レーゾンデートル





名も無き雑草のように、という表現に出会い
ふと思った
植物学者はあらゆる草花に名を付けた筈だ
名も無き雑草などあれば
それは新種発見だ

それにしても僕のまわり
名も知らぬ草花が多すぎる
いくらもいくらもありすぎる
それは僕の無知のせいだが
しかし、ひょっとして
雑草の方で 名を拒んでいるのではないか
名など付けてもらわなくていい
存在そのものとしての価値を
彼らは名を人々に知らせない もしくは
忘れさせるという手で
主張しているのではないか

そう思い僕は
ガリ版刷りの名も無き人の詩集を
読み続けた  



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