那谷寺の由来
那谷寺は奈良時代初めの養老元年(717)、越の大徳・泰澄法師によって開かれました。法師は白山やその大自然の神々と魂の交流を図る『自然智(ジネンチ)』の教えをもたらし、魂の輪廻転生・禊(ミソギ)再生・胎内くぐりの聖地であった岩窟内に本殿を設け、境内を心を癒す天然の道場としました。
当時は『岩屋寺』といい法師を慕う人々や白山修験者たちで栄え、平安時代の寛和二年(986)には花山法皇が行幸されました。
南北朝の騒乱などによって堂塔はことごとく消失しましたが、江戸時代の寛永十七年(1640)、第三代加賀藩主・前田利常公が御水尾院の命をうけ、岩窟内本殿、拝殿、唐門、三重塔、護摩堂、鐘楼、書院などを建立しました。これらは国指定重要文化財となり、平成二年には金堂華王殿も再建されました。
(那谷寺パンフレットによる)