サヨナラ
五十八の誕生日に五十四のユカシから
「おめでとう、あとしばらくは大丈夫だ」
ユカシのまわり五十七で亡くなる人が多いとか・・・
週に一度、ユカシとともに昼ご飯
いつもは「よし庵」その日は「つるや」
「ケイジも誘えばよかったな」
爪楊枝シーシーの帰り道、用水路に遊ぶカワセミ一羽
「すぐにケイジに報告しよう」
月曜日長い会議を終えた後、自転車漕いで家路へ向かう
ケイジを襲った心臓発作 五十七でケイジは消えた
煙草ふかしてケイジを偲ぶ
くそう、抗えないものが運命ではあろうけれど
くそう、くそう・・・上を向いてもこぼれる涙
ケイジはあの世からタカの渡りを見ているだろう