97年05月15日:19時36分57秒
進めます / 月夢
 では、何はともあれ、裕太君はお預かりしましょう。
 
 氷咲 風夜は玄屋の紹介状を読み終わるとまだ眠り続ける裕太とその連れの面々に顔を向ける。
「修羅との境にいるその餓鬼の面倒を見てくれ、これが書面の内容です」
 風夜は苦笑する。
「実に玄屋殿らしい手紙です、間違いなく玄屋殿の紹介である様子、となれば私も玄屋殿には昔世話になりましたし、この子を預かる事を拒否する理由はありません、確かにお預かりしましょう」
 風夜が請け合うとほっとした様子の面々の顔を見てさらに付け足す。
「幸い私の家には道場があります、というより玄屋殿もそれを知っていたからこそ私のもとにこさせたのだと思いますが、その子を鍛えるにはちょうど良いでしょう、体と、、、心の両方を」
 風のない湖面のようなまったく揺らぎのない静かな表情で風夜は言う、聞かなくても裕太の様子と、その刀になにがしかの事を感じていながら全てを受け入れる覚悟のある証拠と言える。
「その子のことは任せてください、、ただそのかわりといってはなんですが玄屋殿の事を話して頂きたいのです」
 怪訝な表情を浮かべる夕霧たちに風夜は軽く溜息をつき、
「実はつい先ほど玄屋殿の娘さんの琴音さんがいらしましてなにか嫌な予感がすると言われまして、何とか落ちつかせて別室で休んで頂いているのですが、会ってきたあなた方からお話しがあれば落ちつくと思うのですよ、どうでしょう?」
 道場師範、元武者 氷咲 風夜 
 
 一応、もう一本の修羅刀絡めれるように琴音に動いてもらいました、夕霧さんとは知り合いかな?まあ知ってても不思議ないし、ご判断にお任せします。
97年06月10日:06時20分01秒
長い間止めててごめんなさい / tomy
特にネタが思い浮かばないので、ジョーカーさんのおっしゃるとおり一気に風夜の所までとばしましょう。
「琴音さんが、、、、、わかりました。お会いしましょう。」
氷咲 風夜の話しを聞いた夕霧は、琴音に会うために隣のへやに向かう。琴音とは10年ほど前一度会ったきりだ、あの頃の琴音は利発だが、体の丈夫でない少女だった。あれからどのように成長したのだろう?

「琴音さん、入りますよ。」
そして部屋の戸をそっと開けた。
夕霧から、琴音へ
97年06月10日:13時43分12秒
ペース戻ってきたねえ / 月夢
 では、まずは琴音のほうから片づけます。
 
「ううん・・・?」
 うっすらと差し込む光に浅い眠りから琴音が目を覚ます。
「風夜様ですか?」
 屋敷の主の名前を口にしてから、戸の方を向くと一人の美しい女性が立っている。
「・・・・・?あなたは・・」
 見ず知らずの女性だと思い名を聞こうとしたとき、唐突にはっと思い出す。
「夕霧様!」
 布団をどけて居住まいを正し、夕霧に頭を下げる。
「ご無沙汰しております、夕霧様・・・・」
 それから屋敷の人間に借りて着ている自分の夜着姿を見て少し恥ずかしそうな顔をして。
「あ、あの、このような姿ですみません、なにぶん急ぎの用事で後先考えずに家を飛び出しまして、疲れ切っていて、ひと休みさせて頂きまして・・・・」
 言い訳するようにしばらく口を動かしていたが、夕霧が目の前にいると言う事実が改めて認識されてくると琴音は立ち上がって夕霧の側によってすがるような視線で口を開く。
「夕霧様、もしかしたら偶然かも知れませんが、夕霧様がここにおられると言うことは、もしかして、父になにかあったのでは?」
 
