京都府立植物園

 

北山通りの「じん六」で蕎麦を食ったあと

植物園を散策していると雷鳴轟き

小一時間、売店の堅い椅子に座っていた

 

息子に厳しく問いつめられた夏だった

「酒が大事か 家族が大事か」

「俺はアル中ではない」と抗弁しても

「お祖父さんが酒で肝臓をやられたことを

まさか忘れたわけではあるまい」と

追撃された

 

何故「家族が大事だ」と

すぐに答えられなかったのか

 

雷鳴止まず雨しきりに窓を打ち

売店の蛍光灯は

点いたり消えたりした

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