97年10月09日:23時39分18秒
暁雲(修羅刀編) / ジョーカー
 この地の地脈は殆ど枯渇に近い状態にある。そのことに気付いたときは
 もう遅かった。大地が身震いを始め、常人には立つことすら
 不可能なほどの状態になる。だが暁雲は激しい揺れにも関わらず
 微動だにしない。よく注意していれば分かっただろう。
 暁雲の両脚は地面より僅かながら浮いていた。しかしこの状況下で
 それに気付くほどの余裕のあるものはいなかった。
 
 暁雲が平気だとしても琴音、そして消耗の激しい枯蔦はそうもいかない。
 琴音は地に伏し、枯蔦は印は解けていないものの今にも危険な状態だ。
 そして何よりも修羅刀より漏れだした“もの”は地の揺れなど関係がないのだ。
 
 「取り合えず、掬い上げねばの」
 
 霊力の奔流は片手で支え、早打ちで式を二つ打つ。
 船のような形をした一つは地面から浮かび上がり、暁雲と琴音を揺れから
 保護する。もう一つは枯蔦の為のものだが陣の外側から打ったところで
 式が通り抜けられないだろう。小技を使い、陣の内側で実体化させる。
 それは奇しくも枯蔦の翼に酷似しており、背中にへばりつき
 枯蔦を宙に浮かばせた。
 
 「これでよし。では大地の怒りを鎮めねばな」
 
 事も無げに言うと、みたび結界を組み替える。光を放つだけだった木々が
 その光を天へと伸ばす。その光は雲の高さまで届き、遠く離れたところからも
 容易に見て取れた。また封呪に必要な霊力は一時的に
 暁雲自身のもので補い、地脈より引き出した霊力の余剰分を
 地に返す。そして夕霧達のところにいる式を操る。
 この三つの作業を並行して行う。
 地に返した分の霊力で揺れが少し治まる。だが本来の地脈の含有霊力に
 比べれば欠片のようなもの。到底足りない。だがそこで組み替えた結界が
 生きてくる。地には地の龍脈。天には天の龍脈がある。
 地の龍脈にはそこに住む者達の影響で枯れたり、逆に豊かになったりもする。
 だが天の龍脈は基本的にどこであっても均一である。天に果ては無いからだ。
 その天の龍脈を一時的に地の龍脈につなげ、枯渇状態を回復させようというのが
 暁雲の目論見だった。
 
 「じゃがこりゃ大変じゃのう。修羅刀の件を片付けたら、この地で
 何故ここまで地脈が枯れているのかを突き止めねばならんの」
 
 暁雲のやろうとしていることはあくまでも応急処置に過ぎない。
 枯れた原因を突き止めない限り、二度三度とこのようなことが起きるだろう。
 そう思い、暁雲はぼやきを漏らした。
 
 暁雲
 
 とんでもないことをやっていますが<妖術>特級と言うことで
 どうか勘弁して下さい。(^^;ただ、今思ったんだけどこの莫大な霊力の影響で
 時空が歪んで滅光が戻ってきたりして。(汗)
97年10月15日:17時28分41秒
いきなり・・・(修羅刀編) / 月夢
 続いて琴音。
 
「え・・・?」
 目の前のことに没頭していた琴音がその紗に気付いたのはすぐそばに来たときだった。
 近づく紗の感覚は二つ、琴音は急いで振り向く、もっとももしこれが戦場ならばとっくに琴音の命はなくなっていただろうが。
「あ・・・」
 経験不足ゆえに一拍子ずつずれる琴音の横をすり抜けて誰かが枯蔦へ飛びつく、
「駄目で・・」
 遅れながらも制止の言葉を投げかけようとする琴音は途中で言葉を切る、一つは、なんの抵抗もなくその人影が枯蔦のもとへいけたこと、もう一つはその姿が少女だったことに驚いて。
(・・・・・・あ)
 しばしの思考時間をおいて、よくも悪くも陰陽師として育てられた琴音は理屈で考えていき、答えに行き着く。
「すっかり忘れていました・・・」
 元々の琴音の目的が目の前の少女を捜すことだったのだ。
(でも、無事で良かったです・・・が)
 目の前の二人が会えたことにほっとしたのもつかの間、琴音は気を引き締める、修羅刀は限界ぎりぎりの所にある、どんな理由であれ、一瞬でも気が緩めば。
(きますか)
 袖に手をいれ、琴音が式札を握りしめる。
 枯蔦、暁雲の助力をこの場で当てにするのは厳しいだろう、最低自分の身だけでも護らねばならない、そう覚悟決める琴音の前に一人の男性がおりてくる。
「まずは私がお相手しましょう」
 そう宣言すると修羅刀と対峙して美しい調べを奏でる。
「え・・・あの・・・どうなっているのでしょうか?」
 思わず暁雲を見てしまう琴音だった。
 
