97年09月19日:13時39分41秒
辛勝。巡り会い(修羅刀編) / 夜光
  どれほど時が過ぎたろう。それとも一瞬の出来事だったのだろうか。
  時を忘れ始めた体はこれが永遠に続いていたのではないか・そう錯覚し始めていた。
 「うりゃぁぁぁぁぁぁ」
  渾身の気合いを込め刀を振り下ろす。受け流そうとする腕ごと切り落とし、その体
 に大きな傷を付ける。
  だが、次の瞬間にはその腕はまたそこにあり、傷も瞬時のうちに治癒されてしまう。
 (きりがないな...)
  すでに体には力は残ってはいない。このままならばあと少しで傷つき倒れるだろう。
 もはや満身創痍と言う言葉すら生やさしいほど傷ついていた。
 「ずるずる引き延ばしてたのはやっぱり間違いだったようだな」
  その手に握られた刀に支えられるようになんとか立ってはいる。だが、目の前のそ
 れの激しい猛攻の前では風に吹き消されるろうそくの炎よりなお頼りない。
  腰を低くし構えをとる。それは白兵の構えではなく徒手の構えだ。
 「奥の手だ。これがダメなら...」
  彼の脳裏にあの少女の姿が浮かぶ。負けるわけにはいかない。自分の為にあの少女
 のために、この哀れなるアヤカシたちの為にも。
 「天の北海は冥道へとつうづる」
  素早く御印を組む。紫いろの霊気が彼の目の前に現れる。
 「星に住まう御仏の加護をここに願う」
  拳が白熱したかのように強烈な白い光を放つ。
  紫の光をやぶり、目の前のそれが拳をふるう。けれどそれを紙一重でさけ
 拳をたたき込む。
 「ひと」
  頭頂部が砕け散る、が今度はすぐには再生しない。
 「ふた」
  次に右腕を
 「みゆ よ」
  左腕と左足をを
 「いつ むゆ」
  腰と右足を
 「なな」
  全身の霊力のありったけを込めて刀を突き刺す。四肢をもがれ身動きできない
 それにはあらがうすべとて無い。
 「天の七つ星の力よ冥道を示せ」
  それが刀を中心に内側に沈み込む。食らっているのだ。それは。
  魂を食らい。力を増していく。
  肉体の無い世界であるここでは...っそれの存在感がひとまわりもふたまわり
 も大きくなったのが実感できる。
  けれど、それは彼の手に収まっている。よくよく見ればその手と柄には分かれ
 目が無いようにみえる。
 「あの子がまっているんだよ」
  彼のっその言葉と同時に世界がゆらぐ、気がつくとそこは森の中へと風景を変
 えていた。
  
  銃槍使い 枯蔦
  
  
97年09月29日:18時23分33秒
なにか動きみせないと(修羅刀編) / 月夢
 複雑に絡みすぎて動きにくいのは確かですね、無理な展開でいいから動かしますか、ランダムで当てる方法考えてると時間かかるし。
 では会う確率のいちばん低そうな所にあえて会わせましょう、だってこの二人がいちばん暇そうだから(笑)。
 
