97年12月02日:13時13分35秒
「銃槍」修羅刀編 / 夜光
  ふふふふふ(^^;すっかりこいつのこと忘れていたぜ、logいくつぶん黙っていたんだろう(^^;
 と言うわけで枯蔦です。無茶な術の使い方したうえに封呪を破られているので霊力枯渇して寝て
 ます(^^;
 
  意識が薄らいでいくのを止めることができない。自分にもてる最高の術をもっても荒ぶる霊を
 鎮めることはできなかった。それ故に反動が体の中を駆けめぐる。内蔵がすべて裏返しにされた
 ようないやな感触を味わいながら、疲労と精神力の限界を超えた今。青年には意識を保つだけの
 力は残されていない。
  青年の意識はやがて闇に飲み込まれていく。
  その傍らでは。再びこの手にした宝物を手放すまいと少女が必死の表情で青年の手を握ってい
 る。心なしかその肩はふるえているように見える。それは涙のためか喜びのためか...
  誰かが近づいてくる。知らない人だ。そして、お兄ちゃんをいじめた人!!
  少女は蜘王の姿を見ると迷うことなく青年の傍らに落ちている銃槍を拾い上げた。ただでさえ、
 巨大な銃槍を少女が持つ姿は痛々しくもあり同時にそれ故に滑稽にさえ見えた。
 「くるな〜」
  かわいらしい声で、そう叫ぶ少女は銃槍の引き金をゆっくりと落とした。
 
 枯蔦と少女 より 蜘王へ
97年12月02日:17時06分06秒
笑い(修羅刀編) / タイガ
 必死の様子で、銃槍をとって自分にむける少女に、蜘王は苦笑いをしながら、
 「なんのつもりかは判るが……、止めておいたほうが良いぞ。
  それに俺は今こいつを殺すつもりはない」
  
 元金剛機狩り「蜘王」より枯蔦と少女へ
 
 引き金……、銃槍って引き金を落とすようになってるの?
 撃鉄を落とすって表現は聞いたことがあるような気がするけど……。
97年12月03日:12時18分46秒
「少女」修羅刀編 / 夜光
  この子たちのことを忘れていたので時系列は少しおかしくなりますけど。大丈夫かな?(^^;
 現在は封印が被さった状態なのでさほどではないのですが。実は枯蔦より少女の方がデータ的に
 は強いらしい(^^;そして、この書き込みは冥道が閉ざされる前のものです(^^;
 
 「なんのつもりかは判るが……、止めておいたほうが良いぞ。
  それに俺は今こいつを殺すつもりはない」
  そんなことは信じられない。この人はお兄ちゃんをいじめた悪い人だもの。
  少女は首を必死で左右に振り、蜘王がお兄ちゃんにに近づかないように牽制する。
 「やだ」
  決死の覚悟で蜘王の前に立ちふさがる少女。傍目には風に吹き消される蝋燭の火よりも簡単に
 消えてしまう用に見えた。
 
 (それでいいのですか?)
  聞こえるはずのない声が聞こえる。
 (利用されたり、捨てられたり、殺されたり、そんなことばかりで全てを終わらせるのですか?)
  それは思い出したくない記憶にふれてくる。
 (やるべきことがあるのでしょう?まだ終われないのでしょう?物わかりよく今を受け入れますか?鬼の宿命?あなたを救わないない宿命
 に何の意義が?)
  鬼なんてしらない、宿命なんて知らない。なんでこんあ声が聞こえてくるの!?
 (あなたの痛みと苦しみをわからせてやる必要がまだあるのです)
  もう、人を傷つけるのはいや!!
  思い出したくない記憶が心を砕くほどの凍てついた恐怖が吹き荒れる。
 (それでいいのです、さあ手を伸ばしなさい、あなたなら感じるでしょう?目の前の冥道よりこぼれ落ちる力を、あなたと同じ、苦しみ、
 憎む心地よい気の流れを、それを取り込みなさい)
  決めたの、お兄ちゃんと一緒にずっと遊ぶんだって。お兄ちゃんと一緒なら優しくなれるんだって。
 (さあ、迷うことはありません、目の前の者たちは危険です、今のあなたでは負けてしまうかも知れません)
  お兄ちゃんがけがするくらいに強い。今の私じゃ助けられない?
 (落ちつきなさい、今はだけです、今のあなたはしばらく戦場より離れていたせいで力が落ちています、それを回復させるのに時間が必要
 なのです、ですから今は生き延びねばなりません、泥を啜り、人の血肉を食らいても生き延び、最後にあなたが勝たねばならないのです、
 そうでしょう?あなたはここで消える訳には行かないのでしょう?)
  うん、そうだね。
 (悩むことはありません、目の前の力を受け入れ、それで一時この場を離れなさい、あなたには復讐を果たす最高の舞台を用意します、そ
 して最高の力を手にれるお手伝いもね)
  少女の瞳がうつろに翳る。その言葉は少女にかけられたものではないというのに。
 (さあ、迷うことはありません、それがあなたの最良の選択支です)
  開いた冥界への入り口から凶悪な何かがやってくる。それはとても近しい何かににていた。自分もかつてはその一部にしかすぎなかった
 忘れていたい記憶が。死をもたらす黒い陰がそっと忍びよろうとしていた。
  大丈夫。お兄ちゃん『だけ』は大丈夫だから.....
 (刃夜。だめ、もう一度もどったらかえってこれないよ!)
  心の中に眠るもう一人の自分が声をかける。
 (鎮陽、お兄ちゃんはいっぱい大切なものをくれたんだもん。今度は私があげるばんだよ)
  そう言葉を手繰れる少女が言う。
 (けど...)
  心配そうに心を伝える少女。
 (大丈夫。お兄ちゃんが生きていればきっと帰ってこられるよ)
  無邪気などこまでも透明な優しさをまといながら少女はそういう。
  それと同時にその体から修羅刀に勝るとも劣らない妖気が吹き出し始めていた。
 
