鶴居村広報誌のエッセイ
月に1回鶴居村全戸に配布される「広報つるい」に、タンチョウに関連するエッセイを連載しています。

2009年8月号

タンチョウってどんな鳥 3

レンジャー 有田 茂生


 日本のタンチョウは1年を通じて、そのほとんどを北海道東部でくらしています。しかし、季節によって移動をしたり、違った行動を見せたりします。今回は、タンチョウたちの夏から給餌場やってくるまでの暮らしを紹介します。


■ヒナの成長 飛び立ちまで

 ヒナは、まず脚から伸び生後3ヶ月前後で親と同じ大きさまでに成長します。自分で餌をとることもできるようになりますが、親からも餌をもらっています。

 翼の白い羽も生えてきて、目立つようになります。このころヒナは、よく羽を広げて羽ばたきするようになります。また親がヒナに飛び立ちをうながすように、助走しながら羽ばたく行動も見られます。こうして、生後100日前後でヒナは飛べるようになります。

 一般に、その年生まれの飛べるようになった鳥を、ヒナではなく幼鳥と呼びます。

白い羽が生えそろった幼鳥(右)と親鳥


■繁殖地から越冬地へ

 繁殖地から越冬地へ移動する時期は、繁殖地における餌の条件や、幼鳥の生育状況などによって異なります。移動の早い家族は、9月下旬ごろから鶴居村周辺で姿を見ることができますが、なかには年が明けてから移動する家族もいます。また、少数ながら繁殖地周辺で越冬する家族もいます。

 移動は、一日で根室方面から鶴居村までやってくるものもいれば、途中の別海町や厚岸町のデントコーン畑の刈りあとでしばらく過ごしてからやってくる個体もいます。これらは、調査のために着けられた標識を観察することによってわかってきました。

 9月下旬ごろから越冬地にやってきた家族は、周辺の牧草地や収穫後のデントコーン畑などで姿を見かけることが多くなります。1つの畑に100羽前後のタンチョウが群れていることもあります。


デントコーン畑の刈りあとで過ごすタンチョウ


■給餌場へ

 繁殖地周辺の湿原や海辺が積雪や凍結によって、とれる餌が少なくなってくると、繁殖地から越冬地への移動してくる家族が増えます。さらに越冬地周辺でも自然の餌が不足してくると、タンチョウは人間が用意した給餌場に集中するようになります。

 給餌場では主にデントコーンの粒がまかれます。釧路湿原の周辺には、3大給餌場と呼ばれる環境省委託の鶴見台、サンクチュアリ、釧路市阿寒町の阿寒国際ツルセンターがあり、もっとも多い時期でそれぞれ300羽前後のタンチョウが集まります。それ以外にも北海道庁委嘱の給餌場が27ヶ所あり、数羽から100羽前後が冬を過ごします。



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