97年10月01日:19時05分38秒
こっちも動かないと(修羅刀編) / 月夢
 しばらくほっとかれていた玄屋です。
 
「ついてこねえぞ、あの嬢ちゃん」
 決して後ろを向こうとしない夕霧に代わって振り返ると玄屋がそう告げる。
「いいのか?」
 返事は返ってこない、ぼりぼりと頭をかくと玄屋は独り言を呟くように言う。
「昔からちっとも変わってないな、少しは人と付き合うのが上手くなったかと思ったけどな、突き放すやり方しかまだ覚えてないのか」
 やれやれといった調子、
「上手に生きろとは言わないが、もう少し力抜けばいいのにな、頼り方を知らない奴はすぐにばてちまうぞ」
 
 玄屋より 夕霧へ
97年10月03日:18時18分32秒
夕霧(修羅刀編) / tomy
「理屈の面で言ってるなら、ここであの娘に手を指しのべても、あの娘の為にならないわ。自分で気付かなければ意味はないもの。
そして気持ちの面なら、先ほどの琴音さんとのやりとりを見る限り、貴方に他人の事が言えるのかしら?」
玄屋の言葉に苦笑する夕霧。

「それよりそろそろ修羅刀が近いわ。気を抜かないでね。」
修羅刀の圧倒的な気配の中、夕霧は見逃してしまっていた。そのそばにある琴音と亜夜と暁雲の気配を。

夕霧から玄屋へ
97年10月04日:02時29分37秒
確かに(修羅刀編) / 月夢
 さて、玄屋だ、そろそろ全員集まり出すなあ。
 
「ま、な、俺もさほど器用なほうじゃないからな」
 玄屋は軽く肩をすくめる。
「それでもちったあましになったもんだ、20年も流れればな」
 そこで一つの話の流れを打ち切り真面目な表情をする。
「それよりそろそろ修羅刀が近いわ、気を抜かないでね」
「ああ、嫌になるほどはっきり感じるな」
 夕霧の言葉に頷くと顔をしかめる。
「昔からまったく力が減った気がしないな、多分ばれてると思うが、今の俺は戦力外だ」
 状態は気付いていたのだろう夕霧が頷く。
「札だけならいくらか蓄えがあるが、実戦となれば盾にもならん、俺のことは計算から外しといてくれよ」
 そう口ではいいながらも玄屋の表情は決して傍観者でいる気はないとはっきり示していた。
(やることやらないと静弥に会わす顔がないしな)
 二十数年前の決着をつけたい気持ちは玄屋は夕霧にも劣らない。
「さ、行こうぜ、あんまり待たすと悪いしな」
 
 玄屋より 夕霧へ
 
 あれ、玄屋そういえば静弥似のあの方紹介されてないね。
97年10月06日:23時30分10秒
夕霧(修羅刀編) / tomy
「さ、行こうぜ、あんまり待たすと悪いしな」

「そうね。」
玄屋の言葉に続ける夕霧。言葉少なげに修羅刀の元へ向かう。
一つだけ確信があった。自分と玄屋への復讐無くして修羅刀は滅ぶことはないと。

夕霧から玄屋へ。

連絡事項その他
静弥似のあの方の紹介はプレイヤーさん待ちです。そうでないと止めちゃうことになるし。
そういやこっちが到着するのと暁雲達が止めに来るのとどっちが早いんだろ。
あ、そだ。おくばせながら、誕生日おめでとうございます、ジョーカーさん。
97年10月07日:11時41分05秒
突然 / 桂
玄屋とともに修羅刀の元へ向かう夕霧。
その彼女の目にあの男が飛び込んできた。

いつの間に現れたのか、誰も気づく者はいなかった。

「付けに行くのですか・・・・貴女の過去にけりを」

ぽつりと「香」がつぶやいた

「静弥似の」香から夕霧へ


プレイヤーより
 ちょっと体の調子が悪くて永らく書き込みできず
にいました。ご迷惑をおかけして申し訳ないです
97年10月07日:18時03分56秒
夕霧(修羅刀編) / tomy
「香さん、、、ええ、そうです。」
夕霧はそう香の問いに答えた後、ぽつりと付け加える。