 
「お父様大ざっぱな位置しか教えてくれないから・・・」
 ふうと琴音は溜息を一つつく。
「詳しい場所を聞かなかった私も悪いのですけど、でもこんな場所に女の子を一人で置いていくなど」
 小さな子供には珍しいことではないが、琴音も子供の頃に迷子になったことがある、その時の心細さは今でも覚えている。
「早く見付けてあげないと可哀想ですね」
 少女の力も少女が今誰と会っているかも知らない琴音はごく単純にそう考える。
「そうは言いましても、闇雲に捜す訳にも行きませんし・・・・式たちお願い」
 しばらくその一帯を捜した後、埒があかないと判断した琴音は複数の式を打つ。
「いって」
 小さく小回りの利く鳥の姿をした式が一斉に四方に散る、琴音はそれを目でしばし追ってからそれぞれの感覚を探る。
「上手く見つかるといいのですけど」
 そう呟いたとき、一体の式が異様な気配を伝えてくる、背筋を氷の塊が駆け抜けたような、気配を感じただけでじっとりと汗がにじみ出してくる。
「修羅刀・・・・近いの?」
 玄屋は決して現物を見せてくれることはなかったが始めて感じるものであっても十二分に理解できる。
「こっちに近づいてるの?いえ、どこへ?」
 その時玄屋の言葉を唐突に思い出す。
「お父様預かりものだって言ってましたよね」
 手に持つ銃槍を確認する。
「これの持ち主の方でしょうか?お父様にちゃんと話聞いておくべきでした」
 今更ながら琴音はそう思う、もちろん戻って聞き直すことは出来るが、どこに少女がいるかも分からない現状、そんな悠長な真似はしていられない。
「せめて式だけでも送っておきましょう」
 もう一つ琴音は式を打つと玄屋のいる方に飛ばす、そして式の視点から修羅刀を手に持つ青年を確認する。
「疲弊しきってますね・・・・でも暴走してるわけではなさそうですし、修羅刀を持つということはそう言うことなのでしょうか?」
 玄屋がほとんど口に出さなかったために、母も修羅刀のことはほとんど知らなかった、その母からしか話を聞いていない琴音の知識も同じようなものである。
「あんなに疲労しきっていては、後一押しあれば・・・・」
 そこで琴音は自分の考えていたことに気付く。
「お父様や夕霧様は一押しになるのでは・・・?」
 そこに思い至ると琴音ははっとなり式を打つ。
「お父様たちにあわては駄目、今度暴れたら・・・」
 幸いにして知らせるために先ほど飛ばした式がある、それに今の考えを伝えさせればいい、ただ、
「余り動き回っていないでくださいよ、お父様」
 会えなければ意味がない、そのことも計算して自分で打った式に乗るとまっすぐ修羅刀を持つものの方に飛ぶ。
「何とかなればいいのですけど・・・・」
 自分に何が出来るかも分からないが、そう祈らざるを得ない状態だった。
 
 
 修羅刀編で裕太に続く戦力にならない琴音だからなあ(笑)。
97年09月30日:10時41分44秒
一時の休息(修羅刀編) / 夜光
  その体には多くの傷が付きすぎていた。その心は疲れすぎていた。
 「ち、情けねえな」
  彼は木々に隠された天を見上げながらため息とともに言葉を紡いだ。
 今の彼ならその辺をうろついてる狼ですら殺せるかもしれなかった。
 普段の彼ならば、熊であろうとあやかしであろうと敵する者ではない
 だろう。
  けれど、片腕を失い、足が砕け、精も魂もつきはてたような今の彼
 では...
  少女のことが心の端に引っかかってはいる。けれど、少女のそばに
 は白炎がいる。彼女が本当に危険になればあれが動くだろう。そのた
 めに希代の陰陽師をいくたりも集め作らせたのだ。自らの持ちしすべ
 ての財産と引き替えに。ただ親友より受け継ぎし銃槍だけは手放すこ
 とが出来なかったが。
  あれがあればな....今はここにない。あの子とともに置いてきた銃
 槍。幾たびの戦乱をともにくぐり抜けた魂の一部とでも呼べるもの。
 「御仏の御加護を期待してみるかね」
  無いはずの左腕を心に描き、それをあるかのごとく描く。
  いくつもの御印をつくる。
  すると体の隅々に活力が満ちてくるのがわかる。けれど、体の奥底
 に鉛を詰め込まれたような感覚は消えはしなかった。仕方ない法力を
 使いすぎているのだから。
  四肢に力を込め。立ち上がる。法力を使わなければ...なんとかな
 るだろう。
 「みつけるまで時間がかかりそうだな」
  彼の背にあった翼はその姿をすでにけしていた。
 「誰だ?」
  彼は天空に自分を見つめる瞳があるのに気づいた。
 
  銃槍使い 枯蔦   より   陰陽師の娘 琴音へ  
  
97年09月30日:23時58分49秒
接触 / 月夢
 もう一人戦闘力のない方がいたか、しかし夕霧さんとこの娘だしきっと名にか裏技があるに違いない(笑)。
 それからランダム方法ありましたか、先進めてすみません、どこかで使いましょう、どうせまたそういうシーンあるでしょうし。
 ということで琴音です、まずは手探り状態から。
 
