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鶴居村ではデントコーン畑の刈り取りが終わり、タンチョウはあちこちの畑でこぼれたコーンをついばんでいます。給餌場にも飛来が始まり、今年もタンチョウのシーズンがやって来ました(H)。
| 新しい保護区を設置、面積は過去最大 |
今回購入したのは、根室市の風蓮湖に面した湿原と山林です。面積は約368haと、これまでの保護区では最大となります。全体の4割程を占める湿原では、毎年1つがいのタンチョウが繁殖しており、隣接する湿原でも1つがいが繁殖しています。残る6割程の山林は、針葉樹と広葉樹が混在する二次林で湿原を流れる3本の川の集水域にあたります。湿原だけでなく、集水域の山林も確保できたのは今回が初めてです。
購入は、当施設の賛助会「タンチョウふぁんクラブ」会員の渡邊士乃武・玲子様からのご寄付を充てさせていただきました。今後現地では渡邊様のお名前を冠した「渡邊野鳥保護区ソウサンベツ(仮称)」として、看板と石碑を制作する予定です。渡邊様ご夫妻からは5年前にも多額のご寄付をいただき、厚岸町に235haの「渡邊野鳥保護区大別川」と保護区の環境管理のための「渡邊基金」を設置しています。今回は寄付総額1億円のうち約8割を土地購入等の資金とし、残る2割を同基金に積み立てました。
タンチョウが繁殖する湿原は減少する一方で、残されている湿原も営巣地の約半分は法律による保護の網がかけられていません。開発の危険と隣りあわせなのが現状です。日本野鳥の会では、タンチョウ保護の一環としてご寄付をもとにタンチョウの繁殖する湿原の確保を進めています。今回購入した土地も、道立自然公園や鳥獣保護区に指定されている風蓮湖に接していますが、保護の網からはもれている地域でした。
これで日本野鳥の会が購入したり、地主と協定を結んだりして確保した湿原は合計7ヶ所、面積は1057.4haとなりました。これらの保護区では現在、8つがいのタンチョウが繁殖しているほか、数つがいが自然の餌を採る場所として利用しています。
今後もご寄付のお申し出があれば、寄付者のお名前を冠した保護区の設置を続けていく予定です(H)。
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ハンノキ伐採区の巣でヒナ誕生の可能性
ハンノキ伐採区で確認された巣の現地調査の様子です(H)。
9月9日、阿寒国際ツルセンター研究員の松本さんに同行していただき調査に入りました。ハンノキ伐採区までは今夏の植生調査で通った踏跡をたどれましたが、その後は2m以上の高さに繁ったヨシ原のやぶこぎです。幸い航空写真とこれまでの現地作業の経験が活きて、思ったより楽に発見する事ができました。
巣は谷地坊主(カブスゲの株と土でできたコブ状の突起)を四隅の支えにして、中央部にヨシの枯茎を積み上げて作られていました。大きさは下面(水面に接するところ)が長径2.3m×短径1.8m、上面はほぼ球形で1.6m×1.5mです。3ヵ月程たっていたせいか、産座(卵を温める窪み)は分からくなっており上面は平らでした。巣材のヨシは周囲3m以内で集めた跡がありました。巣の厚さは17cm位で、この日は上面から14cm下の周囲は水面になっていました。川からは直線で約4mしか離れていません。雪解けと大雨が重なる春には、巣が水没しで卵が死んでしまう、という話が実感できました。
巣の上面には1〜2cm程度の卵の殻がわずかに見つかりました。松本さんによれば、このわずかというのがポイントで、殻が大きかったり多数あるとヒナが生まれなかった可能性が高くなるとの事。つまり、この巣ではヒナが生まれた可能性が高いというわけです。いやあ良かった!