 琴音から暁雲、炎へ 
97年10月15日:23時13分01秒
鱗麗到着(修羅刀編) / tomy
(見エテキタナ。ドウヤラ、アヤツラノ様ダ)
先ほど地から霊力を引き出し、今度は天の龍脈から霊力を下ろそうとしている愚か者と、その仲間とおぼしき者達の姿を鱗麗はその目にとらえた。
そして、その者達の元に降り立つ。

「愚カ者ドモ!天地ノ理(ことわり)ヲ知ラヌノカ!?タトエ小量デモ、ソノヨウニ急激ニ“力”ヲ集メレバ、天ハ乱レル。天ガ乱レレバ地ハ荒レ、地ノ“力”ハマスマス枯レルトイウノガ分カランカ!?」

鱗麗から暁雲達へ


「、、『炎』トヤラ、貴様ハモウ少シ賢イト思ッテイタガナ。」

鱗麗から炎へ
97年10月16日:04時51分48秒
暁雲、炎(修羅刀編) / ジョーカー
 龍脈の制御と封呪の霊力供給、式の制御の三つを同時に行うことすら
 至難の業だというのに修羅刀から吹き出したもの、恐らくは修羅の集合体が
 近付いてくる。隣にいる琴音は結界を張ってあるから平気だとしても
 一番問題なのは暁雲だった。
 
 (まずいな、このままだと干渉される。下手すると龍脈が暴走するやもしれん。
 かといって本性を露わにしたら…うむ。修羅刀程にはならんが
 それでもこの場にいる者は狂死するやも)
 
 そんな暁雲の葛藤を嘲笑うかのように修羅達はにじり寄ってくる。
 
 (手詰まりじゃな、やむを得ぬか?)
 
 大事にならない程度に化身するも仕方がないかと覚悟し掛けたその時。
 一人の男が目の前に舞い降りてくる。三十と数年の年月を経ても
 男の姿は変わらない。暁雲も変わらない。双方共に永劫を歩む者故。
 炎は宣戦布告をすると笛を口に当て旋律を紡ぎ出す。
 暁雲の記憶に残るこの調べは鎮魂の調べ。炎が亡き想い人を
 偲んで創り、よく奏でていたものだった。
 
 「まだ、忘れられないか…」
 
 炎の過去を知る男は悲しみを声に乗せる。
 
 「え・・・あの・・・どうなっているのでしょうか?」
 
 そこに琴音の面食らったような声が聞こえる。
 弟子が修羅刀の相手をしてくれると言うのなら…言葉を返す余裕も生まれる。
 
 「正直言って儂にもよく分からん。ただ一つ言えることはこの目の前で
 笛を吹いている男は儂の弟子じゃ。三十年ばかり会っておらんかったがな。
 儂の式でこちらに飛んできた時、森が詠っているのを聞いたじゃろ?
 こいつの仕業よ。こと技芸に関しては誰の追随も許さぬこいつのな」
 
 顎をしゃくり炎を指し示す。
 
 「もっとも今何という名を名乗っているのかは儂も知らんがな」
 
 背を向け笛を吹き続ける炎から返事が返る。笛の音が絶えぬまま。
 
 「今は炎って名乗っているよ。久しぶりだな親父。初めましてお嬢ちゃん」
 
 「色々あってな。とりあえずこいつの相手は引き受けよう。
 っと、余計な奴らまで来やがった」
 
 空を仰ぐと一体の龍神が降り来たり、暁雲達を怒鳴りつける。
 その濃密な妖気に反応して琴音に施した結界が作動し琴音を妖気から保護する。
 それを横目で確認しつつ暁雲は龍神、鱗麗に向かって話し掛ける。
 
 「小僧、龍脈より力を引き出すことを愚かと言うのなら愚か者共ではない。
 やっているのは儂じゃ。それに天地の理?そんな物はとうに心得ているわい。
 じゃがのう、天と地の均衡を欠いている状態で修羅刀がここにあるというのは
 引き出すことよりなお悪い。早急に戻さねばならんのよ。
 もう既にこの辺り一帯の空間が歪んでおるのに気付いておるか?
 そいつをお主が何とか出来るというのなら、地脈の回復を
 自然に任せてもよいのじゃがな」
 
 齢を幾ら重ねているのかも分からない龍神を平然と小僧呼ばわりする暁雲。
 それは虚勢ではなく見栄でもなく。極当然のように口にしていた。
 
 炎は鱗麗の言葉には何も返さずただ笛を吹き続けている。
 ここは暁雲に任せるつもりのようだ。
 
 暁雲、炎  琴音 鱗麗に向かって
97年10月16日:05時50分20秒
鱗麗(修羅刀編) / tomy
「呆レタナ。龍脈ヲ限界マデ酷使シタ“力”ガ何ニ使ワレテオルカ、想像モデキナンダカ?モシ万一、龍脈カラ地ノ底ノ結界ヘ流レ込ム霊力ガ断タレレバ、コノ大地ハ滅ビルゾ、ソコノ修羅刀ナドヨリ、ズット確実ニナ。」侮蔑したように続ける。

