冬の夜の会話
さむいね
ああ すきま風がね
もっと奥に座ればよかったね
ビールは止して熱燗にしようね
よく時計を見るね
父の形見だからね
『反実仮想』って題の詩ね
あれね、日付とって
「昔の詩が出て来たよ!」って
奥さんに見せたら?
十時を過ぎたね
別れの時間が近づいてきたね
おうちが恋しいの?
君が愛しいよ
いい具合にまわってきたね
酩酊とまでは行かないけどね
外は風が冷たいね
すきま風どころじゃないね
虫ないてないね
腹の虫も治まったからね
何かに怒ってたの?
いえ 別に・・・