| 月に1回鶴居村全戸に配布される「広報つるい」に、タンチョウに関連するエッセイを連載しています。 |
タンチョウってどんな鳥 5
| レンジャー 有田 茂生 |
秋の気配となり、牧草やデントコーンの刈り後にタンチョウがやってき始めました。タンチョウを観察しているとさまざまな行動、動作、しぐさをしています。それらは1羽だけでしていることもあれば、家族やグループ、群れ全体でしていることもあります。
それらの動作やしぐさには、それぞれ意味のあることがわかっています。喜怒哀楽の表現だったり、コミュニケーションだったり、タンチョウも人間のような豊かな感情表現を見せてくれます。その意味がわかってくればタンチョウについてもっと親しみを持てるでしょう。
■飛ぶ
翼を広げると200mを越えるタンチョウは、大人が2人肩を組んで手を真横に伸ばしたくらいの大きさで飛んでいることになります。飛んでいるとき、首と脚は前後にまっすぐに伸ばして飛びます。ツルの仲間はみんな同じですが、体型のよく似たサギの仲間は首をたたんで飛びます。
気温があまりにも低いときには、タンチョウは脚をたたんで飛ぶこともあります。これは、体温を奪われるのを防ぐためと考えられています。
飛び立つときは、風上に向かって数歩の助走をしながら羽ばたいて浮き上がります。しかし、危険を察知するなど緊急時には、助走なしでも浮き上がることができます。
一年を通じて家族単位やグループ単位で行動するタンチョウは、飛び立つ場合もそれぞれの単位で行動します。
その場合、飛び立つ前には、家族またはグループと思われる数羽が同じ方向を向いて、首を伸ばしたまま静止します。また合図となるような「コッ、コッ」という、低く短い鳴き声を断続的にだし、そして、いっせいに助走をはじめ、飛び立ちます。
タンチョウは、短い距離を移動する場合は、あまり高度を上げず飛び、木や電線などの人工物を飛び越えるときだけ高度を上げます。
長い距離を飛ぶ場合は、上昇気流を利用して旋回しながら高度を上げていき、そこから羽ばたかずに滑空することで効率的に移動します。繁殖地から越冬地へ移動する秋から初冬と、越冬地から繁殖地へ移動する春先の天気の良い日に良く見られます。
2007年度タンチョウフォトコンテスト入賞作品
撮影:小山田貞夫氏 「家族」
■寝る・休む
寝るときや休むとき、タンチョウは頭を羽の中に入れて片足立ちになります。ねぐらで寝るときはもちろん、日中でも寝たり休んだりするときにはこのようにします。頭を入れ片足立ちになる理由は、羽毛に覆われていない部分を羽の中に入れることで寒さをしのいでいるのだと考えられています。
■羽づくろい
タンチョウに限らず、鳥の羽づくろいを頻繁に行います。羽づくろいとは、羽毛の手入れをすることで、鳥にとって最も重要な機能、能力である「飛ぶ」ために欠かせない行動です。
くちばしで羽をはさんで、すく動作は、羽の乱れを整えたり汚れを取ったり、尾羽の付け根にある尾脂腺からでる脂を羽に塗りつけ、汚れや水をはじくために行います。脚で頭をかくような動作も、くちばしで届かない頭頂部の羽毛の手入れと考えられています。また、片足で立って羽を伸ばすしぐさは、翼を整えるためと考えられています。
給餌場で休息や羽づくろいをするタンチョウ
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