リチュウムイオン電池の再利用
 簡単充電器のお遊び。

ja1cvf 1007
ja1cvf  
0903

リチュウムイオン電池の充電は危険なお遊びです。事故に対する一切の責任は負いません。
あくまで実験としてお考え下さい。
安全性については考慮しているつもりですが完全ではありません。
皆さんの実験の一助になれば嬉しく思います。

その2 パワー計の外部電池として再利用                  ja1cvf 1007 
このパワー計はSSBに出来るように対応するためピークパワー測定ユニットを組み込んでいます。
そのために±9Vの電源が必要で乾電池006pを2個が必要です。
消費電流はわずかで普通に使えば数ヶ月は電池交換は不要です。
しかし、現実はSWの切忘れで度々の交換を余儀なくさせられます。

ニッケル水素タイプの充電可能な電池を購入しようと思ったのですが結構高いし・・・
カメラのくたびれた電池が使えないか・・・

電圧は7.4V・電流はくたびれたとはいえ800mA。
パワー計はテストの結果6Vくらいまで正常動作を確認できました

【 モデル4310 シリアルbP13 骨董品です 】

これはとても古い骨董品。それでも付属品に困ることはありません。
私の所に来てから30年ほど。もしかすると半世紀を生き抜いたモノかも知れません。

パワー計本体のスペアスラグの穴から電池コネクタを引き出します。
本体は無改造です。
外部電池仕様ということでチョットかっこ悪いですがこの際はガマンです。
スマートに外部電源で使用する方法もありますが高周波の強電界ですから他への影響を考えると電池利用がベストです。

チョット手抜きですが穴あき基板でフレームを造り電池ソケットを付けます。
006p用のソケットは一般の電池ソケットとは違い、ショートの危険、逆接続の危険(逆に接触させてしまう危険)があります。
出力に気休めの抵抗(12Ω・フューズ代用・もっと小さい方が良い)を入れました。本来はダイオード(逆接保護)とフューズ(ショート保護)を入れるべきでしょう。
電池は2本・カメラで使用すると容量低下を感じますが消費電流10mA程度なので充分使用可能です。

ニッケル水素より自己放電も少なく快適!(多分)
カメラを廃棄しない限りこの中古電池は放出されます。究極の再利用です。

 

その1 電動ドライバで再利用                  ja1cvf 0903 追記 1004
ノートPCのくたびれた電池パックが沢山あります。
電池パックはほとんどの場合、一部の電池が不良になっているだけで他の電池は性能は落ちていてもまだまだ使えそうです。
電池は18650と呼ばれる18φX65mmの電池です。
コレを何かに使えると良いのですが!

使い道として思いついたのが、電池がくたびれて困っていた小型の電動ドライバへの再利用です。

LED・デッキの照明』のページに書かれているソーラ電源(12V)が余っているのでそれの利用も考えに入っています。

今回のターゲットはHIOSの古いドライバです。チャックは6角軸でビットの脱着が素早くでできます。

右側の電池ケースを本体に差し込んで使用します。

この電動ドライバはニカド電池3本使用(3.6V)です。リチュウムイオン電池なら1本でこの電圧を確保できます。

電池ケースの空間は2本分有ります。並列にして2本組み込むことにします。
電池の並列使用はチョット気になりますがノートPCなどではよく使われる手法です。この電池も並列で使われていました。
容量も一本あたり2Ah(推定)ですからくたびれたと云っても充分なパワーがあります。
横向きの電池の上に白く見えるところがあります。コレは電池パックを分解する時に取り出したサーモSWです。(温度フューズは見えません)
この様な過熱対策部品は忘れず組み込みましょう。
ドライバ本体の改造はコレで終わりです。

【 参考:リチュウムイオン電池の標準データ 】
標準電圧:3.7V
充電終止電圧:4.2V
放電終止電圧:3〜3.3V
*充電終止電圧は重要で1%以内に設定する必要があると云われます。連続充電をしたり満充電に近い状態で繰り返し充電すると過充電になります。
4.2V定電圧充電では20時間率値・18650電池で約100mA*を見て充電終了とする一般的です。
*電池により容量は変わります。

使い道が決まったら充電器の製作です。今まで使っていた充電器はソケットの部分を利用する以外中身は新規に創ることになります。
リチュウムイオン電池はニカド電池、ニッケル水素電池などと違って充電には特別な注意が必要です。それは、電池自体が燃えやすい素材であることです。大手メーカの製品も度々火災事故を起こしています。このためにはどういう時、燃えるのか十分検討する必要があります。

なぜ燃える、リチュウムイオン電池!
この電池は素材が燃えやすい材料を使っています。金属リチュウムは水と一緒になると自然発火します。そのため電解液は一般的な水溶液ではなく有機溶剤系電解液を使っています。コレも燃えやすいと思われます。
有機溶剤系の電解液は過充電域で発生するガスを吸収しにくいため内圧の上昇や寿命低下を起こします。
さらに電池が古くなると針状の金属結晶が析出されそれによりセパレータを突き破りショート状態になり最悪発火に至ると云われてます。
古くなると内圧上昇で膨れているものがあります。円筒型では判り難いですが平板型ではすぐ判ります。この様な電池は再利用しない方がよいと思います。

