メモ書き
スチール机の引き出し右すみに
メモ用紙が何年も捨てられず残っていて
「お話したいことがあります」と書いてある
差出人は養護教諭の女性
そのころ僕のクラスの男子生徒が不登校ぎみで
話したいことの内容もほぼ推察できた
にもかかわらず
僕は曲解しようとやっきになった
「お話したいこと」を聞きながら
親身になって相談に応じ
あわよくば何かしらの秘め事を共有しょうとさえ思った
案の定「先生のクラスのK君のことで」と話は始まり
「実はこのところ僕も気になっていたのですが」と応じて
彼の今後について語り合った記念のメモ書きだ