背泳
実際には溺れるようにしか泳げないのだが
夢の中では決まって背泳だ
競い合う相手は木原美知子
この前なんて水着も付けず
そりゃあもう観客は大騒ぎ
夢の中では七掻きほどすれば
もう50メートルだ
ターンをしながら僕は思う
何を思ってこのような夢を見るのだろうかと
僕は思う
夢の悪戯
交差点を渡ろうとするのを止めようとしている夢を見た
渡ろうとしていたのが僕なのか
止めようとしたのが僕であったのか
はたして
夢の中の信号は赤だったのか青だったのか
夢の悪戯に小首を傾げながら
七色の信号があるならば止まれ進めのほかに
どんな意味が込められるだろうかと自問して
「感性、気力、工夫、健康、恋」
木原美知子の「かきくけこ」で答えてみたくなったのだ