| 月に1回鶴居村全戸に配布される「広報つるい」に、タンチョウに関連するエッセイを連載しています。 |
タンチョウってどんな鳥 4
| レンジャー 有田 茂生 |
日本のタンチョウは1年を通じて、そのほとんどを北海道東部でくらしています。しかし、季節によって移動をしたり、違った行動を見せたりします。今回は、タンチョウたちの越冬地での暮らしを紹介します。
■ねぐらと給餌場
越冬地にやってきたタンチョウは、給餌場の周辺にある厳冬期でも凍らない川をねぐらとして、そこで夜をすごします。朝は日の出前後から活動を開始し、給餌場などで餌を食べたり休憩したりしています。そして夕方になると、次々、また川のねぐらにもどっていきます。
鶴居村の雪裡川などでねぐらをとるタンチョウの数は冬の間変化をします。11月上旬の100羽前後から増えていき、2月上旬には400羽を超える数まで増えてきます。また、鶴居村と阿寒のねぐらを時期によって使い分けるものもいます。
タンチョウは、基本的には家族単位で行動します。したがって、たくさんのタンチョウが同じ場所に集まっていても、観察していると、家族単位で行動していることがわかります。
また、脚に着けられた標識(黄色いリング)を観察していると給餌場の中でも、家族によって好みの場所があるように感じられます。気の弱い若鳥はすみの方のいつもの定位置にいたりと、冬の間中観察を続けるといろいろとわかってきます。
ねぐらですごすタンチョウたち
■繁殖準備と子別れ年が明けるともっとも朝晩の冷えこみが厳しくなるため、タンチョウの活動開始も遅くなります。朝は9時前後から、じょじょにタンチョウが給餌場にやってくるようになります。
2月になると、つがいのオスとメスは繁殖に準備をはじめます。白く染まった給餌場のあちこちで、「コーカッカッ」という鳴き声が響き渡ります。よく観察してみると1羽が「コー」と鳴くともう1羽が「カッカッ」と鳴いているのに気付く。「鳴き合い」と言い、最初に鳴いたのが雄で雌がそれに応えている。そのほかにも雌雄が向き合って翼を広げたり飛び上がったり、腰を屈めたりして優雅に舞う「求愛のダンス」が繰り広げられる。
3月ごろから交尾行動が見られるようになります。また、親鳥が幼鳥を追いはらう行動も見られるようになります。これは一般的に「子別れ」と呼ばれる行動で、幼鳥を独り立ちさせるための行動です。
優雅に舞うタンチョウ
■繁殖地へ
子別れを済ませたつがいは、繁殖のために湿原へ移動をはじめます。3月中旬には、つがいのタンチョウは給餌場ではほとんど見られなくなります。
親鳥と別れた幼鳥は、幼鳥どうしでグループをつくり、群れで行動するようになります。4月上旬くらいまでは、幼鳥を中心とした群れを給餌場で見ることができます。中には、親鳥とともに繁殖地に移動する幼鳥もいますが親鳥がなわばりをつくるころまでには、子別れを済ますようです。
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