「大局ヲ見ル事ガデキヌノニ、分不相応ナ力ヲ使ウ事コソ愚カヨ。ソレニ、、。」
そこで一旦止める。

「貴様モ分カッテオロウガ。空間ノ歪ミヲ正スナラ霊力ヲ注ギ込ムヨリ、断ッタ方ガ確実ダト。」

鱗麗から暁雲へ
97年10月16日:09時49分43秒
イニシアチブを取られっぱなし(修羅刀編) / ジョーカー
だから暁雲はボロボロに言い負かされてる。(笑)
なんやねん、地の底の結界って。
うぬれ、宵闇並みかそれ以上の齢を重ねている暁雲が知らんとは(笑)
大体何故に地脈が枯れているんだ?
97年10月16日:13時54分56秒
つい最近のことですからねぇ(修羅刀編) / tomy
といっても30年ほど前からのことだけど。それでも現場にいなかった暁雲の耳には届かなかったでしょう。妖や怨霊でもないから感じ取れなかっただろうし。
97年10月16日:16時41分39秒
ヘ?(修羅刀編) / ジョーカー
>妖や怨霊でもないから感じ取れなかっただろうし。

齢数百年を軽く超えている暁雲は妖以外の何者でもないのですが。
元が人間だっただけで。
97年10月16日:17時26分22秒
ジョーカーさんちゃいます(修羅刀編) / tomy
誤解を招く書き方をしちゃいましたが、“感じとるべき対象が”妖や怨霊じゃないんです。いくら暁雲が妖でも、そんなものを感知できないでしょう?
97年10月16日:17時34分56秒
修羅刀編 / ジョーカー
>いくら暁雲が妖でも、そんなものを感知できないでしょう?

一言。妖術<特級>
まあ、いいや滅多に(大きな)力使わないから気が付かなかったんでしょう。
となると何で鱗麗が知っているのかってことになるけど
そういう設定なんだろうなあ。
97年10月16日:18時18分41秒
解説(修羅刀編) / tomy
妖術<特級>で感知できたとしても“感じとるべき対象が”は当たり前に存在するものですし、結界が張られた時点ではその性質は特殊ではありませんでしたから。
それに比べればまだ修羅刀の方がずっと感知しやすかったはずです。
あと結界は神術で張られており、その波動はほぼ完璧に隠蔽されています。
鱗麗は単にその場面を“視ていた”にすぎません。
97年10月17日:02時24分04秒
ちょっと提案(修羅刀編) / 月夢
 全体に関わるネタは早めに提示したほうがいいかも知れない。
 今回の龍脈枯渇の前にも、私がちゃんと決めずに修羅刀回りの事件がはっきりしなくてやりにくかったような記憶がある。
 キャラが知ってるかどうかじゃなくて、大きめな事件は全貌じゃなくていいから最低限の事柄は早めに書いた方が良いと思う。
97年10月17日:03時00分38秒
提案(修羅刀編+妖編) / 月夢
 待つだけじゃなくて、必要で知って起きたい情報があったら、積極的にきくことも必要かも知れない。
 これこれの情報教えてくださいってっていってみて、設定を作った側が教えられる範囲まで公開するようなやり方確立した方がテンポ良く進むのじゃないかな?
97年10月17日:04時04分00秒
賛成ですね / ハリ=ハラ
 そうですね。
 そうすれば描写のときなども、食い違ったりせずにすみますし。
 今後変化が有りそうならば、ある程度決まっている所まででもいいでしょうしね。
97年10月17日:08時32分28秒
解説2(修羅刀編) / tomy
ではさっそくネタバラシです。
結界が封じているのは龍脈自身です。破れれば決壊したダムのように龍脈の流れているところに破滅的な被害をもたらします。やったのは神宮寺の誰かです。
麗の母親であり龍脈を司る竜王敖那魅(ごう なみ)ならばなおせるのですが、那魅は麗を生み出した直後に神宮寺の誰かに封印されています。那魅とつながっている麗はその場面の一部始終を目撃しています。
弱点に関わることなので神宮寺の思う壷だとわかっていても麗は結界を守らざるを得ません。
97年10月17日:22時14分14秒
えーっと(修羅刀編) / ジョーカー
 龍脈を封じている結界はその維持コストに莫大な霊力を要求するために
 地脈(地の龍脈)からその分の霊力が引き出され、枯れたと解釈すればいいのかな?
 長年封じられていたために、結界が破れると押さえつけられていた龍脈が
 暴走すると。で、それを鎮めるにはどこかに神宮家の手で封印された
 竜王を探し出さなければならないと。
 
