97年10月09日:20時39分40秒
炎(修羅刀編) / ジョーカー
 少女の後を追い、駆け出してから程なく。必死に走る、小さな背中が見えてくる。
 易々と追いつき、しばらくぴたりと後ろについて走る炎。
 だがそれに飽きたのか、手が少女の襟に伸び、そのまま抱え上げる。
 息を欠片も乱さず
 
 「こっちの方が速い。舌を噛むなよ」
 
 冗談混じりにそう口にする。だが言葉とは裏腹に、駿馬よりも速く
 走っているというのに少しの揺れも感じさせない。ただ顔に当たる風と
 背後に飛び去っていく木々だけがその速さを証明する。
 見ると生い茂った下生えや行く手を塞ぐ木立は炎の前で道を開き
 一直線の道を成す。それが修羅刀に真っ直ぐ向かうことを可能にしている。
 通常は通った後はすぐに閉じるはずの道が閉まらない。
 後から来る亜夜のために戻さないでいるらしい。
 
 地面が揺れ、僅かに炎の疾走が鈍る。だがそれ自体は
 すぐに戻る。戻らないのは炎の訝しげな表情。
 
 (親父め、何を考えて地脈から引き出している?)
 
 (さあ?なんにせよあの刀関連でしょう。先程見たときよりも
 力を増していますね。あの怨霊を喰らったのでしょう)
 
 (ああ、封印でもしているのか力が弱まっているが、それでも
 さっきと同じ程度はあるからな)
 
 (だが残念なのは滅光殿がまた消えてしまったこと)
 
 (ああ双角もろともどっかへいっちまった)
 
 (それから別嬪さんはどうも意志が統合されていないようだな)
 
 (のようですね。人である方が追い出されたようです)
 
 ((どうなることやら……))
 
 内部で会話が交わされる。どちらも事態を面白がっているようだ。
 怯えはどこを探しても見当たらない。そうこうする内に
 木々の隙間から光が漏れてくる。
 
 「そろそろだぞ」
 
 抱えた少女に到着を告げる。
 
 炎と炎  少女に向かって
97年10月09日:22時49分09秒
亜夜、沙夜、夕霧まとめて(修羅刀編) / tomy
地がゆれる。亜夜はとっさに刀を地面に突き立てて放り出されるのを堪えた。
しばらくして立てる程度に揺れが弱まる。
炎の作った“道”はそのまま残っていた。あの揺れの中でも無事だったようだ。亜夜は細かな振動を感じながら、そのまま歩を進めた。

亜夜


97年10月14日:10時07分06秒
吐血(修羅刀編) / 夜光
  げほ、読み損ねていたlog009を読んでたら地脈は枯れてるし空間が歪むだと〜(^^;
 滅光の登場ポイントが問題になるのかね〜。やっぱり(^^;
  とりあえず、大きな動きをしなくていい少女を動かしましょうかね(--;
  相変わらずこの子は難しくていや(;;)
 
  変な人が首元を掴んで拾い上げる。駿馬より早く森の中を駆け抜ける。景色が気持
 ちいいくらい早く変わっていく。けれど、その光景で少女は思いだした。一緒に旅を
 している『友達』のことを。
 「白炎!!」
  はじめて少女は言葉を紡いだ。言葉は意志となり式札に霊力が流れる。寸毫の呼気
 の後、朱色の美しい獣が姿を現す。
 「つれてって」
  その獣はその言葉に反応し、少女を背に乗せようとする。少女は炎の腕の中からす
 るりと抜けると白炎の背にまたがる。
  白炎は何もない空を駆け抜ける。その姿は美しく。音を越えるがごとく早い。
 (ごめんね。おじちゃん)
  炎の心に声が届く。
 (お兄ちゃん。今いくからね....)
  そのとき大地が脈動した.....
 