 琴音から夕霧へ
97年06月11日:19時07分34秒
とりあえず夕霧の方を / tomy
「いいえ、私はあなたのお父上に頼まれて、ここに来たのです。自分の打った2本目の心珠刀をあずけた少年をここまで送っていってほしい、とね。ですから、そう心配することはありませんよ。」
今まさに玄屋の工房を襲っている者達がいるとは知らない夕霧は、そう答えた。だが、不意に何か言い知れない予感のようなものにおそわれた夕霧は、こう付け加えた。

「でも、、もし気になるなら、玄屋の所まで送っていきましょうか。長い間、会っていないのでしょう?私たちはかまいませんよ。別に行くあてがあるわけではないのですからね。」

夕霧から、琴音へ
97年06月11日:20時14分00秒
いいや、やっちゃえ / ジョーカー
 隣室から声が響く。
 
 「あー、夕霧さん。儂はそのことについて異存はないんじゃがのう。
 一つ気になることがあるんじゃ。玄屋殿は修羅刀を二本打ったんじゃったな?
 そして二振り目はこの坊主が貰い、一振り目は玄屋殿のところにあると。」
 
 夕霧には見えないだろうがその顔は頭痛に悩むかのように歪んでいる。
 
 「たった今じゃ。あっちの方から、そうちょうど儂らが来た方向から
 莫大な怨念と瘴気が噴き上がるのを感じたんじゃ。まあそれだけなら
 この坊主の持つ修羅刀からも感じるんじゃが、桁が違う。
 あれをまともに食らえば常人なら気が狂うじゃろう。今は最初に感じたときほどの量ではないが
 まだまだくすぶっておるな。もしやこれは玄屋殿に
 正確にはあちらの修羅刀に、何かあったんではないかと思ってのう。」
 
 暁雲  夕霧に向かって
97年06月14日:15時52分47秒
反応遅くてすみません / 月夢
 かき込み遅くなってるなあ、我ながら、では琴音です。
 
 暁雲の言葉を聞いて真っ青になる琴音。
「そんな・・・修羅刀が・・・お父様・・・」
 夜着の懐から懐剣を取り出しもう一度抜いてみる、やはり深い霧のような全面に漂う曇は落ちてないどころか深さを増してるように感じる。
「嫌な予感がしたんです」
 ぽつりと言う琴音。
「お父様の、いえ、陰陽刀鍛冶玄屋の打った刀が曇ったんです、なにか、きっとなにかあったんだと思ったんです、それがこんな最悪の形で・・・・」
 そう言ってからしばしうつむいた後、夕霧のほうを向き。
「お願いします、夕霧様、手をお貸しください、このお礼はいつか、いつか必ずいたします、ですからどうか、どうかお願いします!」
 夕霧に向かい深々と頭を下げ琴音は懸命に頼んだ。 琴音より夕霧へ
 
97年06月19日:13時14分27秒
夕霧の恐怖 / tomy
「修羅刀が、、、。」
暁雲の言葉を聞いたときに夕霧がまず感じたのは恐怖であった。もちろん修羅刀自体も恐ろしい。だがそれ以上に自分が恐ろしかった。
あの日の魔物は決して消えたわけではなかった。いまだに夕霧の心の奥底で目覚めの時を待っていた。そして、修羅刀はそれを呼び起こすことができる。
そのことを悟った夕霧は、琴音の言葉に応えることもできず、ただ震えるだけだった。
97年06月20日:15時38分13秒
これは間に会わないねえ / 月夢
 さようなら玄屋、君はよくやってくれたよ(笑)、で今回は琴音のほうです。
 
「夕霧様・・・?」
 顔をあげた琴音が一番最初にみたのは凍り付いてしまった夕霧の姿。
「夕霧様・・・・・」
 もう一度声をかけ手を伸ばそうとして、そして途中でやめ唇をかみしめる。
「勝手な申し出すみませんでした、忘れてください」
 琴音は静かにそう言い一つ頭を下げ、夕霧に背を向け部屋の隅の着替えに近寄り、手早く着替えて式札を確認する。
(お父様、お役に立つか分かりませんが琴音が参ります、どうか、どうか・・・・ご無事で)
 玄屋の安否を祈り一人でいく決意をし・・・・それでも震えは止まらないが・・・夕霧の横を抜けて部屋を出た。
 
