伴う場合があります。自己責任でお願いします。
◎リモコンがプッシュボタンの場合。ON信号、OFF信号を別に作らないとうまく制御できないモノ(私の例)があります。 私の方法がすべての場合に適合するかは判りません。
マネしてみることは構いませんが自己責任でお願いします。

掃除機本体は改造しないことを原則にしています。
最近の掃除機は小型化され、正常に動作しなかったり長時間作動させた場合の過熱に備え安全装置などが組み込まれている場合があります。 不用意に改造しないほうが無難です。無改造なら気分が変わればいつでも普通の掃除機として使うことが出来ます。 

コンセントの工事について
壁に付いているコンセントの配線は原則的に電気工事士の資格が必要です。 テーブルタップの配線は無資格でも出来ますが事故の危険について十分配慮してください。

オーディオプラグについて
今回は3.5mmステレオ用を使っています。2線式ですからモノラル用でも使えますが古いタイプでは先端部分の太さが違う物があるようです。 ステレオ用は統一されているようです。接触不良等の事故防止と拡張性を考慮してステレオ用に統一しています。
このプラグをオーディオ回路以外に使うときは回路電流や電圧には十分配慮して下さい。構造上抜き差しの段階で回路がショート状態になることもありますのでそれが故障の原因にならないか検討することも必要です。(一部訂正 0703)

※参考 【掃除機をサイクロンに】から引用

リモコン回路(東芝VC-B28Kの場合)
付属ホースに組み込まれている制御用SWは右図のようになっています。 同じような回路を作れば純正ホースを使わなくてもリモコンが出来ます。 SWはプッシュONタイプ(押しており間だけONになる)を使います。
R2のSWを押せばOFF、R3のSWを押せば弱、中が交互に切り替わります、R4のSWを押せば強になります。

小さな箱に組み込んで工作機械などと連動させれば快適に使えるでしょう。
他のメーカでもそんなに違いはないと思います。
回路解析して連動化するのも楽しいですよ。

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