現地では8月31日の植生調査の際に、南から2羽の子連れの家族が飛んで来て、我々に気づいて降りずに飛び去りました。餌を探しに来た様子です。今回の巣の調査と併せ、これで保護区内で2羽の子どもが誕生し育っていると考えて良いでしょう。来年は観察記録を増やそう、と夢が膨らみました。
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釧路市 清明小 大場 早希子さんの作品
農業被害防止対策の報告
タンチョウによる農業被害防止対策の今年度の結果をまとめました(O)。
今年度も例年通り、5月15日からの1ヶ月間、下雪裡地区と下久著呂地区でタンチョウによる農業被害防止対策事業を実施しました。対策の内容は昨年度同様、給餌の延長、畑の巡回と追い払い、防鳥器具の設置と、3つの方法で行いました。
今年度は両地区とも被害はほとんど出ませんでした。
●下久著呂地区での取り組み
今年度から下久著呂地区における被害防止対策は村主導で行うことになりました。これはこの事業を地域全体で取り組むための第一歩と言えます。
また、新たな対策として昨年度に大きな被害の出た畑への防鳥器具の設置を実施しました。
●新たな対策の効果
今年度は被害が出ませんでしたが、実は今年度、この畑付近には全くタンチョウが現れなかったのです。つまり防鳥器具の効果なのか、もともと今年度はタンチョウが付近にいなかったのか、はっきりしないというのが正直なところです。
●来年度への課題
下久著呂地区のタンチョウは周辺の湿原で繁殖しています。タンチョウの行動はヒナの有無により大きく変わります。つまり、同じつがいでも年により行動は全く違う可能性があるということです。この地区ではその年度毎にタンチョウの行動を十分に見極めた上で対策を実施する必要がありそうです。
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釧路市 山花小 三浦 まゆみさんの作品
今年度のバンディング結果
保護に必要なデータを集めるため、タンチョウの幼鳥を対象に足環をつけています。これをバンディングと言います。毎年6月下旬から10日間程度実施しています。今年度は春先の天候が穏やかだったせいか幼鳥の数は例年より多く、順調にバンディングが実施されました。
足環には番号がふってあり、この番号を読むことで、その個体の行動などを調査しています。今年度は95Vから99V、01Pから15Pの計20羽に足環がつけられました。また網走で生まれた幼鳥に初めて足環(15P)がつけられました。
今年は親子とも足環付きという家族が5家族います。そのなかでT09・14P親子は、早くも10月11日にサンクチュアリに姿を現しています。これからも次々と足環付きの幼鳥が、サンクチュアリに元気な姿を見せてくれるでしょう(O)。
第2回ポストカード&フォトコンテストのご案内
おかげさまで好評だったコニカの新チャリティー。今年は以下の内容です(O)。
●新しいポストカード
今年は一般の方々から寄せられたタンチョウの写真の中から、選りすぐりの5作品をポストカードに採用しています。同封のチラシを参考に、是非ご協力をお願いいたします。
●来年度用のフォトコンテスト
来年度のポストカード用の写真を募集しています。お気に入りのタンチョウの写真に応募用紙を添えて、サンクチュアリまでお送りください。詳細はお電話かHPにて。
●入賞作品展開催中
ポストカードに採用された5作品と佳作14作品をパネルにして、各地で入賞作品展を巡回開催中です。お近くの会場に是非、足をお運びください。各施設の休館日等は、直接その施設またはサンクチュアリ(HPに詳細あり)までお問い合わせください。
@10/27〜11/24 日本野鳥の会 大阪支部事務局 06−6766−0055
A12/2〜1/6 丸の内さえずり館 03−5220−3389
B1/11〜2/2 東京港野鳥公園 03−3799−5031
C2/6〜3/3 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
D3/4〜3/31 釧路空港3階展示スペース 0154−57−8304
E4/4〜5/5 ウトナイ湖サンクチュアリ 0144−58−2505
行事紹介
10〜12月のタンチョウサンクチュアリ・セミナーの内容は以下の通りです(O)。
10/27(日)「ヒツジの国の自然 〜ニュージーランドの自然再生事情〜」
★講師:日高哲二氏 (ネイチャーオフィス オルダー 環境教育コーディネーター)
★内容:ニュージーランドの自然と自然再生の取り組みについてのお話です。
11/17(日)「チベットのオグロヅル」
★講師:松本文雄氏 (阿寒国際ツルセンター研究員)
★内容:チベットの自然やそこに暮らす人々とオグロヅルについてのお話です。
12/7(土)「ワシ類の鉛中毒について」
★講師:黒沢信道氏 (ワシ類鉛中毒ネットワーク代表)
★内容:オオワシやオジロワシを脅かす鉛中毒の実態や対策等のお話です。
※いずれも会場はネイチャーセンター。入場無料。 時間は14:00〜16:00