源三位入道頼政

 

目と目が合って

「頼政卿はいみじかりし歌仙なり」で始まる問題を

二人して採点することになった。

 

赤や青さらには緑や茶色とペンを持ち替え

「去り行く人」と椅子を寄せ合う

藤紫のシャドーが似合う人

どんな色のセーターも似合う人

 

「改まって何ですが長い間お世話になりました」

「何を今さら・・・」「だって先生とは・・・」

 

鵺退治で名をはせた武人でありながら

俊成から「いみじき上手」と評された歌人頼政のように

「心の底まで詩そのものになりきって」と励まされた僕は

「時々メールを送ってもいいですか?

だってあなたとは・・・」

 

 

 

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