 枯蔦からそれなりに距離をおいた位置におりると琴音は式を消す。
「気付いていらっしゃるようですね」
 先行させていた式が気付かれていることは警戒を露にしている相手の態度ではっきりしている。
「この銃槍の持ち主の方だといいのですが」
 まだ相手がそうだとは決まっていない、違えば玄屋の元から修羅刀を盗みだした、平たく言えば敵ということになる。
(でもお父様修羅刀を持った方には文句を一言も言ってませんでしたよね)
 そのことだけを頼りにして意を決すると琴音はゆっくりと相手に近寄る、人生経験のなさと、生来の人の良さゆえに琴音は細かい駆け引きと言うのが上手くなかった。
 相手が警戒している分かるので不自然な動きにならないように琴音は慎重に歩いていき、そして相手がはっきりと視認出来る所で足を止めると眉を潜める。
(ひどい・・・・)
 体中傷だらけで、そのうえ全身に疲労がはっきりと現れている。
(よく立っていらっしゃいますね、はやく暁雲様の元に連れていって手当をして頂きませんと)
 そのためにも相手が敵でないことを祈る琴音。
(とにかく確認する事が先決ですね)
 そう思い琴音が口を開く、
「申し訳ありませんがこの銃槍の持ち主の方でしょうか?」
 そう聞いてから相手の反応を待つが相手はピクリと反応したが特に口を開く様子はない、むしろ警戒心を強めたようにすら琴音には感じられた。
「あの・・」
 もう一度尋ねようとしてから琴音は自分が名乗っていない琴に気付く、
「ああ、名乗っておりませんでしたね、私は陰陽刀鍛冶の玄屋の娘で琴音ともうします、父の頼みでこのあたりに避難しているはずのこの銃槍の持ち主の方のお連れの方を捜しているのですが・・」
 一気に事情を説明してしまうと琴音は再度尋ねる。
「あの、繰り返して申し訳ありませんが、この銃槍の持ち主の方ではないでしょうか?」
 
 琴音から 枯蔦へ
 ちなみに琴音は応急処置ぐらいしかできないから傷の回復は難しいかな?
97年10月01日:17時21分41秒
「わらい」修羅刀編 / 夜光
  それには見覚えがあった。いや見覚えなぞと言う言葉は「それ」には失礼だろう。
 目で見なくても肌で感じる。肌で感じなくても魂で解る。
  「それ」は「自分」の銃槍だ。
 「なんでそれがここにあるかね〜」
  気の抜けた...そうとしか表現できないような表情をその顔に浮かべていた。
 「くっくっくっくっく....はっはっはっはっはっ....あははははははは」
  なにを思ったのか狂ったように笑い始める。それは心の底から愉快なようでもあり...
 狂気に囚われているかのようでもあった。
  あれがここにある。ということはあれはあの子のところには無い。至極単純な事実だ。
 単純な故にごまかすことすらできない。
 「ああ、それは確かに俺のさ...」
  そう言ったとき。相手の安堵の思いが伝わってきたような気がした。けれど、相手が安
 堵の思いを表にしているからこそ。彼女を止めた。
 「それ以上近づくな。どうなっても知らないぜ?」
  腕の中で修羅刀が反応しているのが解る...何に反応しているのか?飢えているのか...
 それとも...彼女が目の前にきて動き始めたそれが意味するのは...
 (よっぽど恨まれてると見えるな。あの陰陽師の旦那は)
  切れ斬れ伐れ...心の中がざわつく。
 (これは俺の考えじゃない。こいつの思考だ。親の罪を子供にまでやらせるのは気の毒だ
 しな...。あいつが大人になるまで呑まれてやるわけにもいくまい)
  手に力を込める。左手はあの虫使いにくれてやった。だから今は片腕しかない。
 「すまんがそれをこっちに放ってくれないか。そいつさえあればまだ何とかなる」
  その瞳に何かを決意したような光が現れ...そして消えた。
 (少なくてもあれがあれば。まだ保つな....)
 銃槍使い 枯蔦 より 陰陽師の娘 琴音へ
97年10月01日:18時49分06秒
ペースあがってきた(修羅刀編) / 月夢
 うーん、クライマックス、でもどー考えてもまず最初の山場にしかみえませんねえ、本当に10年後に続きそうな雰囲気。
 で、こっちはまだ最後に行き着かない琴音です。
 
