鶴居村広報誌のエッセイ
月に1回鶴居村全戸に配布される「広報つるい」に、タンチョウに関連するエッセイを連載しています。

2009年11月号

タンチョウってどんな鳥 6

レンジャー 有田 茂生

 今回もひきつづき、タンチョウのしぐさについて紹介していきたいと思います。

■鳴き合い

 給餌場でタンチョウを見ていると2羽のタンチョウが首を伸ばして上を向き、空に向かって大きな鳴き声をあげているところに出会います。これを一般的に「鳴き合い」と呼んでいます。

 「コーカッカッ、コーカッカッ」と聞こえるこの声はオスとメスの2羽がかけあいで鳴いているときの声です。この行動はオスとメスがつがいである証でもあります。オスが「コー」と鳴くと、メスが「カッカッ」と応じて鳴いているのです。外見ではオスとメスの見分けが難しいタンチョウも、この鳴き合いの行動を見ることによって見分けることができます。声にあわせてくちばしを1回しか開かないのがオスで、2回開くのがメスです。またオスは同時によく翼を持ち上げるため、それで見分けることができる場合もあります。

 このとき、頭の赤い部分は大きく広がり、よく目立ちます。タンチョウは求愛や興奮状態になったときに、頭の赤い部分を皮膚の筋肉の働きで広げることができます。

 この鳴き合いの行動には、2つの意味があると考えられています。1つはまわりのタンチョウに対するなわばり宣言です。なわばり意識の強いタンチョウは、繁殖期はもちろん、たとえ越冬期であっても、近くにいる他のタンチョウを追いはらおうとします。2組のつがいがその場所を譲らず、お互いが鳴き合いをしていることもよくあります。

 もう1つの意味は、オスとメスがつがいの絆を深めるためと考えられています。特に繁殖期が近づいてくると、この目的での鳴き合いが増えてくるようです。求愛ダンスや交尾の前後で鳴き合いの行動が見られれば、こちらの意味といえます。

 
 タンチョウの鳴き合い(左:オス 右:メス)

■威嚇(いかく)、けんか

 タンチョウは、他のタンチョウや生き物に対して、威嚇したり、おどしたり、自分の強さを誇示したりします。また、ときにはけんかをしたり、激しく争ったりもします。こうしたタンチョウの威嚇やけんかの行動の際に共通しているのは、頭の赤い部分を大きく広げることです。これは興奮時に見られる特徴です。威嚇やけんかにはさまざまな方法があり、首を伸ばしたり背中を反らせたりして大きく身体を大きく見せているものや、頭を下げて「シャーッ」息を吐くような声を出して追いはらいをします。なかには座り込んで威嚇するものもいます。けんかは2羽のタンチョウがお互いに飛び上がりながら蹴りあったりします。

 威嚇されて逃げたり、負けを認めて引き下がるタンチョウは、頭の赤い部分が小さくなり、首をすくめて立ち去ります。

 
 タンチョウのけんか

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ

<ネイチャーセンターからのお知らせ>

 今年も10月1日より、ネイチャーセンターが開館しました。給餌場には中旬ごろからタンチョウが集まってきます。どうぞ皆さんお誘い合わせの上お越しください。薪ストーブで暖かくしてお待ちしています。

休館日:火・水曜日(祝日を除く)、12/26〜30



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