 ………たとえ結界が神術で隠蔽されていようが、そんだけの莫大な霊力が
 流れ込むのだとしたらバレバレな気がするがなあ。
 ただでさえ妖術ってのは神術とほぼ同等の効果を持つんだから。
 それから龍脈が封じられていると言ってもそれは大部分ではあるけど
 全部じゃないでしょうね。完璧に龍脈が封じられていたら
 地が荒れるどころでは到底済まないだろうから。で、残っていた地脈を流れる
 霊力が結界の維持に消費され、枯渇したと。
 
 ところで修羅刀よりもやばい存在というのを設定してしまうと
 ますます修羅刀の意義が軽んじられてしまうのでは?
97年10月17日:23時04分25秒
暁雲(修羅刀編) / ジョーカー
 何とも見下した言い方だが嘘を言っているようでもない。
 
 「ならば、仕方あるまい」
 
 龍脈への干渉をひとまず中止する。すると結界の端子として
 機能していた木々も発光を止め、周囲には再び闇が勢力を盛り返す。
 同時に封呪と森のつながりが復活し、霊力の供給源が暁雲から
 森へと引き継がれる。大地の鳴動は止まってはいないが
 立つことすら困難という程ではなくなっている。
 
 「空間の歪みを正すために地脈から引き出していたのではない。
 修羅刀を封ずるためにじゃ。断ったところで修羅刀がある限り
 歪み続ける。それでは解決にならんのじゃよ」
 
 鱗麗を見据え、暁雲は言葉を続ける。
 
 「それより気になることを言うたの。聞かせてもらうぞい」
 
 鱗麗には暁雲の目が光を放ったように見えた……
 
 次の瞬間、鱗麗は白いもやの立ちこめる場所にいることに
 気が付いた。背にしがみついていたあの男はいない。
 笛を吹いていた男、修羅刀、その前にいた男、それに抱きついていた少女。
 その少女よりは年上のような娘も全ていない。
 
 ただ龍脈に手を出していた初老の男だけがいる。
 
 「悠長に話している場合ではないのでな、心をつなげさせてもらった。
 ここなら千の言葉でもほんの僅かな間に交わせる。
 さあ、教えてくれ。地の底の結界とやらのこと、地脈が枯れた理由をな」
 
 暁雲  鱗麗に向かって
97年10月18日:03時44分47秒
しばし休憩(修羅刀編) / 月夢
 ごめんね、tomyさん仕事増やして、設定のほとんどお一人に任せてますからね。
 それからこれは国設定は一から作ったほうがいいかも知れませんね、これだけ大がかりなものですからね。
 で、ついて行けないレベルになってしまったので(笑)琴音は沈黙します。
 
 強力な力を持つ法師、上空から来た龍、その会話内容は並ではない、
(私が思っている以上におおごとだということですか)
 龍脈に関わる力など、知識はあっても人間のレベルで使えるものではない。
(暁雲様もただのお人ではないですね・・・)
 さきほどの30年という年数も引っかかっている。
(敵であるかどうかではなく・・)
 いろんな意味で納得の行かないところがある、理屈がつい先走らせてものを考えるのは陰陽師思考の悪い点であろう。
(どっちにしても私に手出しのできるものではありませんし、静観させていただくしかありませんね)
 
 琴音
97年10月18日:12時24分05秒
説明&解説(修羅刀編) / tomy
えっと、ジョーカーさん、暁雲って元神宮家のエージェントだったとかいうことはないですよね。(^^;)
一応そうでないと仮定して解説を進めます。
私が思うに、紗の理解(特に構造面での)という点では、神術の方が優れていると思うんですよ。妖術とはいえ、紗を介して行なわれる以上、紗そのものが何であるかは経験即からしかわかりませんが、神術はそうでないと。
当たり前に存在する“感じとるべき対象”、すなわち紗そのものが教えることを拒否しようとするなら、能動的に紗に命令せずに気付くことはできないんじゃないでしょうか。

P.S.ところで暁雲動き過ぎじゃないですか?便利なキャラクターはなるべき動かない方がいいと思うんですけど。そうでないと他の人の見せ場(ピンチ)を奪ってしまうような(^^;)
97年10月18日:12時59分45秒
っておんなじやん(^^;) / tomy
下のは『質問&解説』です。
97年10月18日:13時15分13秒
修羅刀編について / tomy
>ところで修羅刀よりもやばい存在というのを設定してしまうと

>ますます修羅刀の意義が軽んじられてしまうのでは?