「近づくな、どうなっても知らないぜ?」
 相手のことを確認してほっとしていたところにそう声を掛けられて琴音は困惑して足を止める。
(敵意から言われてるわけじゃないようですけど・・・・)
 そのくらいは判断がつく。
「すまんがそれをこっちに放ってくれないか?」
 それと言うのは今は琴音の手の中にある銃槍のことに間違いはないだろう。
(その気になれば私ぐらいは今この場で殺すことも可能でしょうから騙すわけじゃないようですが)
 近づくなという意味が分からない。
(まだ疑われているのでしょうか?)
 そう思ったとき一瞬枯蔦の視線が修羅刀に落ちる、つられて琴音がみたときに何が起こっているか悟った。
(ざわめいている・・・・・お父様の名前か、それともお父様の血を引く私に反応しているの・・・)
「・・わかりました」
 相手が自分を気遣ってくれたことを理解して琴音は銃槍を下に置き、距離を置く。
(たったこれだけのことで反応するなんて、もしこの場にお父様か夕霧様がこられたら・・・)
 そう考えてぞっとする、琴音がさきに連絡にいかせた式は玄屋たちがその場を離れてしまっていることを伝えている、そしてこれだけの強い気配なら迷うことなくまっすぐこちらに向かっているだろう。
(とにかく今はこの人の治療が先、なんとか暁雲様だけお呼びできないでしょうか?)
 暁雲が離れて行動しているとは思っていない琴音は必死に考える。
(この場を動いた方がよいでしょうか?それ以前に今の状況を話しておいたほうがいいかも知れませんね)
 そう判断すると銃槍のほうに近づく枯蔦に向かって口を開く。
「あの、時間がないので手短にお話ししておきます・・・」
 
 琴音から枯蔦へ
 
 移動しながらの方が良ければ移動させながら話してください、琴音はそっちの判断に任せて動きます。
 それから少女を捜している琴音の式はまだ見付けてませんけど、普通に動いているとそのうち炎たち見付けるかも知れません。
97年10月03日:12時05分40秒
移動できない(苦笑) (修羅刀編) / 夜光
移動できないですね(^^;さすがに念を集中したまま歩いたりするのは難しいでしょうし。
それにしても因縁の書き換えと気合稼ぎが恐ろしい速度で行われている(^^;

銃槍を地に置き離れる。けれど十間程度ではこの刀から離れたことにはなりはすまい。彼
は一つため息を吐くとゆっくりと地に足をすりながら自分の片割れに近づいていった。
「やっぱり、俺の相棒はお前だけだよ」
そのとき信じられないことが起こった。ないはずの腕がある。けれどそれはやはり無い。
銃槍は彼の腕に捕まれているようであり。空に浮いているようでもあった。
同時に身体の底に澱のように沈んでいた何かがさっと晴れていく。身体は相変わらず怪我
に覆われているが、疲れは見えず。半死人のような血の気の少なかった肌には再び血色が戻
ってきている。
「話はしばらく待ってくれないか...今ならこいつをしばらく眠らせる事ができる」
静かなけれど、それ故に力強い響きがその声には宿っていた。
「頼むぜ...相棒」
右手の刀を大地に突き立てる。そして手を放そうとする。けれどそれは手の一部となって
しまったかのように外れはしない。静かな読経の音が辺りに流れる。それまで何かに脅える
ようにさざめいていた森の木々たちがピタリと静かになる。
「離れてな...」
陰陽師の娘にそれだけ言うと再び読経を始める。今度は森だけでなく。修羅刀のざわめき
も小さくなったように感じられる。

銃槍使い 枯蔦 より 陰陽師の娘 琴音へ


さてと、こいつどこで死か修羅かしか選べなくなったんだ(^^;
まあ、それはさておき...山場ですね〜。ここで暴走するか押え込むかでこの後の展開ががらっと
変わりますからね〜。では、がんばりましょう。