97年06月21日:11時41分23秒
そうでもないですけど / ジョーカー
 少し時間がずれているので夕霧の方は今現在玄屋の方で
 蜘王が液体を掛けたあたりでしょうか。したがってこの風夜の屋敷が
 裕太の足で一日の距離だとすると30キロぐらい?これくらいの距離ならば
 暁雲が全開で式を打てば2〜3ターンで到着できるでしょう。(笑)
 それどころか奥の手を使えば一瞬で…おっと口が滑った。
 それに向こうもこっちに向かっているし、間に会わないでも無いですよ。
 枯蔦アンド修羅刀もいるし何とかなるのでは?もっとも玄屋の死に様を
 演出したいのなら、わびさびの無いことはしませんが。
 ではとりあえず暁雲の台詞を
 
 琴音が夕霧の脇を抜け、出ていこうとするのを無言で手をかざし押しとどめる暁雲。
 そして凍り付いてしまった夕霧の背中に声を掛ける。
 
 「ひとは大して強いわけではない。じゃから時には逃げてしまうこともある。
 じゃが、逃げてはならん時も、またあるのじゃよ。儂は長い間生きてきて
 それを学んだ。未だに数十年前の事を思い出し、何故あのとき立ち向かわなかったのかと
 悔やむこともある。何度も何度もな。そして決意したのじゃ。
 悔いの残ること、後になって自らを恥じるようなことは決してすまいとな。」
 
 その顔は遠い昔を懐かしむかのように目をつぶっている。
 
 「そうしたら後は楽なもんじゃ。余計なことは考えずに自分の出来る限りを
 尽くせばええ。あるいは勝てないかもしれん。じゃが立ち向かうことこそに
 意味が在るのではないかな?」
 
 ふっと目を開き琴音に目を向ける。
 
 「琴音さんや。玄屋殿が陰陽師であんたはその娘なんじゃろ。
 察するに式で行こうとしておるんじゃろうが、それでは人数は乗せられまい。
 儂にも心得がある。ここは儂に任せてくれ。」
 
 そう言って庭に降りようと障子に手を掛ける。そこで夕霧に背を向けたまま
 ぽつりとつぶやく。
 
 「夕霧さんや。これは独り言なんじゃが…あんたには娘達がおる。
 ならば母としては手本を見せてやらねばな。また一人で支えられぬものは
 二人で、二人で支えられぬものは三人で。互いに互いを助け合うのが
 家族というものじゃ。一人で重荷を背負うだけが生き方ではないぞい。」
 
 「香。お前さんはどうする?儂としては主の精進の度合いを見たいんじゃがのう。
 ま、好きな方を選ぶがええ。定員は空きがあるでな。」
 
 そう言い残すと、式を打つために障子を開け、庭に降りてゆく。
97年06月25日:16時33分24秒
あれ、また止まったね / 月夢
 というか段々分かってきましたが、ここまで来るとみんな相手の出方窺ってなかなか動けなくなってるんだね、誰かが動くとそれに対応するように動くわけだ。
 ところで私は玄屋に死んで欲しいわけじゃないです(笑)ただ流れからまずいかなと思っただけです、ごく自然に演じてくださっていいですよ、結果は後で付いてくる、です。
 で、今回も琴音です、というより今玄屋は逃げるしか行動ないですから、あ、そういえばまだ誰も紹介して貰ってないから琴音は誰の名前も知らないのか、そう考えて演じよう。
 
