鶴八鶴次郎





飲んだ勢いで出来た詩を
酔いに任せてあなたに見せて
手頃な安肴にして又飲んでいる、その時に
「何よ、くだらない」と
一言ピシッと言われたとしたら
それこそ昔の新派悲劇というわけだ
それから アタシャ ドサ回り
世間幾つも見る旅で
苦労に苦労を重ねるわけだ

苦節十年
ビッグになって 都に戻り 大舞台
拍手喝采ざわめく中で
かすむ目こすり あなたを捜す

その時 あなたは飛雄馬の姉だ
柱のかげで ひそかに 僕の
出世を祝って泣くだけだ


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