充電器の基本構成

充電方式は終止電圧制御付き準定電流方式です。このように書くととても難しそうですが。充電終了電圧を決めその電圧になったら充電を終了させます。充電初期には充電電流を監視し、充電末期には電池電圧を監視し過大電圧になることを防止します。
電圧検出回路と電流制限抵抗が基本的な要素です。
この充電器を作るきっかけとなったもう一つの理由
LED・デッキの照明』用電源の利用のためこの充電器は12Vの直流電源を使うことを想定しています。参考にした友人(JA1HCF)の充電器はAC100V対応です。

12Vの直流電源(自動車用バッテリ)で充電するための定電流充電電流値は正確である必要はなく抵抗を直列に入れ電流制限するだけで充分です。
18650(一般的には2000mAh)の電池2本ですから4000mAhの容量となります。
今回は使用した部品の関係(レギュレータの電流制限)で1A位を目標にしています。
充電初期の電池電圧を3V、終了時の電圧を4.1V(この電圧は正確に測る必要があります)にすれば逆流防止ダイオードの損失を含め8Ω程度の抵抗を直列に入れれば目的を叶えられます。この場合終了時の電流は900mA程度になります。この場合ここで充電器を切り離すと数秒後には電池の電圧は規定の4.1Vより下がってしまい再び充電をはじめます。専用充電ICなどではそれを見越し秒単位で電圧を監視し充電を繰り返し電圧低下が規定以内に治まった時充電終了とします。

*安易な繰り返し充電は過充電となり電池寿命を縮めたり危険な状態になります。

参考にしたJA1HCFさんの充電器
18650・1本用は携帯電話用のACアダプタを電源として使っています。

(制御部のみイメージ図)
この充電器は使用したACアダプタの電圧や過電流保護を巧みに利用し部品定数を決めているようです。
この電源の容量は5.6V、600mA程度と思われます。
この回路を元に色々考察し、終末期の充電電流を小さくすれば繰り返し充電による過充電の危険が少なくなると考え一工夫しました。

 

充電器の回路は基本的にJA1HCFさんの充電器を踏襲しています。
電源の電圧が12V(非安定化)となったための変更があります。
3端子レギュレータ、LM317などで構成するつもりでしたがたまたまPNP型のトランジスタの手待ちが無く秋葉原を徘徊していたところ PQ20RX11 と云うレギュレータICを見つけました。
コレは電圧可変型で出力のON・OFF制御ができるタイプでした。何となくコレを使ってみたい、タダそれだけの衝動で気がついた時購入していました。


*可変抵抗の下側の抵抗は2.7kΩにして下さい。

その時はバッテリの電圧でそのままレギュレータICをコントロールするつもりでしたが、何とそのロジックが逆でした。

トランジスタで反転させてみたのですがどうもしっくり行きません。そしてこんな形になりました。
*実際には追試の結果問題なく動作しましたがLM358を使う方が部品点数も少なく簡単でした。

PQ20RX11:SHARPのレギュレータですが5.2Vに設定しています。電池がカラの時は比較的大きな電流で(この場合最大1.5A)充電し満タンに近付いたら電流を低減する為に低い電圧を設定しています。
トランジスタでON・OFF制御をするならLM317で可能です。
7806:6Vのレギュレータですが実際には5Vのレギュレータに下駄をはかせて6Vにしています。5Vではコンパレータの動作が不安定なので6Vにしています。

電池の電圧が4.1VになったらLEDが暗くなるように可変抵抗を調整し1Ωの両端の電圧から電流値を計算し200mA以下になっていればOKです。
電池一本あたり100mAです。
電池電圧の変動がありますから何回か調整をして下さい。
充電末期の電池電圧と電流の関係で電流が流れすぎる時はレギュレータの電圧を調整して下さい。


黒いコネクタに12Vを供給します。


電池ユニットのソケット部分


電池をソケットに入れたところ

追記:1年ほど経過した時ja1hcfさんから修整した回路図が届きました。  【 ja1cvf 1004 】

実は何回かの実験中に不具合が発生していました。それはツェナダイオードによる基準電圧がふらつき動作が不安定になると云う物です。
考えられるいくつかの理由はツェナダイオードの安定度が良くないこと、携帯充電器の電流容量不足によるモノなどが考えられます。
電源として使っている携帯電話用充電器はその機種により電圧は5.4V〜5.8V、電流は400〜800mAと色々あります。
そのため充電電流によっては電源に対して過電流となり安定であるはずのVccが変化してその結果としてツェナ電圧も変化するさらに充電電流も変化するため動作不良となるコトが判明しました。

基準電圧にTL-431を使い動作の安定化をしました。また電源の電流不足が発生する場合は2sb595のエミッタ抵抗2Ωを大きくして最大電流を制限して下さい。


※図中TL-421と有るのはTL-431の書き違いです。

 

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