絵本

 

 

 

絵本に夢中の一年生が

降りる駅になっても夢中のままで

扉が閉まる寸前、気付いたものの間に合わず

厳しく拒絶された扉の前で

ゆっくり、じんわり泣き出した

同じ車両に友達もいた筈なのに・・・

声も上げずに泣き出した

 

心優しい女子高生が声かけた

「次の駅から一つ戻って」と言うしかないが

「うんうん」とうなずいて一年生は

絵本を閉まって泣き止んだ

 

それにしても絵本の中身が気にかかる

女子高生よ、聞いとくれ

「何の絵本を読んでたの」

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