97年11月23日:22時57分44秒
炎(修羅刀編) / ジョーカー
 燐光と共に典烈の魂が消滅する。
 
 「おいおい、ひでぇことするなぁ」
 
 炎がそんなことを言う。魂を消し去ったことをか?
 いやいやそんな些細な事にどうこう言うような男ではない。
 その理由は炎の右腕が実体化していくに従って知れた。
 鱗麗の放った燐光は魂を消し去った。だがその魂は炎の霊体化した手に
 握られていたのだ。当然腕も余波を受ける。炎の腕は肘の先からもぎ取られたように
 消えていた。だが奇妙なことに生々しい傷口からは血が流れない。
 それどころか見ている内に切断面が盛り上がり、新たな腕と成っていく。
 これ程までの再生力を有しているというのに、滅光と最初に刃を交えたときに
 受けた、左目を通る傷は未だに塞がっていない。傷を付けた者の腕か
 それとも炎なりの意図があるのか。
 
 「お前さんの気配、覚えがあるな。あの時抑え込んだ奴か」
 
 完全に再生を終えた右腕を軽く振りながら鱗麗に向かって話し掛ける。
 
 「あんたに礼を言われる筋合いはないね。あんたのためにやった訳じゃねぇ」
 
 つまらなそうな口調でそう言う。
 
 「“あんた達”は融合していないんだな。“俺達”と違って」
 
 それは事情を知らぬ者には奇妙な会話だっただろう。
 どちらも話している者、話掛けられている者は一人しかいないのだから。
 
 炎  鱗麗、怨麗、夕霧に向かって
97年11月25日:19時26分09秒
鱗麗(修羅刀編) / tomy
「これはすまなかったな。」
手を壊しておいて、全く悪びれずに鱗麗が言う。
そして、もう一つの話題に触れる。

「それと、われらは一つにはなれぬよ。相反する目的を持つもの達が、一つになれるわけあるまい。例えその道のりが九分まで同じであろうとな。」

鱗麗から炎へ
97年11月28日:00時30分31秒
炎(修羅刀編) / ジョーカー
 「相反する目的を持った者同士が何故、一つの身体に宿っているのかが
 俺には不思議なんだがね」
 
 合点の行かない顔をしていた炎だったが不意に軽く頷く。
 
 「そう言えば、さっき『させられて』と言ったな。さしずめそれが原因か。
 しかし龍を人にだか、人を龍にだか知らんがそんな真似が出来るとなると…
 ま、『連中』しかいないだろうな。親父でも出来るだろうが腐ってもやりそうにねぇし」
 
 その「親父」はと言うと、森の中で出会った傀儡曰く「夕霧お母様」と
 なにやら話をしている。
 
 「無理矢理同居させられているのが嫌なら親父に頼んでみたらどうだ。
 はっきり言って女に弱いからな。特に別嬪さんにゃ。封じたのが『連中』だとしても
 親父なら解けるだろう。それだけの力はあるはずだからな」
 
 相手が自分と同じ、人と妖の共生体だからだろうか。
 やけに親切な炎だった。
 
 炎  鱗麗、怨麗に向かって
97年11月28日:18時48分04秒
鱗麗(修羅刀編) / tomy
「そういうわけにもゆかぬ。なにしろ“命”が一つしかない故な。」
炎に言葉を返す鱗麗。

「『親父』とやらは怨麗の方に同情しておるようだし、あやつが死ぬような選択はできまい。かといって、新たに“命”を作り出すなど、現在の龍脈の状態ではとても無理というものよ。まあ“命”をくれるなどという、すいきょうなものでもおらぬ限り、その方法は選べぬわ。」

鱗麗から炎へ

あ、そうそう、龍王の『神珠』は『龍珠』って呼ぶ事にしませんか?語呂もいいし。
97年12月01日:13時40分43秒
「鬼心刀」修羅刀編 / 夜光

 「命がもう一つあれば別れられるのかい?」
  その言葉は優しかった。
  その言葉は悲しかった。
  その言葉は冷たくけれど暖かかった。
  そしてその声はどこかで聞いた声に似ていた。
  長年共に生きてきた....あの鬼の....鋼鉄の固まりの肉体を持つ...
 よく知っている者の声ににていた。
 
 「鬼神」滅光  より  "麗"へ 
 
 
97年12月02日:17時10分38秒
怨麗と鱗麗(修羅刀編) / tomy
>麗って一つの身体に二つの魂が宿っているんじゃないの?
>身体が一つしかないってのは分からないでもないけど
>命が一つしかないってのは?

