タンチョウサンクチュアリ 自然情報<7月1日号 >


ネイチャーセンター閉館中(4月〜9月) 
7月になりました。
鶴居村にも短い夏が訪れ、鳥たちのさえずりに加えて、セミなどの虫の声も聞こえてきます。
湿原で繁殖するタンチョウも、子育ての真っ最中です。
 
*サンクチュアリの様子や日々の出来事は『保護区パトロール日誌(ブログ)』でも更新中です!

●タンチョウ情報   

<繁殖シーズン到来>

 鶴居村の給餌場などで冬を越したタンチョウたちは、春が近づいてくると繁殖地の湿原へ帰り、夏の終わりまで子育てに励みます。
 
 湿原ではこの時期、親鳥はヒナを育てている真っ最中です。釧路湿原北側にあるコッタロ湿原では、展望台から湿原で暮らすタンチョウを見ることが出来ます。遠くからの観察になりますので、双眼鏡や望遠鏡をご用意ください。
 繁殖期のタンチョウは、一つがいにつき1q²以上の広大ななわばりを持って繁殖します。湿原にはタンチョウの餌となる動植物が豊富にある一方、抱卵期は増水で巣が水没することもあります。また、ヒナを狙うキツネや野良ネコといった外敵もいます。
 このような危険から卵やヒナを守るため、繁殖期のタンチョウは大変神経質になっています。また、湿原内では他の生き物も繁殖期を迎えています。むやみに湿原には立ち入らず、遠くからそっと見守るようお願いします。

 
一方で、繁殖に参加しない若い個体は、村内の牧草地や畑で姿を見ることができます。暖かくなって出てきた虫やミミズを狙っているようです。

※もし農場や農家周辺にいるタンチョウをご覧になる場合は、近づいてタンチョウを脅かしたり、交通の妨げや農作業の邪魔にならないよう、十分注意してください。

湿原で餌を探すタンチョウ
(コッタロ湿原第一展望台より 4月11日撮影)
左写真の拡大
牧草地で採餌するタンチョウ
(5月10日撮影)


●サンクチュアリトピックス

<タンチョウ生息状況一斉調査>

 北海道では毎年、12月と1月に主なタンチョウの越冬場所でタンチョウの生息状況を調査しています。サンクチュアリも調査場所のひとつとなっており、調査に協力しています。この調査で確認されたタンチョウの個体数は、国として発表するタンチョウの個体数となります。

 今年度は1月23日に第2回が実施され、その結果、サンクチュアリの給餌場では292羽記録されました。

 全道では計1065羽のタンチョウが確認され、そこから飼育個体42羽を除いた1023羽が野生のタンチョウです。昨年同時期の調査結果の野生個体757羽と比較すると266羽多く、平成17年度第2回調査の1039羽に次ぐ過去2番目に多い記録となりました。

 今回の調査日は季節外れの風雨に見舞われましたが、その影響で給餌場に集まったタンチョウがほとんど動かなかったため、記録された羽数が多くなったと考えられます。サンクチュアリの給餌場でも、調査時にタンチョウたちは動かないものが大多数でした。

 一方で、総数における幼鳥の割合は8.67%と、平成元年〜19年度までの平均値の11.84%を大きく下回りました。幼鳥割合はこれまで8.9%〜16.7%まで変動していて、今回の数値が著しく低いわけではありませんが、繁殖状況が悪化している可能性も否定できず、注意して見ていく必要があります。
*注 年度によっては、羽数が大きく減少していますが、これは調査時の天候により確認数が少なかったもので生息数が減少しているわけではないと考えられます。


●自然情報

 いよいよ夏本番を迎えようとしています。
 鳥たちのさえずりに加え、セミなどの虫の声も聞こえてきます。
 バラエティ豊かな自然観察ができる季節がやってきました。

 7月になったとはいえ、くもりや雨の日は肌寒くなりがちです。また、蚊が発生する時期でもあります。野外散策の際は、防寒&防虫対策をお忘れなく!

<色とりどりの季節へ>

ニュウナイスズメ

エゾスカシユリ
その名の通り、スズメの仲間なのですが、スズメのように人家に巣を作ることはせず、主に森林で暮らしています。
オスはスズメより明るい栗色の頭が目立ちます。
村内の道路脇にも生えているユリの一種です。
花びらの付け根が細くなっており、隣の花びらと隙間ができます。
これが「透かし」という名前の由来になっています。

エゾイソツツジ

エゾカンゾウ
6月〜7月に花をつけるツツジの仲間です。
鶴居村内の湿原に群生しています。
生育環境は広く、火山帯の群生地も知られています。
こちらも村内の道路脇で見られるユリ科の花で、6〜8月に見られます
ラッパのような大きく黄色い花で、よく目立ちます。
「ニッコウキスゲ」という別名で広く知られています

エゾハルゼミ

マイマイカブリ
「ミョーキン、ミョーキン、ケケケ…」と、独特の声で知られるセミです。
市街地ではほとんど見られませんが、まとまった木のあるところでは大合唱を聴くことができます。
オサムシの一種で、カタツムリ(マイマイ)の貝に頭を突っ込んで食べる様子からその名が付きました。
細い頭と胴も、そのような習性に適応した結果と考えられています。


自然情報に対する問合せ先:tancho_sanc@wbsj.org

(次回の更新は2009年7月15日を予定しています)