97年10月03日:17時24分25秒
静観(修羅刀編) / 月夢
 うーん、集まるまで待ちにはいるか、琴音です。
 
 
「え?」
 あたかも腕があるかのように銃槍が宙に浮く、そして多少なりとも目の前の青年の疲労が癒されていくようにも見える。
(・・・なにが?)
「話はしばらく待ってくれないか・・・今ならこいつをしばらく眠らせることが出来る」
「・・・・わかりました」
 静かだが強い意志の込められた言葉に琴音はうなずいて、さらに距離を置く。
(見た目通りな人じゃなさそうですね)
 ただ腕に自信があるだけのものでは修羅刀を眠らせることは出来ない、よっぽどの腕の陰陽師か法師、それですら一度活動状態に入った修羅刀では一時もたすのが精いっぱいだろう。
(それが分からない人ではないでしょうし、だとしたら信用してみましょう)
 そう決めると琴音は離れた位置からじっと枯蔦の動きを見守り続けた。
 
 琴音から 枯蔦へ
97年10月04日:11時04分08秒
「霊鎮め」修羅刀編 / 夜光
 
 「まさか、これの用意が役に立つとはね」
  刀から引きちぎるかのごとく右手を離す。その掌は刀に皮膚を奪われ血に染まっている。
 筋肉も神経も露わになった掌は風にさえ痛みを見いださせる。けれど、それは腕がまだ自
 分のものであり、生きている証拠...だと言えた。
  その傷ついた腕で銃槍のを持つ。ずしりとした重みが痛みとともに体に走る。しばらく
 そうしていると、銃槍が二つに割れ、その中からいくつもの輝く珠が姿を現す。それは銃
 槍用の珠にしても大降りでしかも何かの印がすべての珠に刻まれている。
 「いいか、これから俺の知ってる最強の封呪を使う。邪魔はしないでくれよ」
  その声は誰にともなく言われた言葉であり、それ故に風に運ばれ遠方まで届くかもしれ
 ない。
  指弾の様にその大ぶりの印珠を修羅刀の周りに打ち込んでいく。それは何かをかたどっ
 ているようであり無意味な配列にしか見えないものだった。けれど、その陣が内側からの
 力をそぎ外側からの力を強めるのは肌で感じられる。
 「この森と俺の力を合わせてもそう保ちはしないだろう。が、数日は静かになるはずだぜ」
  独特の韻をを践んだ読経の音色にときおり、彼の言霊が混ざる。
  森がざわめき、大地が声を響かせる。そして、彼のまとう霊気の鎧はまぶしいまでに光
 を放つようになっていた。その姿は紛れもなく道を修めたものの姿であった。
 「ま、俺は疲れたから、終わったら後はおまえさんたちに任せるぜ...」
 
 銃槍使い 枯蔦 より  陰陽師の娘 琴音へ
97年10月04日:11時23分43秒
暁雲(修羅刀編) / ジョーカー
 「こりゃまた大したもんじゃのう」
 
 固唾をのんで見守っていた琴音の隣からそんな声が聞こえる。
 そこには琴音と同じように枯蔦が行っている作業を見ている暁雲がいた。
 琴音が自分に気付いたことに気付き、暁雲も琴音の方に顔を向ける。
 
