◆ちょいとひと風呂、横浜温泉へ

2002年4月21日(日)

陽気がいいせいか、どうも仕事がヒマです。日曜日の今日もホントは仕事だったのに人手が余っているようで急遽お休みに。ラッキー♪ とばかりにちょこっと車を走らせて温泉に行ってきました。

ホントに近場なんですよ。行ったのはその名も 横浜温泉 。そう、地元横浜にある温泉。「えっ、横浜に温泉になんてあるの?」とお思いかも知れませんが、これがあるんですね、正真正銘の立派な温泉が。

場所は保土ヶ谷バイパスの終点、上川井インターから3分ほどのところ。東名高速の横浜町田インター近くといったほうがわかりやすいかも知れません。

実は、東京、川崎、横浜あたりにも「温泉」はいっぱいあります。温泉法で温度が低くても、一定以上の温泉成分が含まれていれば「温泉」と呼ばれます。横浜周辺にある温泉の多くは「沸かし湯」温泉が主流ですが、この上川井の横浜温泉は横浜市内では珍しい(唯一?)の高温泉で、45℃あるそうです。

この施設の名前は「地域交流施設 横浜温泉 チャレンジャー」といいます。なにがチャレンジャーなんだかよくわかりませんが、中身はふつうの温泉施設です。いや、でもちょっと雰囲気は違うかもしれない。「あだちホーム」という特別養護老人ホームに併設する形になっています。昔は老人ホーム専用の温泉だったのが、地元住民の強い要望と施設長の厚意で、空き時間に一般開放するようになり、いまでは一般入浴用の施設を増設、常時一般客が利用できるようになっています。

建物を入ると、たしかにいまはやりの日帰り温泉施設とはちょっと違う雰囲気。自販機で入浴チケットを買って入ります。チケットに時刻が打たれていて、基本料金500円で2時間までとなっています。ちょっとうるさい気もするけど、べつに商売根性が感じられるわけじゃないからよしとしよう。それと、下駄箱の鍵が、脱衣所のロッカーの鍵と共通になっているのでご注意を。

なかの設備はごくふつうの銭湯みたいなものです。さすがに富士山の絵なんかはないですが、どちらかというとどこかの研修施設の大浴場といった感じでしょうか。スーパー銭湯やホテルの大浴場ほど凝ってはいないけど、銭湯とはまた違うといった雰囲気。

横浜温泉浴室の写真

(パンフレットより)


湯船は3つあって、ジェットバスになったのと、ふつうの湯船、それとぬるめで寝そべって入るような湯船。大きさはそこそこあって、ひどく混雑するほどではありませんでした。洗い場は20くらいだったかな。

さて気になる泉質。温泉なんで脱衣所には大きな成分表があります。でもまずはそれを見ずに湯に浸かってみると…、においはなし、無色透明だけど、ちょっと茶色にスモークがかった感じ。質感はやや重みがあって、肌を擦るとすこしキュルキュルする。弱いアルカリ泉かな。なめてみるとかなり塩辛い。苦みはあまりない。うん、なかなか温泉らしい温泉でよろしいじゃないですか。

ひととおり温泉を試したあと、脱衣所の成分表を見てみると、

ナトリウム−塩化物泉(旧泉質名 純食塩泉) 弱アルカリ性(pH 7.6) 等張性 高温泉

と書かれてました。やっぱり食塩泉か。アルカリというのもアタリ! 基本的に食塩泉ってあまり好きじゃないんですが、アルカリ性ゆえの重みもちょっと感じられて、悪くないです。

なにより源泉温度が45℃というのがすばらしい。温泉の各湯船のところに「源泉」と書かれた吹き出し口があって湯が流れ込んでいます。出入り口近くのかけ湯のところにも源泉の蛇口があって、循環式ではない正真正銘の温泉なんだとわかって、これまた気分がいい。

行ったのは日曜日の午後2時くらいでしたが、男湯の方はそれほどごった返すほどでもなくいい感じでした。女湯の方は洗い場の順番待ちができていたようですが。(まあ、これはどこの温泉・銭湯に行っても同じ状況でしょう。髪洗うのに時間かかるし、子ども連れが多いので)

ここの温泉の特長ですが、横浜市内で唯一の高温泉だという以外に、

という特長があるそうです。

この温泉で無料でもらえるパンフレットがあるんですが、これがとってもマニアック。温泉に必ず掲げてある成分表、あれをもっと詳しくしたようなもので、温泉マニアにはたまらない一級の資料となっています。

まず総溶残存物質量が多いというのは、つまりは温泉成分がとっても濃いということ。同じ県内にある湯河原温泉や箱根湯本温泉との比較が載ってましたが、確かにすごい。わかりやすい例としては、市販の入浴剤、あれに換算すると、通常湯船に一袋を入れるところを90袋入れたのに相当するとのこと。たしかに飲んだときにかなりはっきりとした塩味がしました。熱海温泉なんかはほんのりと塩味がする程度でしたが、ここはかなりクリア。

メタホウ酸というのは、まあホウ酸と考えていいようです。この量が県下で最大量らしいとか。ホウ酸というとゴキブリのホウ酸ダンゴのイメージが強いかも知れませんが、これは消毒薬としても使われます。薄い水溶液で目を洗ったりとか。そういった意味で皮膚関連の治癒効果が期待できるそうです。

とまあ、いろいろと詳しい解説が載っていました。行ったときにはぜひ目を通してみてください。勉強になりますから。

それにしても、なんだかとっても温泉らしい温泉が身近なところにあったなんてビックリ。それこそ自宅からは混んでなければ20〜30分の距離ですから。温泉というと遠出というイメージがありますが、こういう身近な穴場を探してみるのもおもしろそうですね。


施設の詳しい情報は「横浜温泉チャレンジャー」ホームページへどうぞ。
 → http://www2.gol.com/users/adachi/ONSEN/

(2002/4/21)





HOME

Copyright © 2002-2005, AKIBA Ken, All right reserved.
焚き火のまえで 〜山旅と温泉記
By あきば・けん
e-mail address