「お坊様、いいのです」
 暁雲を押し止めて琴音が言う。
「・・・・父は何も語ってくれませんでしたが、母が死ぬ間際に全て教えてくれたのです」
 淡々と静かに琴音が語る。
「なぜ父が私たちと一緒に暮らさないのか、なぜあれだけの技量を持ちながら人を避けるように暮らしているのか・・・・・・そして20年前のこと・・・・夕霧様や・・・・・・静弥様のこと、全て」
 夕霧の横を抜け背を向けてしまっている琴音には夕霧がどんな表情をしているかはみることが出来ない。
「・・・・・夕霧様に望むには余りにも酷なことなのです、私とて同じ立場ならきっと、この場から逃げ出します・・・・それほどのことです、あのようなこと頼んだ私のほうが間違えていたのです」
 琴音は首を振り、庭の中央に進む。
「・・・・・夕霧様、20年前と同じことはもう起こしません、父もそのつもりです、ですから安心して待っていてください」
 
 琴音より夕霧
97年06月25日:17時11分09秒
/ 遅れてすみませーーん(^^;;
「そうですね・・・・・・」
香は呟く。
「僕ならいつでも準備はできていますが・・・・・」
しかし、香の目は夕霧に注がれていた。
気にかかる。皆がこれほど恐れる「修羅刀」という名の
刀が。そして、夕霧の態度が。
頭が痛くなってくる。それを必死に誤魔化しながら、香
は暁雲に言った。
「・・・・僕でよろしければ手伝います。」
97年06月25日:20時10分51秒
また止めててごめんなさい(その2) / tomy
夕霧はしばし、沈黙していた。さまざまな思いが彼女の心の中に、現れては消えていった。
最後に残ったのは、たった2つの思い。一つは後悔。静弥を失った心の空白。もう一つは恐怖。静弥への思いまで失ってしまうことへの絶大なる恐怖。
この2つのてんびんは後者に傾こうとしていた。
だがそこで香の「手伝います。」という言葉が耳に入る。

『もう二度と失いたくない!!』

その瞬間夕霧の心はその思いで満たされた。

「、、、私も行きます。、、いえ行かせて下さい、お願いします。」
夕霧はそう答えた。

夕霧から暁雲へ
97年06月26日:20時32分43秒
で、暁雲を / ジョーカー
 夕霧達のやりとりを背中で聞きながら何事も無かったかのように
 縁側から庭に降り、一人ごちる。
 
 「男と女の関係ほど端で見ていて面白いものはないのう。
 香の奴と夕霧さんか。外見の釣り合いは取れておるな。
 先が楽しみなことじゃて。」
 
 真面目腐った顔で緊張感のない事をつぶやきながら懐をまさぐり、墨と筆を取り出す。
 
 「さて儂と香、夕霧さん、琴音さん……はて?」
 
 玄屋のところに行く人数を数えていた暁雲がふと首を傾げる。
 
 (あの傀儡かもしれん、嬢ちゃん達は行くんかいの?……まあ良いわい
 おなごが二人増えるぐらい屁でもない)
 
 「さて皆、離れておれよ。六人も乗れる式となると相当な大きさになるのでな。」
 
 皆が距離を取ったのを確認すると、気合一閃、筆で宙に
 身長を超える高さの紋様を描く。見ると筆で直接描いているのではない。
 筆の先から墨が飛び、それが壁にぶつかったかのように
 宙に張り付き、紋様の一部を成していく。息を一度吸ってから
 吐くよりも短い時間で書き上げ、次の瞬間思わず耳をふさいでしまうような
 巨大な落雷の音を伴い、式が出現する。それはかなりの大きさを持つ
 風夜の屋敷の庭を軽く埋め、そこらの大ヨロイとは比較にならないほどの
 体躯を持つ式であった。その姿は黒色の筋の入った白い虎をかたどり
 背からは同様に雪色の翼が生えていた。
 
 あまりの大きさに皆しばし呆然としていたが、曲がりなりにも陰陽師の娘である
 琴音があることに気づく。巨大な式を打つにはそれに比例するだけの
 霊力を要するという事を。これほどまでに巨大な式を一人で
 しかも珠を一つも使わずに作り出せる暁雲の凄まじさを。
 一体どれほどの霊力を有しているのか…。静まり返ってしまった
 一同の耳に気楽な声が聞こえる。
 