「できたら、、万一の時、娘達のことをお願いできますか、、。」
会って間もない相手に無茶な頼みをしている事に夕霧は気付かない。それは姿形だけでなく、香の雰囲気がそうさせるのかも知れなかった。

ふと、もの問いたげな玄屋の視線にぶつかる。香の事を説明し忘れていた事を思いだし、夕霧はあわてて取って付けたように紹介する。

「あ、、こちらは香さん。あの暁雲様のお知合いです。」

夕霧から「静弥似の」香と玄屋へ
97年10月07日:18時50分41秒
驚愕(修羅刀編) / 月夢
 桂さん催促するような真似してすみません、出番としてはこのあたりかなと思ったもので。
 ところで夜光さん、昔も夜行さんっていわれませんで師たっけ(笑)。
 などということはおいといて、玄屋です。
 
 
 唐突に視界に飛び込んできた人影、それが夕霧に声をかける、がそんなことなど耳に入らないように玄屋は呟く。
「静弥・・・・」
 時が逆行したような錯覚が一瞬襲う、自分の側に夕霧と静弥がいて、そしてこれから向かう先は修羅刀のもと。
(馬鹿な静弥は死んだ、嫌になるほどはっきり覚えている・・・・)
 二十数年前のあの時、放心した夕霧と、冷たくなった静弥、そして、修羅刀を持って逃げ出した記憶は今も薄れてはいない。
「あ、こちらは香さん・・」
 夕霧の紹介にはっと我に返り、挨拶をする。
「ああ、俺は玄屋だ、夕霧の昔からの知り合いといったところだ」
 そして改めでじっと見て、静弥との違いを見付ける。
(静弥は刀しか持たなかったよな、似てはいても別人だ)
 自分に言い聞かせるように胸中でそう呟き、一つのことに気付く。
「あんたか、さっきあの物騒なのを追い払ってくれたのは、助かった遅くなったが礼を言うよ」
 放って置くと昔の口調に戻ってしまいそうになるのを無理に抑えながら玄屋はそう言った。
 
 
 玄屋から 静弥、夕霧へ
97年10月09日:12時44分21秒
沙夜(修羅刀編) / tomy
「どうなさったのですか?」
振り返り、3者3様の面持ちで見つめ会う、夕霧と香と玄屋を不思議そうに見つめる沙夜。

「、、、先に行きますよ。」
しばし待っていたが、状況が変わりそうにないと感じ、先に進もうとする。その時目の前に暁雲の式が現れる。

「あら、これは。」

沙夜から3人と暁雲の式へ
97年10月09日:17時05分43秒
我に返る(修羅刀編) / 月夢
 声をかけたがいいが、その後が続かず、気まずい沈黙が流れる中、動くに動けない3人を置いて先行しようとした沙夜野声御出そちらを振り向く。
「式だな、あの坊さんの代物だ」
 この場ではもっとも陰陽師としての経験の豊富な玄屋が近づいてそう確認する。
「さっきの式が結構な代物だったから紗の構成を覚えてる」
 まったく同じ能力の式を作っても、造形以外に紗の構成の仕方に個人の癖のようなものが現れる、玄屋は陰陽師としてごく自然にそれを確かめる習慣がある。
「さっきから姿が見えないと思ったが、どうやら独自に動いてるのか、わざわざ式をおくってきたってことは、なにかあったな、たとえば・・・・修羅刀を見付けたとかな」
 そう言ってから夕霧と香の方を見る。
「もっともさっきから修羅刀の反応が一時弱くなったような気がする、ただ見付けたってだけじゃないと思うが」
 
