授業評価
五月のその日、埼玉のとある高校では
朝から職員室の空気はよどみ
先生方の顔には蜘蛛の巣が張り付いていた
「授業はわかりやすいですか?」
「黒板の字は読みやすいですか?」・・・
何ゆえ目下の者から五段階評価を受けねばならぬのか
自ら用紙を配布し、集計された平均値を他の教科と比べて何になるのか
翌年四月、銀行出身の管理職が赴任し
このシステムを廃し、先生方の喝采を浴びた
成果主義や授業評価が学校現場になじまないことを
民間人校長はわかっていた
つい先日耳にした、実に愉快な話だ
「民間人校長もまんざら捨てたもんじゃない」
話の主は皮肉っぽく付け加えた