97年07月23日:11時01分39秒
さてここが山場かな? / ジョーカー
 高速で飛行する式の背の上で、暁雲は夕霧達に話しかける。
 
 「儂らが今向かっているのは修羅刀じゃ。玄屋殿のところではない。
 儂が玄屋殿に会ったことがあればよかったのじゃが、そうもいかん。
 じゃから儂には玄屋殿の気配が分からないし、判別もできん。
 じゃから今は一番目立つ修羅刀の気配に向かって飛んでおる。
 しかしそれでは意味が無い。儂らの目的は修羅刀ではないからの。
 そこでじゃ」
 
 そう言うと懐をまさぐり数枚の式札を取り出す。
 
 「この式を使えば式を通して物が見える。こいつで玄屋殿を知っておる
 お嬢ちゃん達に玄屋殿を探してもらいたい。たっぷりと珠が仕込んであるでな
 大した負担にはならんはずじゃ。発動の呪文は裏に書いてあるから
 それを口に出せばよい。それから少しは戦えるようにしてあるが
 大した力は持たせておらん。無理はするな、玄屋殿の位置が分かれば
 良いのじゃからな」
 
 説明をしながら夕霧、琴音、沙夜、亜夜に式札を渡していく。
 
 「荷物を乗っけていない分、このデカブツよりは早いはずじゃ」
 
 暁雲  夕霧、琴音、沙夜、亜夜に向かって
 
 
 
 
97年07月23日:13時13分12秒
補足 / ジョーカー
 当然生体感知能力を持たせてあります。形態は基本的に鳥型ですけど
 自分なりの形にしたかったらそれでも構いません。それから
 持続時間延長も入っているので玄屋を見つけるまでは持つはずです。
 感覚結合している以上気合も使えます。よって一点使って割り込みも
 オッケーです。ただし式が破壊されたら反動がくるのを忘れずに。
 夕霧と亜夜は平気だろうけど沙夜と琴音はヤバイです。
97年07月26日:04時09分59秒
では琴音の反応 / 月夢
 琴音は暁雲が差し出す式札に首を振って、自分の懐から式札を取り出す。
「私も陰陽師の端くれです、それに・・・」
 琴音はそこで一度切ると懐から取り出した懐剣で指先を軽く傷つける。
「・・・私の中にはお父様の血が半分流れています、こちらの方が早いでしょう」
 琴音は式札に血を乗せると鳥型に打ち出す。
「いきなさい、お父様を急いで見つけだして・・・」
 その言葉と同時に式が羽ばたく迷うことなく一直線に一方の方向に。
「追ってください、あちらの方向にお父様がいます」
 その方向を指さして琴音が暁雲に向かって言う。
「出来る限り急いでください、悪い予感が・・・悪い予感がどうしても消えないんです」
 琴音はぎゅっと懐剣を握り唇をかみしめると、その方向をじっと見つめ続ける。
 
 琴音より暁雲へ
 
97年07月26日:10時18分14秒
珍しく短いな / ジョーカー
 式札をしまいながら、短く
 
 「心得た」
 
 と答える。すると式が進路を変え琴音の式を追う。
 その最中、暁雲の顔がわずかにしかめられる。
 
 「これは…厄介なことになってきよったな。修羅刀の瘴気と怨念に引かれ
 魑魅魍魎共が集まって来たようじゃ。雑魚が大半のようじゃが…」
 
 その声は叩き付ける風に紛れ、微かなものになってしまう。
97年07月26日:21時48分12秒
あ、そうだ / ジョーカー
 ふとあることに気が付き琴音に向き直る。
 
 「悪い予感も結構じゃがな、若い娘さんが手の傷をほったらかしというのは感心せんな」
 
 懐から軟膏を取り出し傷口に塗った上で、さらしを細く裂き手早く包帯をする。
 
 「小さな傷が原因で命を落とすこともある。傷が残ってしまうことだってある。
 そんなことでは玄屋殿も嘆くことになろう。自分を大切にせい。
 まだまだお嬢ちゃんは若いんだからのう、まあ些細なことではあるがの」
 
