給餌場における採餌量調査
| タンチョウは、明治中期には絶滅したと考えられたほどに生息数が激減しました。大正末期に再発見されて以降は、主に地元の鶴居村や阿寒町(現、釧路市)の方々の給餌活動によって、冬期のエサ不足が解消され、徐々に生息数が回復してきました。現在は、1,000羽を超える数が確認されるまでになっています。(北海道 2006、2007) しかし一方で、繁殖期の生息場所となる湿原や採食場所となる湿地は減少傾向にあり、特に冬期は自然環境での採食が困難なため、そのほとんどが給餌に依存して越冬しています。生息数の増加に伴い、給餌場に飛来する数も年々増加傾向にあり、給餌場への集中化による問題が心配されています。主な問題としては、人なれや伝染病の蔓延による生息数激減の恐れが挙げられます。また、昨年からタンチョウのエサとなるデントコーン(飼料用トウモロコシ)の価格が高騰し、国の事業として給餌を継続していく上で影響が出る可能性もあります。
生息数が1,000羽を超えたこともあり、私たちは新たに冬期の自然採食の促進と人工給餌への依存の緩和、自然採食地の保全を目指す取り組みをはじめることにしました。 これまでの給餌は、季節やタンチョウの集まり具合など、長年の経験に基づき、量を調節してきました。しかし科学的な根拠はなく、タンチョウにとって、どのくらいのエサが必要なのかを示すデータがありませんでした。そこで、まずは給餌場でタンチョウがデントコーンをどのくらい採餌しているのかを調べることにしました。
この調査は、2007年度から実施しています。継続的に調査することで、必要な給餌量を把握することができ、自然採食の促進と人工給餌への依存の緩和の手法をみつけることができるのではないかと考えています。 |
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