タンチョウサンクチュアリ 自然情報<11月16日号 >


ネイチャーセンター開館中!
11月になりました。
道東は厳しい冬を迎えようとしています。

タンチョウたちは、給餌場へと集まり始めます。
 
*サンクチュアリの様子や日々の出来事は『保護区パトロール日誌(ブログ)』でも更新中です!

●タンチョウ情報   

<デントコーン畑から給餌場へ>
 
 道東各地の湿原で繁殖をしていたタンチョウたちは、越冬地へ移動し始めます。移動する時期には幅があり、9月に越冬地へやってくるものもいる一方で、エサがとれなくなるまで繁殖地に留まるものや、移動途中の中継地でしばらく過ごすものもいます。
 秋口は牧草地やデントコーン(飼料用トウモロコシ)畑の刈り跡に入り、落穂や虫、ミミズなどをとっていたタンチョウたちは、エサが少なくなると給餌場へと集まり始めます。当サンクチュアリのほか、鶴居村内の鶴見台、釧路市阿寒町の阿寒国際ツルセンターには特に多くのタンチョウが集まり、三大給餌場と呼ばれています。

 多くの給餌場では、11月1日から給餌が始まっています。サンクチュアリでも、今年度最初の給餌を行った翌日から、数組のつがいや親子が代わる代わる飛来し、追い出し追い出されを繰り返していました。しかし11日の雪を境に、多いときで50羽ほどのタンチョウが給餌場にやってくるようになりました。しばしばつがいが鳴き合って主張するため、大変にぎやかです。まだ寒さがそれほど厳しくないこの時期は、日の出から日の入りまで、給餌場でタンチョウを見ることができます。特に夕方ごろ数が多くなり、ひとしきりデントコーンを食べた後、集団でねぐらへと帰っていく姿が観察できます。

給餌場で採餌するタンチョウ 鳴きあうタンチョウのつがい

<朝日とタンチョウ>
 
 晩秋から初冬へと向かうこの時期にだけ見ることができる光景が、朝日の射す中で活動するタンチョウの姿です。というのも、寒さが厳しい真冬は、タンチョウたちは陽が高くなってある程度気温が上がるまで、ねぐらの川で休んでいるためです。朝日に照らされる姿はもちろん、白い息を吐きながら鳴く様子が、写真を撮る方々には人気となっています。
 朝の冷え込みはどんどん厳しくなっていきますが、早起きをして観察・撮影してみてはいかがですか?手袋やマフラーなど、防寒具はしっかり揃えていきましょう。

 
朝日が射す中で鳴き合うつがい


●サンクチュアリトピックス

<タンチョウ生息状況一斉調査>

 北海道では毎年、12月と1月に主なタンチョウの越冬場所でタンチョウの生息状況を調査しています。サンクチュアリも調査場所のひとつとなっており、調査に協力しています。この調査で確認されたタンチョウの個体数は、国として発表するタンチョウの個体数となります。

 今年度は1月23日に第2回が実施され、その結果、サンクチュアリの給餌場では292羽記録されました。

 全道では計1065羽のタンチョウが確認され、そこから飼育個体42羽を除いた1023羽が野生のタンチョウです。昨年同時期の調査結果の野生個体757羽と比較すると266羽多く、平成17年度第2回調査の1039羽に次ぐ過去2番目に多い記録となりました。

 今回の調査日は季節外れの風雨に見舞われましたが、その影響で給餌場に集まったタンチョウがほとんど動かなかったため、記録された羽数が多くなったと考えられます。サンクチュアリの給餌場でも、調査時にタンチョウたちは動かないものが大多数でした。

 一方で、総数における幼鳥の割合は8.67%と、平成元年〜19年度までの平均値の11.84%を大きく下回りました。幼鳥割合はこれまで8.9%〜16.7%まで変動していて、今回の数値が著しく低いわけではありませんが、繁殖状況が悪化している可能性も否定できず、注意して見ていく必要があります。
*注 年度によっては、羽数が大きく減少していますが、これは調査時の天候により確認数が少なかったもので生息数が減少しているわけではないと考えられます。


●自然情報

 11月、道東にはいよいよ本格的な寒さがやってきます。
 多くの鳥たちが南へと移動しますが、草木が枯れるため観察はしやすくなる時期です。
 また、シカやキツネは冬毛へと衣替えし、夏とは違った姿を見せます。

 朝晩はもちろん、日中でも厳しい寒さが当たり前になってきます。
 野外を歩く際は、しっかりと防寒しましょう!

<冬の訪れ>

オオハクチョウ

シメ

冬の使者といわれるハクチョウですが、道東では大部分が本州方面へ渡る途中に立ち寄る「旅鳥」です。
凍らない河川や湖沼で越冬するものもいます。

ずんぐりした体系と太いくちばしが特徴的な鳥です。
餌台にヒマワリの種を置くと、頑丈なくちばしでかみ砕く姿がよく見られます。

雪景色の給餌場

冬毛のエゾシカ
昨年よりも半月以上早く、鶴居村に雪が降り積もりました。この時期の雪は量も少なく、すぐに融けてしまいます。
一冬融けない根雪になるのは、12月〜1月になるでしょう。
夏の間は「鹿の子模様」だったエゾシカも、灰色味の強い冬毛に衣替えしています。
時には給餌場にやってきて、タンチョウに給餌したコーンを食べている姿を見ることもあります。

自然情報に対する問合せ先:tancho_sanc@wbsj.org

(次回の更新は2009年12月1日を予定しています)