古今集




四月はもう逢えないのでしょうか?
五月を待っていると橘の花の香に紛れ
あなたが昔の人になってしまいそうな気がします。
「じゃあ、次の月曜日はいかがでしょう。」

六月はもう逢えないのでしょうか?
新暦の七夕を待っていても梅雨のさなかでは
天の川を渡る前に牽牛の袖は
濡れてしまいそうな気がします。
「じゃあ、次の木曜日はいかがでしょう。」

プラズマスパークのエネルギーが不足したウルトラマンのように
胸のカラータイマーが赤に変わろうとする時
あなたの一言が僕を救う。
「じゃあ、今度M78星雲に連れて行って下さいね。」

シュワーッチ!
勢い込んで飛翔する僕の下では
ほったらかしにされた怪獣が
しきりに小首をかしげている。




トップページへもどる