喪中欠礼
親戚のマサトさんに若松まで迎えに来てもらって
奥会津昭和村へと車は進む 道の両脇は雪の壁
太―いゼンマイに驚きながら
義母のお通夜の席に着く 降り止まぬ雪
モロコシ食わねか
孫たちに勧めるキミばあの声が真っ先に蘇る
孫の一人はビビ婆ビビ婆と呼んでいた
秋に一度来てみらっしぇ きれいな紅葉だぞ
勧める顔は誇らしかった
翌朝、柳津の葬儀場へと向かう送迎バスに手を合わせ
深々と頭を下げる人を見た
骨上げを終えて雪景色の中にうごめく黒点を見つめていると
雪虫だあ、そいつが出るともう春だぞ
義理の兄さんが教えてくれた