 枯蔦のつれている少女 刃夜 より 元金剛機狩 蜘王へ
97年12月06日:08時47分34秒
覚醒(修羅刀編) / タイガ
 こっちを止めてたね、すみません。
 では、
 
 額を割って、角がせり出してくる。
 (修羅だ、殺せ、殺せ、早く殺させろぉっ)
 (馬鹿言うな、この娘はまだ修羅なんかじゃねぇぞ)
 (時間の問題さ、てめぇの親父と、おんなじじゃねぇか)
 自分をにらむ少女に視線をやる。
 奇妙な気配を纏い、不可思議な「力」を感じさせる。
 それは、確かに彼の父親と、修羅と化した父親と近しいものだった。
 だが……、まだ、修羅ではない。
 父と違い、守ろうとした者に刃を向けるような狂気は……まだ無い。
 (なおさら……、この娘を修羅にするわけにはいかねぇよ)
 (うるせ……)
 ふいに声が静まる。
 (どうした?)
 風が吹いている、緩やかな、しかし冷たいどこか不快な風が。
 指先が凍えたときのようにちりちりと痛い。
 だが、頭の奥は凍るように冷たい。
 その感覚には覚えがあった、修羅を、金剛機を殺すたびに感じていたものだ。
 と、視界の隅で、草が、木が、音を立てて、しおれ枯れていく。
 (そうか、そういうことか……)
 彼は悟った。
 自分が何を作り出したかを、自分がいかに間違っていたかを。
 (救うつもりで、何もかも滅ぼすものを作っていたのか)
 少女に声をかける。
 「礼を言うぜ、おまえのおかげで判ったようなもんだな。
  守る者のために力を使い、あるいは求めるのも悪くねぇが、
 飲まれねぇように気をつけな。
 飲まれて、修羅になったら、何もかもなくなるぜ。
 ほかの誰でもねぇ、てめぇ自身のせいでな。
 俺の……親父がそうだった。
 それに」
 自分の頭を軽くたたき、
 「こいつが……、あんたを食らいにくるぜ」
 ゆっくりときびすを返し、そのまま、歩き去っていく。
 (なあ、鱗麗よ、ほんと、何が起こるかわからねぇよな。
  修羅を、その魂を食っちまう蟲だぜ。
  ほんと、何が起こるか判らねぇもんだよな……)
 
 元金剛機狩り「蜘王」より刃夜へ
 
 ちなみに風ってのは冥道からくるものです。
97年12月09日:13時19分42秒
「少女」修羅刀編 / 夜光
  大きな黒い流れに身を任せている少女には蜘王の声は届いていなかった。少女の心を占めるのはただ一つのこと
 それ以外はなにも考えてはいない。いやそれ以外のことを少しでも考えたのならば激流の中に意識を消されてしま
 う。
  ただ、蜘王がきびすを返し去ったのは理解できた。今少しの間だけは『お兄ちゃん』に危害を加える人はいない
 と。
 (鎮陽。ごめん休ませてね)
  もう一人の自分に話しかける。
 (刃夜、ご苦労様。ゆっくり休むんだよ。お兄ちゃんが起きたときに一緒にいられるように)
  少女の体を包んでいた妖気が次第に収まっていく。そして、同時に空気が澄み渡っていくのを感じる。
  鬼の姿をした怖い人が刀をふるったのはそのときだった。
  冥道が前触れもなく突然閉じた。
 (私も刃夜みたいな力が使えれば....)
  心の中にわき起こる不安をうち消すようにそのたおやかな首を左右に振った。
 
  少女 鎮陽と刃夜