一月の公園
目の前を童女が駆け抜ける
「やりさしてー」と叫んで駆け抜ける
「やらせて」ではなく「やらさして」でもなく
「やりさしてー」が蛇行する少年を追って行く
コンビニ袋で拵えた凧が風に揺れ
二本の尻尾が一月の風に揺れ
四本の足も左右に揺れて
公園の砂は舞っている
「食べさし」「読みさし」「言いさし」「やりさし」
何事も中途半端で、やり残したことの多い僕に
「やりさしてー」の声がまとわりついて離れない
六十近くにもなって、やり残したことの多い僕ではあるが
今更ながらの僕ではあるが「槍刺してー」
貫き通したいものはある