あ、やっぱりそう思いますか?でも、どうしても神宮家が修羅刀に係わろうとする理由が欲しかったんですよね。ただ単に、戦乱を起こすだけなら修羅刀に頼るのはリスクが大きい上に不確実ですから。
でも神宮家が求めているのが戦乱ではなく“血”なら修羅刀はうってつけではないかと(ちょっと前の書き込み《『今後の展開の予想』》と矛盾してますけど、かんべんしてください。m(__)m あれ公式なものじゃないですし)。ですから戦乱を起こしたくない理由を設定してみました。
戦乱が起こると地が荒れてせっかく作った龍脈ダムが壊れる。でもその国が安泰で肥え太るのは嫌だと(^^;)

修羅刀の意義については、、どうしましょ?(苦笑)龍脈の話しは修羅刀と違って直接的な危険じゃありませんから、関係ない人にとっては関係ないんですが。
いっそ二手にわかれるというのも手かもしれませんね。龍脈に関われるようなオーバーレベルな人達を修羅刀編外伝『龍の章』に追いやれば琴音や沙夜にも活躍の余地が!?(おいおい)
97年10月18日:15時55分36秒
鱗麗の過去(修羅刀編) / tomy
「ふっ、よかろう」
冷笑の態度を崩さず、鱗麗が答える。“力”を使うまでもなく鱗麗の意志を持ってすれば、男を追い出す事も可能だったが、鱗麗はそれを『視せる』ことにした。

暁雲の脳裏にフラッシュバックのように高速でその情景が映し出される。
地の底に横たわる竜王。その側で眠る赤子。
ふとどこからともなく“門”が現れる。

「これはこれは。次代の竜王の御生誕に同席できるとは望外の喜びですな。」
その言葉とともに“門”から男が姿を現す。

「この地の龍脈の中心部を探しておったのですが、大地の高まりと、それに反する地力の減少が計測されましてな。ここを割り出すのもそう難しいことではありませんでしたよ。」
そう言うと、男は笑みを浮かべる。
外見からは男の出身も身分も年齢すら特定することが出来ない。それほどその男の人相風体には全く特徴がない。その顔に浮かべる作りものめいた笑みを除いて、、いや、違う。それはまさに作りもの、非常に精巧にできた“面”であった。人間ならば気付けぬほどの。

「上の方が嫌うのですよ。あまりに大きな力が存在するのは。そういうわけでここは、封じさせてもらいますが、よろしいかな?」
何の前触れもなく男が吹き飛ぶ。竜王が男に対して“力”を振るったのだ。だが、男はぴたと空中に静止する。男の身にはかすり傷一つない。男の手にはいつの間にか一枚の符が握られている。

「いや、できればあらかじめ言っていただくとありがたいですな。」
とぼけたように男が言い、今度は別の札を数枚、懐から取り出す

「御安心を、これは貴方を傷つけるものではありませんから。」
そう言うと符を次々と投げつける。竜王はそれを軽がるとかわすが、ふと異常に気付く。龍脈からの霊力の供給が弱まっている。符に周囲の紗が休眠状態に近付いているのだ。

「いくらなんでも無限に等しい霊力を使えるものとは戦えませんからな。さて、ここからが本番ですぞ。」

そして、その戦いは9日にも続いた。

「ふう、ようやくおとなしくなっていただけましたか。では封じさせていただくとしましょう。龍脈も貴方も。まずは貴方から。」
倒れ伏した竜王に対し一枚の真っ白な掛軸をかける。一瞬の閃光とともにその姿が消え、あとには竜をかたどった掛軸が残った。そして男は赤子の方を振り向く。

「そう言えば貴方の事を忘れておりましたな。やはり母上と御一緒がよろしいでしょう。」
そう言うと赤子にも掛軸をかぶせる。だがその姿はいっこうに消える気配を見せない。

「おやおや、どうやらこちらの方が問題のようですな。」
赤子を封じる事に失敗した男は苦笑する。力の大半を注ぎ込んで娘を産んだ竜王と違い、その娘はいまだ生命力に満ち溢れている。
赤子が男を睨む。

「まあまあ、そんな怖い顔をなさらず。ところで“神降ろし”というのをご存知ですかな?そう、汚れのないミコの身に神を降臨させると言うあれですよ。」

「ちょうど私が“仕える”家に赤子が生まれそうなのですよ。ですから、その子に貴方の器になってもらうとしましょう。」
そう言ってにっこり笑うと明鏡を取り出す。

「言魂の事もありますから、その子の名前は貴方と同じにすることに進言しましょう、麗殿。」
そこで途切れた。

時間にして数秒か。これだけの情報を受けとったにしては短い方だったのだろう。だがその間暁雲の方も周囲に対応するだけの余裕を失っていた。

「それで、お主はどうするつもりだ?」
2人だけの闇の中、鱗麗の声が響く

鱗麗から暁雲へ

さあみんなこの数秒の間にピンチになろう(爆笑)
ところで長文失礼しました。
97年10月19日:03時01分01秒
暁雲はですね(修羅刀編) / ジョーカー
 >ところで暁雲動き過ぎじゃないですか?
 
