|
タンチョウサンクチュアリ通信 2006年 初春号 (編集:レンジャー 音成 邦仁、阿部秀幸、渡邉美沙) |
| 今冬はここ数年の中では、寒さの厳しい日が多いようです。日の出ごろはマイナス20℃を下回ることも少なくありません。しかし、これからの時期は日中の温度は上がってきます。少しずつではありますが春が迫ってきており、タンチョウの恋の季節到来を告げています(O)。 |
| 12月のタンチョウ生息状況一斉調査のご報告 |
|
毎年、12月と1月に北海道による「タンチョウ生息状況一斉調査」が行われます。タンチョウの生息状況を把握することで、今後の保護増殖を図るための基礎資料とすることを目的に実施されており、今年度で54年目です。今回もタンチョウの生息地各所で一斉にタンチョウの数を数えました。
|
| サロベツ原野のタンチョウ家族 |
|
2004年春、北海道東部以外の地域としては、実に114年ぶりにサロベツ原野(北海道北部)でタンチョウの繁殖が確認されました。ヒナ誕生のニュースも舞い込みましたが、残念ながらヒナは育ちませんでした。それでも、タンチョウの繁殖域拡大といううれしいニュースには違いなく、今後の繁殖成功に期待が高まりました。 |
| タンチョウのねぐら環境の整備 |
| 鶴居村で越冬するタンチョウは、大半が雪裡川をねぐらとしています。その雪裡川に架かる音羽橋はタンチョウのねぐらを観察できる場所として有名です。12月〜2月の厳冬期には、気温と水温の差によって川霧が発生し、その中にタンチョウの影が映し出されることもあり、とても幻想的です。しかし近年、川に中州が広がり、そこに繁茂したヤナギが視界をさえぎってタンチョウのねぐらの観察に支障をきたすようになってきました。 音羽橋からねぐらの観察ができなくなると、一部の心無いカメラマンや観光客がねぐらに近づき、タンチョウを驚かしてしまう可能性が高まります。タンチョウを驚かせずに観察できる場所はどうしても必要です。 そこで、タンチョウの越冬シーズン前に、中州のヤナギを除去する活動が行われ、レンジャーもこの活動に参加しました。多くの地元住民の協力もあり、音羽橋からの視界が広がりました。 しかし、今年は音羽橋から離れたところにねぐらが形成される傾向が見られます。川自体の環境変化などが原因と思われますが、せっかく視界が開けても、橋からねぐらまでの距離が遠いと人がねぐらに近づくことにつながります。 現在、サンクチュアリではタンチョウのねぐら周辺を監視しながら、タンチョウの川の利用状況を調べています。今後は、川の環境(中州の状況や水深、流速など)も調べ、データを蓄積し、ねぐら環境保全のあり方を検討していきます(A)。 |
鶴居村 鶴居小 今井涼香さんの作品 |
| レンジャーの観察日記 |
| 今回はレンジャーの足環つきタンチョウの観察記録をお届けします。給餌場に集まるタンチョウの中には、個体識別用の足環をつけたタンチョウもたくさんいます。足環のついたタンチョウを観察していると、そのタンチョウの生態や個性がわかり、観察がますます楽しいものになります(W)。 T09(1990年生まれ メス) 現在確認されている足環個体の中では最古参。今年は11月26日にサンクチュアリにやって来ました。昨年に比べて来るのが遅かったため心配していましたが、つがい相手と共に元気な姿を見せました。子どもは連れていませんでしたが、姿を見せて以来、ほぼ毎日サンクチュアリに来ています。次のシーズンも元気な姿を見せて、野生長寿記録を更新してくれることを願います。 T31とT33(1991年生まれ つがい) T31(オス)とT33(メス)は、10年来つがいとして毎年サンクチュアリに飛来していました。しかし、今シーズン姿を見せたのはT31だけでした。T33は死んでしまったものと思われます。仲の良いつがいだっただけに、T31も来た当初は寂しそうに1羽で佇んでいるように見えました。 年が明け、たびたび行動を共にしていた相手とつがいになったようです。傷心だった(?)T31も新たなつがい相手が見つかって良かったですね。 T50(1993年生まれ オス) T50は当会所有の持田野鳥保護区東梅生まれで、"タンチョウのヒナ"のヌイグルミのモデルにもなっています。前のつがい相手とは死に別れたと思われ、一昨年から6つ年下の55Vとつがいになりました。なかなか子宝に恵まれず、今年こそ! と思っていたのですが、今シーズン姿を見せたのは55Vのみでした。T50は確認出来ていないため、死んでしまったものと思われます。保護区ファミリーを期待していたのですが、残念です。 19Pと20P(2003年生まれ ともにオス) 当会所有の藤田野鳥保護区酪陽で生まれ、サンクチュアリで冬を越すという、当会の保護活動をフル活用の兄弟。昨年はいつも一緒の仲良し兄弟でしたが、今年は共に独り立ちしたようです。サンクチュアリですれ違ってもお互い知らん振り。たまには兄弟の絆を見せてほしいと願う気持ちは見事に打ち砕かれました。でも、それだけおとなになったということですね。今度は2羽がそれぞれお相手を見つけることを楽しみにしています。 39P(2004年生まれ メス)と019(2005年生まれ オス) 39Pは昨年6月に保護された個体で、019は動物園生まれの個体です。2羽とも12月5日にサンクチュアリで放鳥されました。39Pは放鳥直後に他のタンチョウからかなり突付かれ、数日は姿を見せませんでした。でも、今では毎日のようにサンクチュアリにやって来ては、019と一緒に行動する姿をよく見かけます。19P 、20Pと同じようにお互い独り立ちするのか、はたまたつがいになるという可能性も?! 数年後が楽しみですね。
|
| 第5回コニカミノルタ・タンチョウチャリティポストカードと フォトコンテスト入賞作品展のお知らせ |
||||||||||||||||||||||
| コニカミノルタホールディングス株式会社の協賛を受けて「第5回コニカミノルタ・タンチョウチャリティポストカード」を実施しています。千円のご寄付をいただいた方に、フォトコンテストの優秀賞作品5点のオリジナルポストカードを差し上げています。まだポストカードには残部がありますので、是非ご支援いただき、素敵なポストカードをご活用ください。また、ご希望があればこれまで(第2回〜第4回)のポストカードを差し上げることもできます。郵便振替用紙つきのチラシもありますので、tancho_sanc@zd.wakwak.comまでご連絡いただければお送りいたします。 また、入賞作品展の2月以降の会場日程も決定いたしましたので、あわせてご案内いたします。詳細につきましては、サンクチュアリまでお問い合わせください(W)。
|
| タンチョウイラスト展のご案内 | |||||||||||||||||
| サンクチュアリでは、毎年釧路・根室管内の小中学生を対象に、タンチョウのイラストを募集しています。12回目となる今年も多数のイラストが集まりました。 タンチョウの舞や子育てするタンチョウを描いた力作や餅つきをするタンチョウのユーモアあふれる作品のほか、笑ったり怒ったりウインクしたりと表情豊かなタンチョウ達が集まりました。子どもたちの可愛らしいイラストが訪れる方々の目を楽しませてくれます。 サンクチュアリでは2月いっぱいまで展示していますが、3月以降は下記の施設で巡回展を実施しますので、近くにお越しの際は、子どもたちの個性あふれる作品の数々を是非ご覧ください。 皆さんとともにタンチョウやタンチョウの生息する環境を守り、感性あふれる子どもたちによるこのイラスト展が、いつまでも実施できるよう願っています(W)。
|