  暁雲  琴音に向かって
97年07月27日:22時38分32秒
しまった / ジョーカー
 消毒するの忘れた。酒だってあったのに。どうも抜けてるなあ。
97年08月14日:18時45分19秒
何とか続いてるねえ / 月夢
 長期休暇でもうちょっと止まるかと思ったけど、ジョーカーさんが何とかつないでくれてるなあ、助かります。
 どーしますかね、本当に、タイガさんいるからしばらく玄屋かましておいてもいいけど、やっぱり長くはもたんだろうから、夕霧一行の到着待ちかあ、でも琴音は玄屋以上の戦闘力はありえんし、他の方が参戦できるかどうかだな、きびしいかな?
 うーん、一応そろそろ琴音に見付けさせときますね。
 暁雲の打ちだした式の上で集中していた琴音が急に声をあげる。
「お父様!!」
 玄屋を捜すようにやや低めの位置を飛ばしていた式がついに玄屋をみつけたのだ、が、
「お坊様、降ろしてください!お父様が戦っています」
 式でざっと見ただけでも怪我をしている事がみてとれる玄屋の目の前で戦いが繰り広げられている、片方は見た事のないサムライらしき相手、もう一方は、
「お父様の武者・・・それだけの相手という事ですか・・・」
 琴音は小さな拳を握りしめ、大きく息を吸い込むときっと前を見据え、もう一度、
「お願いします、降ろしてください」
 決意を込めてそう告げた。
97年08月14日:23時45分19秒
あ、しまったかも / ジョーカー
 玄屋がいるところがかなり開けていないと、この式降りられないぞ。
 こいつは大ヨロイの数倍強の大きさがあるから。って言っても
 森の中なんだから無理だよなあ。でも6人を楽に乗せられる
 式となると、どうしても大型化は避けられなかったし。
 結局は同じか。仕方がない、気は進まないけど力技でいこう。
 
 「承知」
 
 琴音の言葉を受け、式の高度を下げていく暁雲。それと同時に、しばし目を閉じ
 付近の気配を探知する。脳裏に浮かび上がる周囲の状況。
 この先に七つの気配。一つは琴音が先ほど打った式、三つは
 ほとんど重なり合って感じられる式。おそらくは琴音が口にした武者とやら。
 二つは一人の人間と式。これも重なり合っているようだ。まず間違いなく
 サムライだろう。そして最後の一つ。怪我でもしているのか
 気配が若干弱く感じる一人の人間。。これが琴音の父親、玄屋だろう。
 わずかな間にそれだけの情報を収集し、目を開く。そして首を鳴らしながら
 緊迫感の無い口調で琴音に話しかける。
 
 「そういえば言ってなかったのう、儂の名前は暁雲という。
 さん付けでも呼び捨てでも一向に構わん。じゃがお坊様は
 勘弁してくれんか、わしゃただのナマグサじゃよ。そんな言われ方をされると
 こそばゆくてしょうがないわい。ふぉっふぉっふぉっ」
 
 場にそぐわぬ笑いを収めると、一転して真面目な顔になる。
 
 「琴音さんや。場合が場合じゃ、緊張するのはよく分かる。
 だが気負い過ぎると身体が硬くなる。助けられるものも助けられなくなる。
 もちっと肩の力を抜いた方がええじゃろう」
 
 「それでな、話は変わるがこの式は図体がでかい。
 降りるならば広場にしたいんじゃが、そんな暇も無かろう。
 という訳でちょいと荒っぽい着陸をするんでしっかり掴まっておれよ。
 気を抜くと落っこちるぞい」
 
 二呼吸もしない内に式が激しい揺れに襲われる。森の中に
 着陸するために、式が木々をへし折りながら降下しているのだ。
 やがて木の枝が千切れ、幹が折れる騒々しい音を立てながら式が地面に降り立つ。
 そして乗るときのように尻尾が女性達を地面に降ろしていき
 最後の沙夜が降り立つと式は役目を終え、紗に帰っていく。
 それを横目で捉えながら五、六間(9m強)ほど離れたところで
 対峙している――いや、していたというのが正しいだろう。いきなり
 このようなことが起きればさすがに戦いも中断する――蜘王と玄屋の方に顔を向ける。
 
 「ええ月じゃ。それにええ調べじゃ。そうは思われませんかお二方」
 
 のんきな口調で二人に話しかけながら無造作に近づいていく暁雲。
 式の破壊活動のせいで森の天蓋に穴が空き、見事な月が
 空に浮かんでいるのが分かる。
 そしていつ終わるとも知れぬ調べもまた、風に乗って流れてくる。
 暁雲は腰の瓢箪(ひょうたん)を取り外し振ってみせる。中身が何かは言うまでもない。
 
 「いい酒もある。こんな夜に命のやりとりをすることもあるまい。
 月見酒というのもおつなもんじゃよ」
 
 その飄々とした声を聞きながら香は思い出す。いつでもこの人は
 こうだったことを。それが追い剥ぎだろうが何だろうが。
 妖相手にすら酒を勧めた。その相手の末路は様々だったが……