北京同窓会




食あたりには数粒、苦い薬を口に含めばいいのだろうが
人あたりに効く薬はあるのだろうか。
四年ぶりに会って、数十年ぶりに会う人もいて、百人もの集いの中で
時の流れに口ごもりながら、ときめく自分を制する薬はあるのだろうか。
気の利いた言葉を探しあぐねているうちに「私を避けているのですか?」
奇怪な誤解をとく薬
言葉足らずを補おうして口走った不要な言葉を消す薬
「お元気そうで何よりですね。」とは言えない病歴の数々
数々の憂いを包みかくして、笑顔を絶やさぬ数時間

人あたりに効く薬なんて求めずに、胸のあたりをさすりながら
若かりし頃の出来事を美化し醇化し嚥化して
何度も巻き戻してみればよい
楽しいひとときだった
うれしい瞬間だった
心残りの数分だった
会えない人に会いたくなった
あー
四年後は還暦か
赤いちゃんちゃんこ
宙に舞う
 






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