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| 2001年度のタンチョウ生息一斉調査補足調査が1月25日に行われ、成鳥725羽、幼鳥82羽、不明1羽の計808羽とこれまでの最高数が記録されました。 奇しくも今年は人工給餌が成功し、第1回目の一斉調査が始まってから50年目に当たります。当時の記録は33羽。50年間で800羽を超える数まで回復した陰には、故伊藤良孝さんをはじめとする地元の方の地道な保護活動がありました。タンチョウ保護が成功した大きな要因は、地元の方々の愛情と保護活動への参加だと言われています。 一方で、タンチョウの現在の生息地である道東地方では、湿原の6〜7割が消失しました。近年の個体数増加は、タンチョウの人慣れが進んだ結果と考えられています。営巣環境の悪化に加え、4箇所の大給餌場に総個体数の95%が集中しているため、事故や伝染病の危険と隣り合わせです。個体数の増加が必ずしも絶滅の危険性を低くしていないのが現状です。 かつてのように道内全域に生息地が分散する事が望ましいのですが、給餌に依存しているため、自然には分散しづらくなっています。ただもう少し増えれば自然分散が起きるだろう、という指摘もあります。 いずれにしても道東に限らず、道内で現在残っている湿原をこれ以上減らさない事、環境悪化を防ぐ事が必要です。せっかく増えたタンチョウ達が安心して暮らせる自然環境をいかに残しておけるか、が求められています。
第8回イラスト展より 別海町 豊原小 中西 絢香さんの作品 |
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| 1〜2月に行われたタンチョウサンクチュアリ・セミナーの報告です。 | ||
| ●トビの話(1/27) 阿寒国際ツルセンターの研究員、古賀公也氏を講師に招き、最も身近な猛禽・トビについて、古賀氏が大学生のころに長崎県で実施した調査記録をもとに、その生態を中心にお話しいただきました。 トビが利用する餌は、魚と昆虫が主になりますが、9〜10月は魚が餌の中心となります。この時期は付近海域に青潮が発生し、魚が大量死する時期に一致します。死肉が餌の中心となるトビにとっては、願ってもない状況なのでしょう。 寿命は最高24年、平均6〜7年と考えられています。卵は平均2個産みますが、巣立ちはほとんどが1羽のようです。調査の結果、餌が十分でないと巣の中で兄弟げんかが起こり、強いヒナだけが生き残るようです。抱卵はメスが主。ヒナの羽毛は他の猛禽に比べ、雨をはじくようになるのが早いため、ふ化後20日後くらいからヒナを抱かなくなるようです。 古賀氏は現在、タンチョウの研究者として阿寒国際ツルセンターでご活躍ですが、トビに対する興味がなくなったわけではなく、機会があればまだまだ研究の余地はあるそうです。身近とはいえ、まだまだわからない部分も多いようです。
釧路市 鳥取西小 にしうら まさよし君の作品 ●かいじゅうの話(2/23) かいじゅうとは「海獣」。海棲の哺乳類の総称です。根室市在住の野生生物研究家青木則幸氏を講師に招き、北海道で見られるクジラ類を除く海獣について、お話しいただきました。 もっとも普通に見られるゼニガタアザラシは、普段水の中で暮らしていながら、陸に上がっているときは、水がかかることを嫌うそうです。春先に1頭の子どもを産みますが、アザラシの子どものイメージである真っ白な毛色(ホワイトコートと呼ぶ)ではなく、親と同じ毛色で生まれてくるそうです。 ゴマフアザラシは北海道では大部分が冬期間にロシア沿岸域から回遊してくる個体です。ゼニガタアザラシとは近縁の種ですが、子どもがホワイトコートで生まれてくる点でゼニガタアザラシと異なります。警戒心は強いのですが、好奇心も旺盛で、水の中にいるときは、水中から頭だけ出したゴマフアザラシに、意外と近寄ることもできるそうです。 イタチ科のラッコは近年、繁殖はしていないものの、ほぼ毎年根室周辺で目撃されています。観察記録の中で、食べるわけでもなく海鳥を捕まえ羽を折り、海鳥が死ぬまで抱きかかえて遊ぶという行動が見られています。繁殖地では全く見られない行動だそうです。 近年では、海獣による漁業被害の問題も出てきているようですが、曖昧な点も多く、駆除などの方向性には疑問の声も上がっています。くれぐれも慎重な対応を期待したいものです。 |
