情報社会と学校
性に合わん、性に合わんと家路を急いだ。
情けないを下らないと変換し、拳を丸めて家路を急いだ。
いち早く自転車に乗ることが出来た小学生が、自慢たらしく両の手離し
やあいまだお前はコマ付きかと、追い抜きざまに笑っていやがる。
蹴上がりが出来るまで何度も鉄棒にぶら下がる根気などあるものか。
千葉麗子が手取り足取り教えてくれたら、も少しヤル気が出たかも知れぬ。
コンピューターお宅のヒマ人がワッケワカラン用語を使い、
僕をほったらかしてドンドン進む。
運転する気もないのに教習所に通い、
シミュレーション装置の前で何をしていいのか分からなくなった日のことを思い出した。
初めてマウスとやらを握った人間に、お前は一体何を教えようとしているのだ。
マニュアルに書かれているのは、一体どこの国の言語なのだ。
マウスを一箇所で固定しようとしてもマウスはマウスらしく
前後左右にちょこまかと動き回り、右手は最早アル中の症状を呈している。
クリックする前にストップさせることも自由に出来ぬ。
一体僕は何を学ぼうとしているのだ。
跳び箱で中抜きにしくじって転げ落ちた日のことを思い出した。
どうも日本の教育は苦手なものだけ妙にはっきりと刻印する。
何がエクセルだ。表計算だ。
六時間もかかって手元には簡単な棒グラフがお土産がわりとは。
自慢じゃないがこの俺は、麻雀も知らぬ。碁も知らぬ。
将棋も打たないし海外にも行ったことがない。
それでも何とか楽しくやっている。詩人は心に花を持っている。
それだけで充分だ。
自慢じゃないがこの俺は、クラスで一番遠くまで三段跳びが飛べたんだ。
大阪府教育センター教職経験者研修講座
8回目の明日は風邪で休むことに決めた。