 「無事じゃったようじゃな。よかったよかった。琴音さんが修羅刀の間近に
 いるのが“視えた”時、肝を冷やしたが取り越し苦労じゃったな」
 
 暁雲  琴音に向かって
97年10月04日:14時19分28秒
承諾(修羅刀編) / 月夢
 琴音の見守る前で複雑な儀式を行う枯蔦。
(陰陽術じゃないですね、法術ですか、底の知れない方ですね)
 琴音もやはり玄屋の娘、こんな場でありながら知的探求心は抑えきれない、思わず観察するようにじっくりと見てしまう。
(やっぱり陰陽術と法術では方向せいが違いますね、紗に働きかけるという一点において同等であると誰かが言ってましたが、こう見ると力の使い方自体に差異があるように感じますが)
 そんなことを考えていると次第に修羅刀の波動が弱まっていく。
「すごい・・」
 無意識に口をつく感嘆の言葉、
「こりゃまた大したもんじゃのう」
「え?」
 唐突に隣から聞こえた言葉に横を見ると暁雲が立っている。
「暁雲様?いつのまに?」
「無事じゃったようじゃな。よかったよかった。」
 暁雲がそう言うと琴音は軽く頭を下げ。
「ええ、特に敵となるような方はいらっしゃいませんでしたし、修羅刀の方もこの方がずっと抑えていてくださいましたから」
 それからはたと気付いて不安げにあたりを見渡す。
「あの、お父様と夕霧様はどちらにいますか?今この方が抑えていますが修羅刀の状態は不安定です、せめてこの方の儀式が終わるまでは近づかないでいて頂きたいのですが」
 
 琴音より 暁雲へ
 
97年10月07日:00時15分35秒
暁雲(修羅刀編) / ジョーカー
 いかん、妖編にかまけてて暁雲を動かすの忘れてた。
 申し訳ない。それからありがとうございます。(^^;
 
 「玄屋殿と夕霧さん?まだしばらく掛かるじゃろう。
 大分儂らは先行したからの。だが確かにその方が良いか」
 
 懐から式札を取り出し、霊力を込める。おなじみの音を立て
 式が実体化する。小狐の形をした式は微塵の迷いもみせず
 まっしぐらに木々の間に消えていく。
 
 「これでよかろう。しかし修羅刀が押さえ込まれているとは言え
 念のためじゃ、やっておくか」
 
 先程亜夜に施した簡易の結界を琴音にも張っておく。
 また傷をふさがぬまま、修羅刀を囲んで円を描くように
 並んだ樹に指から流れる血をなすりつけていく。
 一周して戻ってきた暁雲は軽く手をはたく。
 
 「これでよし、と」
 
 暁雲  亜夜に向かって
97年10月07日:14時45分20秒
「逆波」修羅刀編 / 夜光
 「坊さん....よけいなこと...して..くれたな...」
  枯蔦が目に見えて憔悴していくのがわかる。陣を敷き、複雑な呪を編んでいるのだから疲労がでるのは当然である
 けれど、これはあまりにも急激な変化だった。
  大地の力で刀の力を、森の力で修羅の魂をともに押さえる。その呪式に必要な霊力はとても人一人がまかなえるも
 のではない。ならば...彼はどこからそれを得ていたか。
  答えは簡単だ。森の力を借りる。それは木々たちからその力の一部を分けてもらうと言うことに他ならない。
  その霊力の流れが途絶えたならばどうなるか?呪はなかば形をなしている。ここで止めることはできない。外から
 の力もあてにはできない。ならば...五体に宿る力のみにてなさねばならない。
 「坊さん、中身がでてくる。気をつけろよ....刀ってもんに縛されてないぶん...強いぜ....」
  今すぐに危険というわけではない。が...今下手に干渉すればふつうに目覚める以上の修羅刀の妖気があたりを覆
 うだろう。この森は二度と人も生き物も住めぬ魔の土地へと変じるだろう。
 「雑魚はでれねえ。だから大きいのがいくぜ.....」
  修羅刀から白い霧のような何かがわいてでてくる。それは確かに人ならざるものであり...強い力を感じる。
 
 銃槍使い 枯蔦 より  修羅刀近辺の被害者のみなさまへ
97年10月07日:16時24分53秒
・・・・・(修羅刀編) / ジョーカー
この妖術結界はまだ作動させていなかったんですけど・・・・・
今のところ自らの血で結界の端子を作っておいただけだったんですが。
97年10月07日:17時17分26秒
暁雲(修羅刀編) / ジョーカー
枯蔦の様子が急変する。修羅刀の妖気が解放された時のための用心として
隔離結界を張るために作った結界の端子が枯蔦の術に悪影響を及ぼしたらしい。

(どうも失態続きじゃのう。仕方あるまい)

溜め息を一つ。張ろうとした結界を組み替える。
妖術に法術のような印や読経のようなものは必要ない。
術者の意志のみが全てを決める。血は触媒にすぎない。

(吸い上げよ)