 枯蔦の連れている少女 より 人斬り 炎へ
97年10月14日:17時11分49秒
炎(修羅刀編) / ジョーカー
こ、今度はおじちゃん……そりゃ枯蔦よりも最低でも五割り増しぐらいは
年を食っているけど……炎、大ショーック!!!

冗談です。(笑)しかしむしろ外見的には枯蔦よりも若いと思うのだが
それでもおじちゃんとはこれ如何に。
ま、いいや。戯れ言はほっておいて掛け合いを。

速い。炎を持ってしてもあの白炎と言う名の式には追いつけない。
見る見るというほどでもないがじりじりと離されていく。

(大した式だな。俺が追い付けないとは)

(随分と大きな式ですね。先程あの銃槍使いが使っていたのと同じ名前のようですが。
このまま離されるのも癪ですね。龍脈移動を試してみますか?)

(ふむ…試してみる価値はあるかも知れないが、今は親父が地脈から引き出しているからな
巻き込まれたら厄介だ。どこに飛ばされるか分かったもんじゃない)

(……天の龍脈に潜れるほど習熟はしていませんからね)

(それにそこまでする必要もない。もうすぐ……何!?)

突如大地が揺れ動く。とっさに跳躍し、滞空している間に
懐より式札を取り出し、実体化させたそれに乗り移る。

「まさかこの程度で地脈が枯れたのか?」

炎の経験から言ってこの程度の霊力を引き出したところで湖の一滴。
枯れるには程遠いはずだった。

(御師匠様よりも前に地脈の力を限界まで引き出した者が
居たのかもしれません。でなければこうまでに簡単には……)

「だな。とりあえずあの娘を追い掛けよう。話はそれからだ」

炎の乗った式はその翼を一打ちすると宙を滑る。純粋に飛翔することのみを
追求されたその式は白炎をも上回る速度で飛行していく。
ここまで長大な翼となると本来、森の中を飛べる筈もないが
そこは先程の要領で森は炎の前に道を開いていく。

「しかし一体誰が?」

地脈を枯らすほどの霊力。それが何に使われたのか。
そのことが炎の心を捕らえて離さなかった。


97年10月14日:17時30分05秒
少女(修羅刀編) / 夜光
  魂の年齢をみてるんだから、おじちゃんでもまだ生ぬるい気もするぞ〜(苦笑)<炎
 
  世界が変わる。大地の鼓動命の脈動が聞こえなくなってくる。同時にあれほどまで強く感じていた
 枯蔦の声が小さくなる。少女は本能的な危機感に襲われた。
  それは喪失に対する恐怖。
 (やだ、これ以上。大切な人がいなくなるのはやだ)
  絶叫に近い心の流れ。叫びに近い思い。それに答えるかのごとく白炎の足が速度をます。その背に
 のる少女のことすら考えていない...いや少女の思いと一つとなり。空を駆け抜ける。それはあらゆ
 る鳥よりも早い。
  大地にも空にも縛られない心は瞬時に千里を走る、まるで昔語りのような出来事が起こっている
 のだ。
 (もう。お兄ちゃんのてを離さないよ)
  少女の心にはあの不器用な優しさを示す銃槍使いのことでいっぱいになっていた。
 
 枯蔦のつれている少女 より
97年10月15日:10時45分32秒
とっとと動かそう(修羅刀編) / 夜光
  空を駆け抜ける二つの式。炎を乗せた飛行型の式。そして、少女をのせた美しい獣の姿をもつ式。けれど、奇妙な違和感が
 感触としてある。いくら駆けてもいっこうに進んだように思えないのだ。大地の龍脈が衰え空の龍脈との釣り合いがとれてい
 ない。それが調和を崩し。空間そのものに何らかの影響を与えているのだ。
 (お兄ちゃん....)
  一直線な意志はそれだけで強いもの。あらゆる傷害を突き抜けることすら可能とさせる。
  純粋な思いの前ではあらゆるものがじゃますることはできない。同じくらい純粋な思い以外は。
  空が開け、森が道を示す。歪んだ世界の中でそこだけが「普通」だった。
 (みつけた!!)
  森の狭間に刀に両手を置き、祈るように膝をついている枯蔦の姿が見える。
  少女はまっすぐにただまっすぐに彼の元に飛び込んでいく。修羅刀から吹き出した障気も怨霊も彼自身が施した結界も少女には
 意味を持たなかった。それは少女だけをじゃましようとしたのではないのだから。
 (お兄ちゃん)
  気がつくと少女は青年のからだにしがみついていた。支えるように支えられるように。
 