 「いやはや、久々にでっかい式が打てるので張り切りすぎてしまったようじゃ。
 さ、用意は出来た。乗りたい者は早くせえ、刻は待ってはくれんぞい」
 
 いつの間にか登ったのか、式の頭の上から。 
97年06月26日:21時33分31秒
そりゃそうだわ(^^; / ジョーカー
 レスが早いのう。あ、いかんキャラのしゃべりが写ってしまった。
 と言うことでやります。
 
 
 皆が乗ってくるのを待ちながら、黙考する。
 
 (やはり聞いておいた方がよいか。あまり自発的に動きそうにないしのう)
 
 無造作に風夜の屋敷の屋根よりずっと高い、式の上から飛び降り
 屋敷の中に入り、亜夜と沙夜に声を掛ける。
 
 「お嬢ちゃん達はどうするんじゃ?席は空いておるが。お前さんらの
 親は行くようだが、ここで待っているかね?」
 
 暁雲  亜夜と沙夜に向かって
 
 いかんなあ、書き方が一定していない。誰々から誰々へってのを
 書いたり書かなかったり。一応わかりにくいときはやっているつもりなんだが。
 
97年06月27日:06時05分55秒
亜夜と沙夜の答え、そして、、 / tomy
「お母様が行くなら行きます。」
迷わずに亜夜が答える。

「、、、安全なところまでなら。」
少し考えて沙夜が答える。

「だめ、危険過ぎるわ。」
守るどころか、みずから手にかけてしまうかも知れない。そんな恐怖に駆られた夕霧が叫ぶ。

「そうですか、、。」
亜夜は夕霧の言葉に従おうとする。だがそれを沙夜の言葉が押しとどめる。

「、、私は行くのですから、あなたも来てもらわないと困りますよ、亜夜。」
沈黙する亜夜。沙夜がつづける。

「お母様はおっしゃいましたよね。私達のしたいようにせよと。ですから私は行きます。もしお母様が亡くなられた場合、それを知ることができなければ困ります。それに興味があるのです。お母様から理性的な判断力を奪う修羅刀と、そこの香とおっしゃる男性に。」
一方、行ってはだめという夕霧の言葉と、妹を守って欲しいという夕霧の願いという、相反する使命に亜夜は悩んでいた。そして一つの結論を下す。

「、、、わたしは、、、、、、、、行きます。」


(ふぅ)
夕霧はひそかにため息をついた。娘達が自らの意志で生きてゆく、それを願ってはいたが、その第一歩がこのような死と隣合わせのものになるとは。
だが、ここで思い留まらせれば、娘達は二度と自らの意志で行動することはないだろう。ゆえに連れてゆく以外の選択肢は夕霧には残されていなかった。
97年06月28日:14時54分59秒
暁雲 / ジョーカー
 亜夜と沙夜のやりとりを聞き
 
 (どうやらこれは確定のようじゃの。この年頃の娘にしては
 あまりにも情がない。ただ芽は見える。これからが一番大切な時期じゃの)
 
 「そうか、ならば式に乗るとええ。……よく考えたら、ちと高すぎるか。
 むう、ではこうしよう」
 
 すると庭から式の尻尾が伸びてきて、夕霧や琴音、亜夜と沙夜に絡みつき
 そのまま式の背に運ぶ。暁雲は地面を蹴り軽々と式の背に飛び移る。
 香も同じようにして乗ってくる。
 
 「しっかりと掴まっておれよ。この式はどのような馬、鳥よりも速い。
 半日もあれば中央大陸を横断する事が出来るほどな」
 
 「では風夜殿!我々はしばし出かけて参ります。その坊主をお頼み申す!!」
 
 暁雲は屋敷に向かってそう声を張り上げると式を全速で飛ばす。
 玄屋の庵に向けて……