その簡潔な命令に従い、木々に擦り付けた血が赤光を放ち
木に染み込んでいく。

「悪いことをしたな。お詫びとして一つ教えてやろう。森の力、大地の力を
借りることは正しい。一人では出来ないことも出来るからのう。
じゃがまだ甘いな、地脈の力はその程度のものではない」

その言葉と共に、修羅刀を囲んだ木々が目も眩む程の光を放ち、光の柱に変わって行く。

「もっと深いところから力を吸い上げるんじゃよ。もっともこれほどの霊力ですら
地脈の力のほんの一欠片に過ぎんがな」

吸い上げられた霊力は暁雲の両の掌の間に一旦収束し、枯蔦の背中に向かって迸る。
先程とは比べ物にならないほどの霊力が枯蔦の身体に注がれて行く。

暁雲 枯蔦に向かって
97年10月07日:17時29分09秒
ちなみに(修羅刀編) / ジョーカー
木々が吸い上げている霊力は人間の器では到底耐えられない量です。
ですから当然、暁雲は送る量を調節しています。過供給で枯蔦が
破裂するなんてことはありません。(笑)
暁雲が平気なのは……何故かは言うまでもないですね。(^^;
97年10月08日:10時24分36秒
「むすび」修羅刀編 / 夜光
  みゅ〜。霊力を分けてもらうのはいいんだけど活力も実は活力もないんですね(^^;で自分に保護や回復を施術できるほど
 余裕はないわけで....もらった霊力は陣の維持に全部とられると言う(^^;
  で、実は夕霧や玄屋待ちだったりして(^^;修羅刀に吸い取られた怨念が恨みをはらそうと襲いかかるなんて....楽しいと
 思いませんか?
 
 「微調整がまだ下手でね....」
  膝をつきながらも印を組む腕は変わらず、陣は不可思議な鳴動を保っている。
 「修羅の魂ってのは....相変わらず重いもんだね〜」
  軽口のようなせりふだがそこに秘められた重みはとうてい無私できるもので
 はない。なぜならその言葉をすべて信じるならば....封を破ってでてくるのは
 修羅の魂に相違ないからだ....
 「この陣の中にいるかぎり俺は大丈夫だ。けど....おまえさんがたは危ない。
 今のうちに遠くにいきな」
  満身の力を込めなんとか膝を大地から離す。ここで倒れたら完成する前にす
 べてが解き放たれてしまう。そらだけは彼には許せなかった。
 
 銃槍使い 枯蔦 より 被害者のみなさまへ
97年10月09日:20時37分16秒
地震(修羅刀編) / tomy
暁雲はふと違和感を感じた。地脈から吸い上げた力の感じが常と違う。まるで枯れ井戸の水のようだった。
その直後、、地が震えた。
大地から力を奪い過ぎた時に稀にこうなる事があるという。だが暁雲はほんの一部を吸い上げたに過ぎない。ではなぜ?しかし考えている暇はなさそうだった。

ってわけで地上にいる皆さんは激震を喰らう事になります。震源地は暁雲の直下です。多分色々と壊れますので、頑張りましょう(笑) ***
97年10月10日:03時38分55秒
風夜のいえ(修羅刀編) / 月夢
 ずいぶん久しぶりなここ(笑)。
 
「止められなかったのですね、玄屋、それも私たちが手元から離れたときにとは・・・」
 昏々と眠り続ける裕太の横に立って、今まさに死闘が繰り広げられようとしている方をじっと見る。
「これも運命なのかも知れませんね、因果を断ち切るは己の手でしか適わないこと」
 悟ったことを口にしながらも悲しそうな表情をするとその女性はしゃがみ込んで裕太の頬を撫でる、正確には撫でるような仕草をする、その手は物に触れることは適わなかったから。
「この子もそう、力を求めたゆえに一つの業を背負ってしまった」
 透き通る腕で何度もさするような動きをする。
「憎悪はただ燃やすだけ、後にはなにも残さない、生み出さない、この少年がそれに早く気付けばよいのですが」
 
 きっと誰も覚えていない修羅刀の鞘の鬼、落涙から裕太へ