 枯蔦のつれている少女 
 
  陣図はそれを構成している印珠が壊るか、術者が術を維持できない状況になるかでしか壊れませんので。大丈夫です
97年10月15日:13時57分18秒
炎(修羅刀編) / ジョーカー
 森の中を走っていた時も、式に乗っている今この時も。
 少女の思いは直接炎の心に流れてくる。
 
 (羨ましいですね。ここまで人を想うことが出来るとは。
 私の心はあの時から凍ったままです…)
 
 炎の脳裏に一人の女性が浮かび上がる。儚さと芯の強さが同居する
 そんな美しい女性の姿が。
 
 (翠影…今ならば貴方と永劫に歩めるというのに貴方はいない…
 浮世とはなんともままならぬものですね……)
 
 それは人と人ならぬ者の間に芽生えた。だが人ならぬ者は
 命を落とし、人であった若者は人ならぬ者へと身を落とした。
 半身を失い、若者は魂にひびを入れる。そして今日まで歩いてきた。
 明日も歩いていくだろう。欠けた魂、深淵よりも深き飢えを抱え。
 
 やがて森が切れ、視界が広がる。眼下にあるは少女と銃槍使い
 師と見知らぬ娘、そして修羅刀とそれから吹き出す何か。
 大地の鳴動は未だ終わらない。
 
 「天地人の輪が崩れたか…」
 
 人(人間ではなく天羅に生くる総ての者達)が地より気を吸い上げ
 人の放つそれを天は受け取り、地に還す。この永劫の循環。
 それが崩れたのだ。師の行いを一目見れば何を成そうとしているかは
 明らか。天が溜め込んだ気を枯渇したこの地の地脈に還そうというのだろう。
 
 「なんてえ荒業だ。親父、引き金を引いた罪滅ぼしのつもりか?」
 
 (放っておいても戻るでしょうが地の震えは止まらないでしょう。
 一気に還す速度を加速させるつもりですね)
 
 (それと普通は山から還すものを直接ここに流し込むつもりだな)
 
 (さすが…と言うべきなのでしょうね。我々にはこのようなことは
 とても出来ません)
 
 (せめてちっとは手伝うか)
 
 炎は式を蹴り、眼下へ舞い降りる。陣を抜け出し師と娘に迫る「もの」の前に。
 
 「まずは私がお相手しましょう」
 
 炎は先程の横笛を取り出し、奏で始める。
 鎮魂の調べを……
 
 炎
97年10月16日:06時00分55秒
姉妹(修羅刀編) / tomy
「、、、ん?」
亜夜は手首にかすかに痛みを感じた。しかし触ってみてもどこもおかしなところはない。

「、、、沙夜、なの?」

亜夜

っていうわけでこの姉妹には多少感能力があります。でも特に役に立つものではありません(笑)
97年10月28日:02時39分12秒
亜夜到着(修羅刀編) / tomy
「、、見えてきた。」
炎によって作られた“道”を駆け続ける亜夜。その出口が視野に入ってきた。

「、、沙夜も近付いてる。」
何となしにそれを感じる亜夜。

「、、、あれが、、。」
ついに出口に達し、修羅刀を目にする亜夜。それは封じられようとしているにもかかわらず、強い存在感で亜夜の目を離さない。

亜夜