 玄屋から 夕霧、香へ
 
 式の紗の構成の癖っての言うのはそう言うふうなのがあるかなと思って言ってるだけです。
 それからこの式って喋るんですか?
97年10月09日:19時58分24秒
暁雲、その式(修羅刀編) / ジョーカー
 子狐が後ろ脚でひょこんと立ち上がり、口を開く。
 
 「ご名答じゃ、玄屋殿。よくお分かりになったな」
 
 子狐は暁雲の声で喋る。
 
 「儂ゃ今、修羅刀の目の前におる」
 
 その言葉に夕霧、玄屋の両者は顕著な反応を示す。
 香は少なくとも外見的な反応は見せない。
 
 「ああ、そう心配するな、今のところ若いの(枯蔦)が抑えておる。
 じゃが琴音さん…言い忘れとった琴音さんもここにおる。
 それから亜夜さんは途中まで一緒じゃったんじゃが
 別の気配、多分先程玄屋殿が言っておった娘のものを感じたので
 そっちに行った。結界を掛けておいたから心配はいらんじゃろ」
 
 ぱたぱたと尻尾を振る。
 
 「で、琴音さんが言うには修羅刀は不安定な状態にあるので
 夕霧さんと玄屋殿は若いのの封印が終わるまで近づかないで欲しいそうじゃ」
 
 前脚で耳を引っ掻く。
 
 「香、お主と沙夜さんは来たところで問題はないと思う……しまった」
 
 声が急に緊迫した響きを帯びる。
 
 「干渉してしもうた、なんか出てくるのう」
 
 子狐の目から焦点が消える。暁雲が別のことに集中しているようだ。
 
 「……これで何とかなるか?」
 
 その子狐の独り言と同時に、この場にいる者達は大地の僅かな鳴動と
 行く手、修羅刀がある方角から巨大な霊力の奔流を感じた。
 
 「…駄目か。封印は持ち直したが出てきたものが引っ込まん」
 
 その声は落胆を隠しきれなかった。
 
 「状況が変わった。取り急ぎここから離れるんじゃ。
 儂は平気じゃし、琴音さんにも結界を掛けておいたから
 問題ない。若いのは陣の中だからこれも同様。じゃがお前さんらは
 まずいぞ。これ以上、員数が増えたら庇い切れん」
 
 声は感情を感じさせず淡々と響いた。だがだからこそ事態の危険性が
 明瞭に伝わってきた。四人の目の前で式が雷鳴のような音を連続して
 立てながら質量を増していく。ついには子狐は肩の高さが、四人の中で
 もっとも長身の香の五割り増しほどの高さまでになり、成獣に姿を変える。
 
 「こいつに乗りなされ、安全なところまで送って差し上げよう」
 
 一行を見下ろすようになった狐が、そう提案する。
 
 暁雲の式  夕霧達に向かって
97年10月09日:20時18分04秒
沙夜(修羅刀編) / tomy
「香、お主と沙夜さんは来たところで問題は…」
そこまで聞いたところで沙夜はすでに駆け出していた。

『修羅刀の封印』という言葉が沙夜から自制心を奪っていた。

「急がないと何も見届けずに終ってしまうかもしれませんわね。」

沙夜
97年10月09日:22時49分09秒
亜夜、沙夜、夕霧まとめて(修羅刀編) / tomy

「うっ、、、。」
手首を押さえて沙夜がうずくまる。転んだ拍子にどこかにぶつけたらしい。

「治している時間はなさそうですね、、、仕方ありません。このまま参りましょう。」

沙夜

暁雲の伝言を聞き終え、沙夜を止めに駆け出す夕霧。
だがその直後、夕霧の目の前で大地が裂けた。
とっさに飛び退いてしまう夕霧。そう、沙夜のいるのとは反対の方向に。
裂け目は見る間に飛び越えるのが困難なほどに広がってしまった。その上向う側では樹が何本も倒れマトモに進める所は見当たらない。

「お願い、行かせて!」
修羅刀に近付くことになると知りつつ、そう頼む夕霧。今は修羅刀のことより娘達のことが心配だった。

夕霧から玄屋、香、暁雲の式へ