壬元麗が双角の回想シーンの倒れた場面で死んでるからです。
じゃあ、怨麗は何者かというと、、実は壬元麗の魂の一部と壬元麗と記憶を共有する敖麗の影と神降ろしの封印の融合した存在です。


「命がもう一つあれば別れられるのかい?」

「くっ」
鱗麗がうめく。
懐かしい声に怨麗の支配力が増す。この危険な相手の前だというのに。
全霊を込めて、怨麗を押さえながら、かろうじて鱗麗が応える。

「、、ああ、そのとおり。」
だが、それもいつまで押さえていられるだろうか。

鱗麗から「鬼神」滅光へ

ちなみに、怨麗は意志力特級で気合いが使え、鱗麗は心力は無茶苦茶高いものの気合いは使えません。
97年12月03日:11時42分42秒
「オニ」修羅刀編 / 夜光
  心珠を回収した以上。滅光がここにいつまでも残る理由はないのだけれども。滅光のうちに
 取り込まれた双角はまだ用事があるでしょうね....
 
 「、、ああ、そのとおり」
  一目見るだけでわかる。二つの意志が一つの体の中で暴れかけているのが。
  その姿に満足げな笑みを浮かべるとそっと手をさしのべた。"麗"に向かって。
 「お前が望むなら命を一つやろう」
  その手がそっと開かれる。そこには鋼でよろわれた球体が存在した。
 「ここにあるのは一人のオニの魂。一人のオニの命そのもの。」
  それは失われたはずのもの、もう二度と巡り会えるはずのない人の残滓。
 「肉をつくりこれを与えれば生命を呼び戻すこともできよう」
  その瞳は狂的な輝きを帯び、その声には深い慈悲が宿る。そしてそこにあるというだけで
 圧倒的な存在感を与える。気を抜けばひざまずいてしまいたいほど、そしてすべてを捨てて
 死を選びたくなるほど。
 「けれど、その命も体もオニのもの。それを我がものとするならば鬼の宿命を受け入れねば
 ならぬ」
  その声は冷徹な陰陽師を思い浮かばせる。
 「選ぶのは汝らだ」
  とてつもない不安と同時に希望と安堵を感じさせる笑みをその口の端にのせて。
 
 「鬼神」滅光 より "麗"へ
97年12月09日:06時03分31秒
怨麗と鱗麗(修羅刀編) / tomy
また止めてましたぁ。しかもこの先一週間書き込み不能です(;;)
ともかくまとめていきます。


「けれど、その命も体もオニのもの。それを我がものとするならば鬼の宿命を受け入れねばならぬ」

「選ぶのは汝らだ」


「だ、そうだ。どうするな、怨麗?」
鱗麗は最後に意地悪な笑みを浮かべると、怨麗に意識の主導権をを譲る。もとより天羅の管理者の一員である鱗麗に異存はない。問題は怨麗が受け入れられるかどうかと言うこと。
怨麗の意識が面に現れるとともに、肉体も人のものと変じる。化身ではなく、わざわざ肉体の元素変換まで行なっている様だ。

「、、、双角、いえ、ツォー・クーと2人ならば、その道も選べたかも知れない。」
ためらいがちに、答えを返す怨麗。

「でも、、ただ一人生き残って、いったい何の意味があるというの?私にはもう残されていないのよ、私達の運命を狂わせた者達への復讐しか。」
そのためには鬼の宿命を受け入れることはできない。なぜならその復讐は天羅を業火に巻き込む事になるかも知れないのだから。

怨麗、鱗麗から「鬼神」滅光へ

というわけで、やっと怨麗の“目的”が判明しました。実は『神宮への復讐』などという無茶苦茶なものだったんですねえ(^^;
97年12月09日:14時28分24秒
「狂笑」修羅刀編 / 夜光
  もっとむちゃくちゃな目的で行動しているこいつには怨麗を責める資格なんか壱ミクロンも存在してない(爆)
 さて、如何に鬼神といえどもそろそろパワーの限界が近いかも。奇跡を一つ起こして見せましょう。
 
 「くっくっくっく...はっはっはっはっはっは...あーははははははは」
  はじめは静かに次第に激しく、最後に狂ったように笑い声をこだまさせる。
 「なるほど、もう決めたわけだ」
  そういう間ものどの奥から笑い声が漏れてくる。よほど楽しいことを聴いたと思っているらしい。
 「何百年かぶりにいい言霊を聴いた。おまえの意志は崩れないだろうな」
  それは問いかけるような。事実を確認するようなそんな声だった。
 「餞別をやろう」
  その手に握りこまれていた鋼に無数のひびが入る。そして次の瞬間には中身が丸見えになっていた。
 けれどもそれもほんのつかの間。次の瞬間にはみたことのある人が目の前に現れる。
 「一人では寂しいだろう?共にでもつれていくがいい....」
  その声はどこか遠くから響いて存在を感じさせない。
  
  「鬼神」滅光 より 怨麗へ