 実は最初、虎視眈々と戦闘不能になる機会を窺っていたんですよ。(笑)
 能力的に恐ろしい物があり、ほぼ出来ないことはないキャラを
 どのように封じるかとね、しかも性格的に傍観ってものをしないし。
 大分前にも書いたけど、暁雲動き過ぎだったから。
 だから魑魅魍魎とかも暁雲を封じるための布石だったんですが
 夜光さんに使われちゃったし。(苦笑)本来はそいつらを結界で
 隔離する代わりに暁雲が動けなくなって、後は夕霧達に
 がんばってもらおうという計画だったんですが。(^^;
 
 それから暁雲と鱗麗ですが暁雲が鱗麗の中に侵入したのでもなく
 鱗麗を暁雲の中に引き込んだのでもありません。強制的に
 魂と魂の表層を接触させただけです。
 
 追記。当然エージェントではないです。と言うよりも明確に敵対している
 と言うのが正解かな。単一の個体としてはシャレにならん力を持っているので。
 こいつが味方しただけで戦の行方があっさり変わるほどの。
 なもので危険視されて何度か刺客を送られてるんですが
 ものともしてないです。こいつ紗の構造解明してるしね。
 僕自身の解釈としては、妖術ってのは万物の根元に干渉するものだから
 紗の構造を理解していないと何も始まらない。妖力というのが
 生まれつき持っている力で紗を操作しているのだとすれば
 妖術はその仕組みを解明して効率化、増幅化、さらに発展させたものなので。
 って言うか紗の操作はあくまでも妖術の中では余芸にすぎなくて
 さらに法術系統の能力、霊力が云々、魂が云々なども内包しているものだから。
 もっと分かりやすく言うと妖術ってのは天羅万象の全てに
 干渉できる力なんです。それは物質に限らず非物質も含めてね。
 だから地脈に干渉するは、炎が魂の中に潜るは好き勝手なことをやっている訳です。
97年10月19日:03時28分05秒
暁雲(修羅刀編) / ジョーカー
 鱗麗に問われた暁雲だったが突然巨大なあくびをする。
 精神世界ではこのような動作は意味がないのだが。
 
 「何じゃ、お前さん那魅殿の娘か。道理で似とると思っとったのよ」
 
 飄々とそんなことを言う。はったりか?いや魂の境界面で
 嘘を付くことは不可能だ。暁雲の言っていることは紛れもない真実。
 
 「道理で若い龍が出てくると思ったら。そうかそうか那魅殿が
 どこぞに封印されておったからなんじゃな」
 
 一人納得する。
 
 「それにしてもお前さん愛想ないのう。那魅殿はもうちょっと人当たりが
 よかったぞい。…まあ、生い立ちを考えれば無理もないか。
 ところで話を聞いているとお主の器になった人間の娘が
 居るはずなのじゃがそのお嬢ちゃんはどこへ行った?
 お前さんの体からは魂が一つしか感じられんが。
 気配は残って居るんじゃがのう。完全に同化するにはまだ時が浅かろうに」
 
 暁雲  鱗麗に向かって
 
 それから夕霧達ですが沙夜がリアクションを返さない限り
 いつまで経っても修羅刀までたどり着かないかも。(笑)
97年10月21日:10時24分40秒
鱗麗(修羅刀編) / tomy
「愛想だと?その様なもの、われには不要ぞ。」

母の知合いと知っても全く態度を変えずに鱗麗が言う。
もしかすると薄々気付いていたのかも知れない。高位の妖の多くがそうであるように鱗麗もまた那魅の分霊(わけみたま)であり、明確な記憶はなくとも意識のどこかが憶えていてもおかしくはない。
それでもなお鱗麗の口調は冷やかだ。他者に媚びる気など毛頭ないと言外に表している。

「それから、あやつならあまり頭の中でごちゃごちゃ五月蝿いので、ちと追い出してやった。人としての自分が死んだ事も認められぬ愚かな奴よ。何かあやつに用か?」
興味のなさそうな口調で言う。

鱗麗から暁雲へ


97年10月21日:17時11分32秒
暁雲(修羅刀編) / ジョーカー
「不要?それはちと違うな。要、不要の問題ではない。愛想があるとか
人当たりが良いというのはそれすなわち、余裕の成せる業」

からかう様に暁雲は言う。

「余裕がない者は誰に対しても刺々しくなる。お主の様にな」

「ま、言葉遊びはこの程度にしよう。しかし追い出したとは酷いのう。
その身体はお主のものにあらず。意図して宿ったものではないにせよ
本来の持ち主はあちらの方じゃろう。本来の主を追い出し
それをいいことにのうのうと居座っている。ちと図々しさが
過ぎるのではないかな?」

暁雲の目には強い非難の色が浮かんでいる。

「宿らされてから間も無い内なら、落とす事も出来たじゃろうが
時が経ち過ぎておるからそういう訳にも行かぬ。どちらが上でも
下でもないのじゃ。力の差があるからといってあまりたわけた事を
やっておると那魅殿に代わって折檻してくれるぞ」