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| タンチョウ生息環境のヨシ原復元を目指すハンノキ伐採が4年目を迎えました。今回の作業の様子を報告します。 ●横浜から強力な助っ人 神奈川県横浜市にある「横浜自然観察の森」で活動するボランティアグループ「雑木林ファンクラブ」の強力な助っ人が1月下旬に来道し作業を行いました。これはレンジャー原田がかつて横浜自然観察の森に勤務していた関係で実現したものです。 同クラブの有志11人は、本会が設置した温根内早瀬野鳥保護区(20ha)で、チェンソーやナタ等で手際よく高さ15m程のハンノキ27本を伐採しました。今回は初めての試みで2時間足らずの作業でしたが、サンクチュアリが取り持つ縁で、今後の継続や発展が期待されています。 ●大人数で大面積終了 3月9,10日の2日間に渡り、首都圏の大学生の自然保護グループ「FAネットワーク」のボランティアワークキャンプの作業の一環で、地元社会人や釧路教育大生ら延べ41人が参加して作業を行いました。チェンソーに熟練した地元の方がハンノキを伐採し、大学生は灌木のホザキシモツケをノコギリで切りながら、伐り倒されたハンノキの片づけを行いました。2日間で160本程を伐採し、約3,000uの開けた空間ができました。
釧路市 山花小 淵脇 潤君の作品 ●タンチョウ利用状況 3月の作業の現地下見では、付近でつがいの鳴き合いが聞こえました。昨年までの作業でできた開けた場所では、川沿いにタンチョウの足跡がありました。作業当日も新しい2羽分の足跡があり、2日目には上空をつがいが飛んで行き作業地の隣接地に下りました。明らかに、私達がいなければ前日の足跡のついた水辺に下りたかった様子でした。 今春は例年より2週間程早い陽気で、タンチョウも湿原に戻りなわばりを構え始めています。作業域周辺では昨シーズン、2km程下流で営巣したつがいが餌を探しにこの付近を利用していた事が確認されています。今回のつがいが2km程下流から来たのか、あるいは新たになわばりを構えつつあるのか、今後も現地から目が離せません。 もしかしたら・・・。
釧路市 山花小 野村 和也君の作品 |
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| 保護に必要なデータを集めるため、個体識別用のリング(標識)がつけられたタンチョウがいます。今シーズンの観察記録から父親のエピソードを紹介します。 ●父親の鑑 T08(89年別海町生まれ)は標識タンチョウで最年長で、野生タンチョウの長寿記録を毎年更新中です。ケンカは強い方ですが、売られたケンカを買う程度で、落ち着いた雰囲気でした。 1羽の子連れで飛来した当初は、若いオスとのケンカを避けるなどやや弱気で順位も低かったのです。その後10月末に、子どもが片足を痛めて座り込むことが多くなりました。ケガをしている鶴はなぜかいじめられる事が多いのですが、気がつくとT08がケンカっ早くなり、他の鶴を子どもに寄せ付けなくなりました。 しかしいつの間にか目立たなくなったな、と思ったら子どものケガも治っていました。いざという時には強く、普段は平和主義。頼もしい父親です。 ●弱いと孤独 T31(91年根室生まれ)はT33(91年別海生まれメス)と2歳の時からのカップルで、おとなしい夫婦でした。 昨シーズン9歳で初めて1羽の子連れで現れ、関係者を感激させましたが、体が小さいせいかケンカには弱く、負け続けているうちに給餌場から離れた場所の堆肥で餌を採るようになりました。その後給餌場に現れた時は、妻子と離れて過ごす事が多くなり、すっかり自信を無くしているようでした。 今シーズンも1羽の子連れ(子どもは92V)でやって来ましたが、やはり負けて追われる事が多かったのです。その後1ヶ月以上T33と92Vの妻子だけが観察され、もしかしてT31は死んだのか?と心配されました。38日ぶりに観察された時はホッとしましたが、この父は鶴の社会がすっかり嫌になったようでした。男はつらいよ? ●かつてのモテモテぶりも今は昔 T77(95年根室まれ)は給餌場でハトやキツネを追いかけ回す、やんちゃな子供時代を過ごしました。2歳の冬は1歳年上のT68とカップルになり鳴き合いもしましたが、翌年秋には別々のカップルで飛来しました。2羽の間に何があったのでしょうか? 翌年4歳の秋には1羽の子連れ(子どもは46V)で飛来しました。初めての子どもがかわいくて仕方がないらしく、いつもべったり一緒でした。6歳の今秋は1羽の子連れ(子は83V、メス)でしたが、この83Vは幼鳥時代のT77にそっくりで落ち着きが無く、マイペースでふらふらしています。気まぐれな娘に手を焼いたか、T77も1羽で過ごす事が多くなり、ちょっと疲れ気味。でもまた最近は、目前に迫る子別れのため名残を惜しむように、親子一緒にいる事が多くなりました。
釧路町 富原小 千代川 美咲さんの作品 |
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