タンチョウと酪農の共存対策


 1992年から牛の餌用トウモロコシ(デントコーン)畑でタンチョウが種や苗を食べてしまう被害が目立つようになりました。サンクチュアリでは2003年まで環境省より委嘱し、防止対策に取り組んできましたが、2004年から2007年にかけては鶴居村がこれを委嘱し、サンクチュアリは協力する立場をとっていました。2008年は、鶴居村による防鳥器具の設置が行なわれ、サンクチュアリも協力しました。

畑で餌を食べるタンチョウ

 農業被害の背景には、北海道東部でのタンチョウの局地的な増加と湿原の減少が関わっています。30年前と比べて、タンチョウの数は3倍、湿原の面積は2/3となりました。つまり数は増えても、住むところが足りないため、なわばりを持てないタンチョウが夏でも人里に居残るようになったわけです。

 5月から6月にかけてデントコーンの種や苗はタンチョウの格好の餌となってしまいます。

夏場も人里に居残る若いタンチョウの群れ

対策の内容
@追い払い
 畑の周りを巡回し、畑でタンチョウを見つけたら追い払います。朝5:00から夕方6:30ごろまで続けます。

A器具の設置
 タンチョウが畑に入れないように防鳥器具を設置します。

B給餌の延長
 鶴見台での給餌を5〜6月も実施します。

この結果、タンチョウの畑への侵入は減り、被害は少なくなりました。

防鳥器具 竹棒

畑全面に立てるとタンチョウが降りられない
防鳥器具 
ペットボトル風車

音をたてて回るので、タンチョウが警戒して近寄らない
防鳥器具設置風景

 タンチョウを追い払ったり、警戒させたりと保護とは矛盾しているようでも、人とタンチョウの良い関係を保つためには必要なことなのです。でも本当は広い湿原があり、夏にはタンチョウが人里から離れた方が人にもタンチョウにも幸せなことなのです。

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