加速度的に暁雲の精神的質量が増加していき、鱗麗の心を圧迫する。
それが不意に消え

「それに先程から愚か愚かと繰り返しておるが、あまり人の想いの丈というものを
甘く見ない方がよい。そんな事ではいずれ手痛いしっぺ返しを食うことになるじゃろう。
儂が手を下すまでもなくな」

淡々とそんな事を言う。静かだが説得力のある言葉だった。
その長い人生(?)の中でそれを数限りなく見てきたのだろう。

暁雲 鱗麗に向かって
97年10月24日:13時46分40秒
“管理者”鱗麗(修羅刀編) / tomy
「そうか、今だに人の器で動いておるのか。」
鱗麗の目が細められる。先ほどまでは冷笑だったのが、今はただ凍てつく様な瞳だ。

「まず、下らぬ話しの方から片付けよう。なにやら思い違いをしておるようじゃが、この肉体はわれ自身のもの。壬元麗の肉体など10年ほど前に滅びておる。魂の一部も含めてな。」


「まあそんなことはどうでもよい。それよりも、なぜお主は人の器で理(ことわり)をはかろうとするのだ?」
疑問ではなく詰問といっても良い口調だ。

「例え小量でも“力”を使う事は天羅の均衡を崩すこと。目の前のひとつを救うことが100年先の1万を犠牲にすることもままある。ゆえに“力”を振るえる者は目の前ではなく先を見つめながら動かねばならぬ。」
じっと暁雲を見すえたまま続ける。

「われが愛想など不要と言ったのも、それ故。管理者は天羅以外の何にも執着してはならぬのだ。怨麗を見ておればわかる。情は判断を狂わせる事がな。それが強かろうと弱かろうと関係はない。管理者(弱点に『天羅の管理』を持っている妖)にそのようなものは必要ない。」
一旦言葉を切る。

「天羅の均衡から考えれば、まだそこの刀は捨ておいて良い段階。“力”など使わずとも封じることはできよう。多少の犠牲は必要であろうがな。」
そして静かに宣言する。

「いくら母が甘いとはいえ、いや甘かったからこそ、母もお主に忠告したはずだ。“力”を使うなら人の器を捨てよ、人の器で動くなら“力”を使うなとな。どちらも選べぬというならば、われに限らず管理者はいずれお主と必ず戦うことになる。望むと望まざるとに関わらずな。」

鱗麗から暁雲へ

遅くなってすみませんでした。
鱗麗の言ってる事は、要するに『柱理論』です。天羅をうまく管理するためには誰とも仲良くなってはダメだという。
何にせよこいつや滅光が改心しちゃったら、修羅刀編の緊迫感がかなり減っちゃって面白くなくなりますからね。弱点に思いっきり絡めさせました。こいつが改心する時は、死ぬ時ですね。
97年10月24日:22時34分13秒
改心?(修羅刀編) / ジョーカー
 改心って言うのもなんか違う気がしますね。。彼女の考え方が
 間違っている訳じゃないですし。暁雲が情で動くとしたら
 鱗麗(及び管理者達)は理で動く。どちらが間違っているとも言い難い。
 むしろ鱗麗の方が理で動く故に理にかなっている。
 ただ「ひと」である暁雲にはそれを承伏できないと言うだけのこと。
97年10月24日:22時53分25秒
追加(修羅刀編) / ジョーカー
 この場合の「力」ってのは龍脈の力ですか?それとも妖力全般?
 多分、龍脈の事だと思うのですが確証がなくって。
97年10月27日:00時08分35秒
そーいえば(修羅刀編) / ジョーカー
 枯蔦が銃槍で怨霊に攻撃を開始したということは
 封呪は終了したと解釈してよろしいのでしょうか?
97年10月27日:19時38分05秒
re:追加(修羅刀編) / tomy
>この場合の「力」ってのは龍脈の力ですか?それとも妖力全般?
龍脈の力の事です。妖力は“能力”と表記していた、、はずです。少なくともこれからはそう統一する、、、予定です。
97年10月27日:20時24分47秒
ちと訂正(修羅刀編) / tomy
正確には、龍脈の力に限らず、自分自身に内在する以外の力、天羅の力のことです。
97年10月27日:21時29分33秒
うい(修羅刀編) / ジョーカー
 分かりました。しかし天羅の力も含むという事ならば
 気象攻撃が使えない…(雷撃とか竜巻ね)自分自身に内在する力で
 やればいいのか。精霊(しょうりょう)ってのは天羅の力かな?
 むしろ妖のたぐいか。
 
 しかし「天羅の力」ってのも漠然としているな。龍脈はいいとして
 あとはどんなものが「天羅の力」になるんだろう?
 よく分からないのでtomyさん、具体的に挙げてもらえないでしょうか?
 たとえば枯蔦がやったように森の力、大地の力を借りるというのも
 「天羅の力」を使ったことになるのでしょうか?
97年10月27日:22時36分32秒
「天羅の力」(修羅刀編) / tomy
具体的にといっても難しいのですが、天羅にいきづくモノにとって必要な構成要素の事です。風、雲、雨、川の流れ、大地の熱、太陽の光、海、波、潮、そして生命、、このようなモノの中に存在する力です。さすがに“真っ直ぐな雷”は違うと思いますが(^^;)

>たとえば枯蔦がやったように森の力、大地の力を借りるというのも「天羅の力」を使ったことになるのでしょうか?

