惜別の詩
見て下さいよ、私の瞼
腫れぼったいでしょ
腹が立って腹が立って
夕べ子供と言い合いしたの
いつになったら・・・と口ごもり
あなたはエビフライの尻尾を噛んだ
子供なんてね
親の目の届かない所に行ってくれるのが
一番ですよ
僕はエビフライの頭を噛んだ
800円で買った僕の時計を
高価なモノに見えると驚いてくれたあなたは
私なんていくら高いネックレスをしていても
誰も高そうと言ってくれないのと
明るく笑った
いい歌ね
私も覚えて歌いたい
クリスマスイブ
あなたの知らない僕の下手くそな歌が輝いた
職員会議の書記はあなたの次がぼくの番
あなたの名前をそのまま写してしまい
次の順番の田中さんから
大いに笑われた日があった
生徒でもそんな間違いしやせんよ
この春から
ひょんなことから
農作業に従事することになり
学校を退くあなたが
リヤカーに一杯野菜を積んで
ご近所に配り歩いている姿を思い浮かべてみる
土に触れた手が朝露に濡れて
真珠のように輝いている