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10/27(日) 「ヒツジの国の自然 〜ニュージーランドの自然再生事情〜」
講師:日高 哲二氏(ネイチャーオフィス オルダー 環境教育コーディネーター)
概要:
日高氏は今年の8月に10日間ほど、ニュージーランドを訪れました。これはセブンイレブン全国約9000店舗で「緑の基金」という募金を行っており、その基金をもとに自然保護団体の人員育成を目的とした研修を企画し、自然保護活動に貢献しようというもので、日高氏はその一員に選ばれたわけです。
ニュージーランドは本州と九州を合わせたほどの広さながら、人口はわずか360万人。静岡県とほぼ同じ数の人しか住んでいません。ところが、ヒツジの数は5000万頭。そのため国土の半分は牧草地で、のびやかな英国式の田園風景が広がっているそうです。いかにもニュージーランドのイメージ通りですが、ニュージーランドはもともと、このような風景ではありませんでした。
ニュージーランドが大陸から離れたのは約7000万年前と言われています。これはユーラシア大陸やアフリカ大陸などができる前のことで、自ずとニュージーランドの生き物は孤立し、固有種が生まれました。約1000年前に人が島に入り込むまで、ニュージーランドに住む哺乳類はなんとコウモリが2〜3種しかいなかったそうです。もちろん、ヒトもネコも犬もいなかったわけです。また、ヘビも生息しておらず、まさに鳥にとっては天国のような島だったわけです。
鳥は天敵のいない島で、飛ぶ必要がなくなり、飛べない鳥が数多く生息するようになりました。ところが、約1000年前にヒトが住み始めて、島は一変します。飛べない上に、警戒心が薄い鳥たちはヒトやヒトの持ち込む動物に次々と捕食され、あっという間に生息数を減らします。モアという全長3mもの鳥など、すでに80種の鳥の絶滅が確認されているそうです。また、原始の森は次々に開墾され、今は残りわずかとなっているそうです。
今、ニュージーランドではもともと島にいた在来種を保護しようと、徹底した保護対策が実施されているそうです。ひとつは在来種そのものの保護。例えば、絶滅の危険がある飛翔能力のほとんどない鳥を湖の孤島に移し、陸から隔離して繁殖させたり、厳重に管理された保護区を作ったりしています。もうひとつは外来種の駆除。その中でもポッサムという動物は目の敵とされているようで、ポッサム撲滅運動まで実施されているそうです。その他、在来種を脅かす外来種をポスターにし、駆除を呼びかけているそうです。また帰化植物についても同様の対策がとられているそうです。
このような徹底した保護対策は、DOCと呼ばれる日本でいうと環境省にあたる組織が執行しています。日本との大きな違いは、国立公園のあり方で、ニュージーランドは国立公園のすべてがDOCの所有となっているのに対し、日本の環境省所有の国有地が非常に少ない点です。ニュージーランドではDOCが各国立公園ごとに委員会を発足させ、その委員会が国立公園の利用などを定めたマスタープランを作成します。これは絶対的な力を持っているそうで、国立公園内のホテルの数、ガイド業者の選定など、あらゆることを決定します。またトラスト運動なども行われており、寄付を有効に使うことが徹底されているそうです。問題は人手不足で、海外からの受け入れなどを積極的に行っているそうです。
日本でも外来種の問題が多く聞かれる昨今ですが、今後どのように対応していくべきなのか、考えさせられる内容のお話でした。少なくとも人手の多い点では日本の方が有利なのですが・・・。
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