本質的にはそうなのですが、森や大地が『力を貸してはならない』という事ではありませんので、森や大地を説得した上で、貸してもらうのは良いでしょう。その場合でも相手が破産するまで借りるのは『バランスを崩すこと』ですし、相手に何の利もないのに口先でだまして借りるのも認められません。勝手に借りるのは無論ダメです。
要は『自分自身に内在する力』までしか、自分で責任を取る事ができないから、それ以上は使うなと鱗麗達管理者は言いたいのでしょう。
97年10月30日:11時12分57秒
暁雲(修羅刀編) / ジョーカー
 「それ(人の器)に関しては儂と主らの話は平行線じゃからの。
 議論をしようとは思わぬ。それにしてもいずれ…か」
 
 肩を震わせ、笑いを抑える。
 
 「青いな。いずれどころではない、もうとうに数え切れぬ程刃を交え
 そして彼らはもう儂には手を出さぬ。何故か分かるか?」
 
 子供を相手にしているような声で問う。
 
 「彼らは気付いたのじゃよ。放っておけば均衡の偏りは揺らぎで治まる。
 儂とてそれほど‘力’を大量にそして頻繁に使うわけではないからの。
 じゃが手を出したが最後、その程度では済まなくなるということを」
 
 好々爺然とした笑みの裏にはそれを裏付けるものを秘めている。
 
 「それに崩したものをそのままにしておくほど、儂は愚かではない。
 埋め合わせはしておる。じゃから彼らは儂を黙認しているのじゃよ。
 それを那魅殿はようくご存じじゃ」
 
 顔を横に向け、「外」を見る。
 
 「それにしてもお主の言っていることに矛盾があることに
 気付いて居るか?『天羅の均衡から考えれば、まだそこの刀は
 捨ておいて良い段階。』そう言うたな」
 
 その目は修羅刀を見据えている。
 
 「そう今は『まだ』。封印というものはいつかは壊れるもの。
 在った以上、滅びを免れるものなどありはせぬ。
 この地に施された封印もまた」
 
 視線を戻し、鱗麗を見やる。
 
 「そしてあの刀は目覚める度に力を増してきた。二十年ほど前は
 これほどの力はなかったはずじゃ。儂が気付かなかったのじゃからな。
 ところが今は国を挟み、州を挟んでも気付きそうな程じゃ。
 次に目覚めたらどれだけの力を持つようになるのか儂にも見当が付かぬ。
 『まだ』ではない。『今』ここでどうにかしなければならぬ。
 主の言うた通り、目の前のひとつを救うことが100年先の1万を
 犠牲にすることもままある。じゃが目先のものを軽んじて見逃すことが
 より大きな被害を招くこともまたあるのじゃよ」
 
 その言葉は重みを帯びて響いた。それを機に両者の距離が開いていく。
 
 「物事は全て一様ではない。何が正しく、何が間違っているのか。
 後になってからでないと分からぬ事もある。杓子定規に禁じるのみが
 最善手というわけでもない。ま、ここでお主と争うも無益。
 よからぬ者達の意志感じることじゃし。とりあえず、‘力’を使わずに
 努力をしてみよう。その代わり邪魔をしないでそこで見ておるのじゃな」
 
 その言葉を最後に白いもやが晴れ、心の対話が終わったことを知らせる。
 
 ちょうどその時、森からは亜夜が、別の方向からは
 巨大な狐(式)に乗った夕霧達がこの場に現れる。
 
 「やれやれ…」
 
 暁雲のそんな声がその場に響いた。
 
 暁雲  鱗麗に向かって
97年10月30日:12時10分52秒
鱗麗(修羅刀編) / tomy
「ソレホド気ニスル事モアルマイ。アヤツニハ決シテ克服デキヌ欠点ガアル故ナ。」
さして感銘を受けた様子もなく、それだけ言うと鱗麗は人の姿に化身する。

「魂を喰らうは、もろ刃の剣。あやつが暴れておるのも、恐怖と憎悪の魂を喰らい続けたゆえ。この後に及んで、この森を喰おうとしないのが何よりの証拠よ。鎮める手はいくつもある。」
そして多少口元を歪めて続ける。

「まあ“力”を使わぬなら止めはせぬ。好きにするが良い。」

鱗麗から暁雲へ


「む、、どうやら冥道を開いた者がおるようだな。」
鱗麗は目の前の混乱を無視して、負の“力”の出口、門を探す。